クッキーシーンにザ・エックス・エックス[interviews]がアップされてます。あんまり聞き込んでないけど話題ですなあ。
charlieのブログ『Soul for Sale』で「5月のいただきもの」が更新。『文化系トークラジオ Life』でゲストだった白井さんの本もあったりね。
『Life』サブパーソナリティーの津田さんが普通に『やりすぎコージー』のiPhoneバカ企画に出ているのを帰ってきてから見てる。すげえな、ソフトバンクの提供とかなんにもないのにする辺りが『やりすぎ』らしくて。でも、iPhoneにはしない、あまりにも周りがiPhoneだらけで天の邪鬼な人間には無理だ。
高橋源一郎著『「悪」と戦う』は重版が3日ぐらいかららしいがホントに書店にないなあ、読みたいのだけど。
今日少しほろ酔いの女性客の鞄に岩井俊二『スワロウテイル』のハードカバー本が入っていたのをみた。なぜいまさら?とも思ったし映画観たから小説を読んでいるのか?勧められたのか?謎だ。
岩井さんはバンクーバーだっけ?カナダで『ヴァンパイア(仮)』を撮っているはず。前編英語の海外での作品、『花とアリス』以来の長編。
岩井さんの作品で一番面白かったのは僕としては小説の『ウォーレスの人魚』だ。もともとはカールスモーキー石井監督『アクリ』の原作だったはずだが、映画よりも時間がかかって書き上げられた作品。以下は前にPWのMMに書いた『ウォーレスの人魚』のレヴューみたいなもの。
青空に舞うカイトを見上げている少女のあの横顔、この世とあの世の境界線のような塀の上を歩いている精神病患者3人の足取り、雪原にかつての恋人の名前を呼んで返ってくる山びこと頬を流れる涙、走って行く車の荷台の幌から巻き散らされる札束のダンス、思い出せるはずのこれらの光景。「ウォーレスの人魚」を読み始めると浮かんでくる映像、イメージ、描写、自らの中で画として浮かび、物語が動き出す。
ボーイ・ミーツ・ガール、そう世界は出会いと別れ、少年と少女が出会ったら、世界は確かにゆるやかに動き始める、誰にも止められない、少年と少女の手が繋がれたら、そう世界はゆるやかに・・・。
聞き慣れない進化論も専門用語も次第に点と点が結ばれ、線となり物語の輪郭を作り始める、出てくる登場人物たちのそれぞれの思惑も関係性も、その線が描いた円の中で回り始める。想像してみよう、海中を30ノットで泳ぐ人魚を。彼らのスピードを、彼らの見える世界を。読む人それぞれにあるイメージが文字を読み進めるうちに具体的なものとしてSFに見えるこの物語が実際にあるような感覚。
陸に上がった「ホモ・サピエンス」と海に残った「ホモ・アクアリウス」。僕らは陸に上った可能性の未来、人魚は海に残って進化したもう一つの僕らの可能性だったものだとしても不思議はないだろう。読み終わってから僕の脳内には人魚の残像が泳いでいる、彼の脳内には僕ら地上の人間のイメージが浮かんでいるのだろうか?
生物の根源の海、そこを自由に舞うように泳ぐ人魚、きっとこの世界のどこかにはいるんだろう、きっとこの世界のどこかに。
- 作者: 高橋源一郎
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