Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「わずか二十年の孤独、さえも」

 昨日から走り始め、寝て意外とすぐに目が覚めた。起きてからエリンギとコーンと松茸味のお吸い物を一緒に入れたなんちゃって炊き込みご飯を食べる、わりといける。毎日120gぐらいエリンギを食べると痩せると髭男爵さんがテレビでやっていたのを見てから食べているが今のとこエリンギで効果が出た感じはまるでない。


 散歩がてら本屋に。雑誌「Coyote (コヨーテ)No.39 特集:スペイン彷徨」を買う。古川日出男「4444」のサイトで紹介してあって気になっていたので。古川さんはエッセイ「わずか二十年の孤独、さえも」と翻訳者・旦敬介×古川日出男「作家の始まりの場所」と言う対談があった。基本的に古川さんはガルシア=マルケスについてこの雑誌でかかわっている。


 「Coyote」を買ったのは以前にレイモンド・カーヴァー特集があった時ぐらいなのだが、この本は千四百円する。高いとは思うけどパラパラめくるだけでも手間ひまもかかってそうだし広告があんまりないので何か信頼できる感じ。


 「わずか二十年の孤独、さえも」は以前にカリマンタンとか「黒いアジア」の取材で行った時のことを書いたエッセイに似ている、書き方が似ているのか、小説ではないエッセイの時の文体がこういう感じなのかもしれない。「百年の孤独」を読んで小説書きたいと思ったと書いてあるし、「百年の孤独」の系図がないほうがより神話的になったのに系図がついたバージョンが出てそのポテンシャルが減じてしまったと、自身の「ベルカ、吠えないのか?」の文庫にも犬の系図が載ったがいつかそれをなしにして刊行し直したいと。


 そして物語の細部になぜ矛盾があってはならないのか?と古川さんは言う。記憶はいろんな人物の中でズレている、まったく一緒ではない等を「百年の孤独」から学んだと、そういわれると「聖家族」も系譜としてはそう言う感じだったかもしれない。マジック・リアリズム


 対談でマルケスの「百年の孤独」はまじめじゃない、全力でふざけている。それはかっこいいと。なるほどすぐ挫折してしまったがそうとらえれると読み進んでいけそうだ。


 夕方一時間ほど寝る。体力がないので疲れていた。起きたら筋肉痛がやってきた。時間差なのか? まあこれからだということ。


 深夜の休憩中にまたもや本屋に。同じく出ていたが「Coyote」が高かったから買わなかった「野性時代」を立ち読み。古川さんの「黒いアジア」の連載を。「バベルバベルバベルバベルバベルバレルバベルバベルバベル」というタイトルだった。
 一ページが四段組みで十数ページあったので立ち読みで三十分近く読んでいた。酢豚女とテーのとこだけど、酢豚女が豚と出会うというか長兄の予言で合う場所に行くまでなんだけどすごいことにこの連載の最初からあった養豚、豚を飼っている島から豚が漂流して酢豚女と出会うっていうところがメイン! つまりは豚の冒険っていうか漂流がメインの回。

 
 読みながら頭に浮かんだのは「まじめじゃない、全力でふざけている。」と古川さんがマルケスに思ったように、これって古川さんの文体って読み辛い方だとは思うし独特のリズムだけど全力でふざけているというかそんな気がしてきた。でそんな気がしたら豚の漂流の辺りで面白くて笑いそうになった。古川さん無意識かもしれないけどまじめにふざけて、いい意味で文学をバカにしていると言う事でない。突き抜けてカッコいいとこにいるんだなって、まあそれは僕の感じ方の問題だけど。


 「百年の孤独」は今年中には読まないとなあって。仲俣さんにお借りした本は今はA・E・ヴァン・ヴォークト「スラン」に突入した、なんかすごくSFっぽい世界観、未来的な世界っていうか。面白い、今年は人に教えてもらった小説できるだけ読んでいきたい。

Coyote No.39 特集:スペイン彷徨

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百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

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ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

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エクス・ポ・ブックス1 フルカワヒデオスピークス! (エクス・ポ・ブックス 1)

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