Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「世界は俺が回してる」

 二時間ぐらい寝て起きてから銀行へ。激混みな中、家賃振り込んだり、MGMTのチケ代を友達に振り込んだりした後に窓口で各種公共料金を払ったんだが、この窓口がめっちゃ混んでて二、三十分待ったような、コンビニ行ってもよかったんだけど、終わったらツタヤに行こうと思ってたから待ってしまった。


 給料日の日には小説や漫画等の新刊がわりと出る日なのでツタヤの本屋に。買おうと思っていた西島大介著「ディエンビエンフー」六巻を。第一部完結の内容だった。内容的には小沢健二「戦場のボーイズ・ライフ」を思い出した。まあ思い出したのは深夜にこの曲を聴いてたら内容と合うなあって思ったんだけど。


小沢健二「戦場のボーイズ・ライフ」


 西島さんのデビュー作である「凹村戦争」がハヤカワ文庫で三月に出るみたい。たまたま表紙見てハードの昔出たハヤカワJコレクション版を買ってしまってから西島作品を買うようになった。きっかけの作品。たまに読み返す、その後出た「アトモスフィア」がすげえ文学的というかツボに入った所が大きいけども。「ディエンビエンフー」シリーズも好きだし「世界の終わりの魔法使い」シリーズも。


 あとがきに大塚英志さんや東浩紀さんやcharlie(鈴木謙介さん)の名前があったりと今思うともろに僕の好きなライン上にある作品だったなと思うんだけど。charlieがメインパーソナリティーの「文化系トークラジオ Life」の次回2月28日放送テーマは「小沢健二とその時代」と強引に繋げてみた。


 もう一冊気になったのは新井英樹著「SCATTER あなたがここにいてほしい」でこちらは一巻。新井作品は「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」全巻読んだ事があるんだけどその時の衝撃が強かったので一巻買ってみた。まだ物語の序盤中の序盤でここからどう動いていくのかわからないけども、「生」「性」「死」がテーマなんだろう、特に今回は「性」なんだろうけどもかなり強烈なものになりそうだ。なので追いかけることにした。


 夕方に読みかけていたなかにし礼著「世界は俺が回してる」を読了。すっごいスラスラと読めた。舞台がTBSということもあり、僕は昔からTBSドラマが好きだったし、特に「野島伸司」脚本ドラマのおかげで、あるいはせいで人生を完全に間違えたのであり、この数年は「文化系トークラジオ Life」関連でTBSラジオは聴くようになっていて、特に好きな局だし「キラ☆キラ」での水道橋博士さんのオススメで聞いてこの本を買ったという経緯がある。


 局内でも表紙にカバーをかけて読んでいる人がけっこういるとかいないとか。読んでたらなんかすごいもんなあ、テレビマンだけども局越えて仕事しちゃってるし、お金は使いまくるけどそれには理由がきちんとあって、交渉のためとか部下たちの精気を養ったりとか自分のためでもあるけどそこには他者も含まれてた。あと女性関係がモラルなんかまるでなくて豪快すぎ。
 妻が亡くなって棺桶が置かれているとなりの部屋でやったり、おかんが死んだ時もとか、なんだか「生」=「性」が強いというか手に入れたいと思ったら常識とか関係ない人だった。


 そういう彼の元のいた女性達はいろんなタイプがいて、読んでて実話なのかこれは?と思うような。博士が語っていた唐突に出てくるカツラ話はきちんと着地をしてみせたんだが、僕はしないほうが美学なんじゃねえかなって思ったんだけどそれは人それぞれ感じ方は違うんだろうな。


 読んでて少し感じたのは幻冬舎社長の見城徹氏の編集者時代を綴った「編集者という病い」にどことなく似ているなと。どちらもバイタリティーに溢れすぎてて活動的で周りの人が彼に惹かれてるのが伝わる。まあ、見城さんは尾崎豊とかの関係で出版社の編集者という立場を超えて彼と向き合ってたりと渡辺さんと通じる部分があるんだよなあ。



 なにかを作り上げる人って常識とかそういう枠組みで物事を考えてないというかスルッとその境界線からはみ出るというか突き切っちゃうからできることがあって、新しい何かを始めたり作り上げることができるんだろうなって。


 我がままになるってことは時として自分のレベルを上げることに必要なことじゃないとか思った。まあ、我がままじゃないとやりたいことはできないし。

ディエンビエンフー 6 (IKKI COMIX)

ディエンビエンフー 6 (IKKI COMIX)

SCATTER あなたがここにいてほしい 1巻 (BEAM COMIX)

SCATTER あなたがここにいてほしい 1巻 (BEAM COMIX)

世界は俺が回してる

世界は俺が回してる

編集者という病い (集英社文庫)

編集者という病い (集英社文庫)


凛として時雨 - Telecastic fake show〜nakano kill you


新井英樹「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」レビュー


世界ってなんだ?
破壊され再生され繰り返し過ちを冒し、絶望し希望する。
人は人を救えるし、人は人を殺す。
理由があろうがなかろうが。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)


生かす事、殺す事、生きる事、死ぬ事、


世界中で孤独な生死が寄り添って、互いを舐め合う。


傷を舐め合うのか、拡げるか、抱き寄せては背中を刺す。
それとも単なる孤独からの隠れ蓑か、忘却か、
性器を舐め合い、一時の快楽に溺れるか、
白濁としたその想い、純情なその願い、
喜びの咆哮、哀しみの嗚咽。


覚悟という輪郭が、生死をより強固に仕立て上げる。


突如襲われる死という刹那、神が与えた試練などない。


神は人が造り出した自分自身のフィルター、
自己批判、弁明、崇拝、正当性、虚偽、享楽の様相。


自分と他者の関わり、言葉、行動、思考、快楽、悲壮、
孤独は自分を守り、自分を傷つける。


ここではないどこかへ行けないことを
知りながらもバスジャックをするような、
救われないとわかっていても天に願うような、
抱きしめても実感が沸かないような、


想いが疾走して肉体を置き去りにしていく。
無意識に生きるのか覚悟して意識的に生きるのか、
どっちが幸せなんだろう。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン 4巻 (ビームコミックス)

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン 4巻 (ビームコミックス)


『抗うな。受け入れろ。すべては繋がっている。』


圧倒的。
生死とか神とか人とか正義とか欺瞞とか自己愛とか嘘とか殺戮とか性交とか肉体とか命とか出会いとか別れとか涙とか花とか空とか奇跡とか未来とか海とか慈しみとか夢とか過去とか嬉しいとか世界とか君と僕とか愛とか共感とか芽生えとか意識とか現実とか・・・・。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン5巻 (ビームコミックス)

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン5巻 (ビームコミックス)