Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『246』


 同世代で評価されている作家を読んでみるという昨日、今日。僕は『異郷の友人』のほうが話としては好みではあった。そして、今まで読み始めて最後まで読み通せなかった上田作品を最後まで読めた作品だったりする。





246



 「l Love you」を夏目漱石は「月が綺麗ですね」といいなさいと伝え、二葉亭四迷は「死んでもいい」と訳した。僕は今日、「atプラス27」掲載の大塚英志「機能性文学論ーー更新後の文学」を読んだ。前者でも後者でもない僕はどう言うか訳していこうか。




『246』
滑り落ちそうな月の雫が浮かんでいた
夜空とビルの明かりが煌めいている東京
ヘッドライトの光が通り過ぎていくだけで
空から雫が落ちてこないけど
なにか思い出を彷彿させるような光を放っていた
246沿いの景色と共に
さあ、家に帰ろう
月を背にして
滑り落ちたものがあったとしても
今の僕には見えないのだから