Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』



 岩井俊二監督最新作『リップヴァンウィンクルのの花嫁』完成披露を観に来た。『花とアリス』以来の国内での長編実写映画ということだし、役者陣も好きな人ばかりで楽しみだった。原作に一応なる小説版もすでに読んでいたので内容はわかっていたが、岩井ワールドというか世界観はどうなっているのかを確かめたいという気持ちもあった。




 予告編でも黒木華がかぶっているねこみみが観客に配られた。かぶって記念写真というか宣伝とかに使う写真とか映像を取った。帰りもくれるみたいだったのでわりとみんなかぶって帰って行った。僕ももちろん持ち帰った。



 岩井さんと黒木さんの間にいるのが僕なんじゃないか説。



 小説版を読んでいたけど3時間が長いと感じられない。七海と真白のシーンは『花とアリス』を彷彿させる、かつての岩井作品の片鱗がいくつも見られるようだけど現実世界を反映させながらどこかファンタジーさもある。映像がとても素敵だった。
 七海と真白のふたりのある後半のシーンは『花とアリス』を彷彿させるんだが、ある意味でレズビアン的な要素もあって、この映画では男女の恋愛はあまり上位に置かれていない。綾野剛演じる安室のすごく不思議な存在、実際に七海がするアルバイトも世界には存在しているのだから彼の存在も嘘ではないといえる。この作品に出てくる職業は存在しているが身近なものではなかったりするだろう。でも、それを仕事にして生きている人たちと僕らは変わりがないし同じようなことで辛かったり楽しさを感じている。真白がいうセリフの強度は確かにあって、彼女がなぜあそこまで仕事をするのかという強い理由になっている。僕はそのことで強く心が揺さぶられた。劇場公開したらパンフも買いたいしまた観に行くと思う。ネタバレできないのであまり多くを語れない。



↑部屋のオブジェと化した。




『君の顔』
白い手と白い手がからみあう
首筋に触れる唇はあたたかくてくすぐったい
ベッドの上で眠るようにおちていく
素敵な夢を見れたらいいのにね
目が覚めるまで一緒にいよう
それを君がなんて呼ぶのかはわからないけど
愛おしいという気持ちが体のすみずみまで行き渡る
あたたかい気持ちだけがすべてで
なんだかくすぐったい
眠りに落ちる前に見た君の顔が
目が覚めたらそこにあるという幸せ