Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「カニバリズム行進曲」

 日曜に友人と「20世紀少年ーぼくらの旗」を朝一で観に行き、一時からはABCで黒田育世×古川日出男トークを聞いて、五時くらいからZEPPでYoung Flagでパフューム、9mm、Dragon Ashのライブを観るというあり得ない強行スケジュールになってしまった。


 古川さん関連のイベント行くとぐったり疲れるんだよね、何だか精神が鋭敏になろうとするからか妙に疲れる。


エクス・ポ」日記ブログ/エクス・ポの書籍版が始まります
http://expoexpo.exblog.jp/10233084/


 刊行記念ライヴ『フルカワヒデオ200ミニッツ』と古川日出男トークショー&サイン会とイベントがあるみたい、どっちも行けねえしなあ。ライブが観たいよなあ、朗読ギグはやっぱり。



 前日土曜はworkで朝五時まで、たぶん体力持たない・・・、という不安もありつつも起きて渋谷に行ってチケ屋で「20世紀少年」の前売り券を購入、不評なので安くなっていると思いきや普通な価格だった、めんどくさいからその値段で。


 帰りに予習を兼ねて「21世紀少年」上下巻をレンタル、借りようとした「惑星ソラリス」がなかったので鳥居みゆき「ハッピーマンデー」を借りてみた。家に帰ると酒井法子さんが保釈されていて、「あっ、同じサンミュージックだったんだ」と。


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 ↑テレビとDVD壊れてるからパソコンで観てるんだが、酒井/鳥居の元先輩・後輩が上下な感じになんかシュールな画になった。一方は麻薬と全然関係ない感じの人だけど捕まった人、もう一方は麻薬やってそうだけどやってないけど芸風的にはやってそうな雰囲気を醸し出す人。鳥居みゆきを所属させてるサンミュージックってなんかシニカルな気がしてきた、酒井さんを契約終了した今では。


 ノリピーは野島伸司信者(この数年で熱心な信仰はほぼ消え失せたが)としては好きな女優さんだ。「ひとつ屋根の下」では小雪として出てたし、裏で野島さんが企画とかしてた「星の金貨」(野島さんはここで大沢たかお竹野内豊を発見し、大沢さんは「美しい人」で起用、竹野内さんは「世紀末の詩」で主演に起用するという流れがあった)で主演したなど関連深いし、今の旦那との結婚会見でのインタビュアーの「前の脚本家さんとの恋の傷は癒えましたか」という質問は野島さんとの恋愛の事だろう。


 そう考えれば野島さんがノリピーと結婚してたらこの事件は起きてないかもしれない、かもしれない、何々だったかもしれない、「たら」「れば」を言い出すと仁成に、あっ変換ミス、人生にきりがなくなる。まあこの「たら」「れば」発言はあだち充先生の「H2」でのひかりの母が死んだ時にヒロが言ってたと思う。


 出会わなければ、生まれてなければ、etc.「たら「れば」を言い出したらきりがないと。


 野島さんが麻薬をことを描いたのは「この世の果て」ぐらいかなあ、記憶が曖昧だけど。


 「ハッピーマンデー」って聞くとニューオーダーの「ブルーマンデー」を思い出す。ハッピー・マンデーズというバンドもいるがそれは「ブルーマンデー」から取られたらしい。「交響詩篇エウレカセブン」の第一話タイトルが「ブルーマンデー」なのもニューオーダーの曲に由来。


ブルーマンデー」概要
ニューオーダーの前身のバンド、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカルであったイアン・カーティスの自殺への心境を曲にしたもので、メンバーがその自殺を知った月曜日をギミックなリズムのトラックに乗せて、戸惑うようなヴォーカルで歌っている。バーナード・サムナーが新しい日本製ドラムマシンをいじっているうちに思いついたというイントロの16分で刻むバスドラムのパターンが非常に印象的。


 イアン・カーティスが自殺するまでを描いた映画は「コントロール」というやつ。最終的には妻と愛人の間で揺れて持病のてんかんにも悩まされて全ての人を裏切る形で自ら死ぬという悲惨な話だった。


 そんな曲を知ってか知らずか「ハッピーマンデー」と名づけられたDVDは基本的には鳥居みゆきが一人でネタをする作品。百の質問とかあって、何度か吹いて笑った。その答えの一つが「カニバリズム行進曲」って、この人やっぱり面白いわ発想が。
 コントもよく聞くと言葉遊びしてて知性があるのにそれを覆い尽くす狂気的な動きと視線。


 あとモザイク加工されてまったく絵が観れないネタは「絵付きの紙芝居「赤ずきんちゃん」を、『東京ビタミン寄席』で披露したことがあるが、(重信房子よど号ハイジャック事件あさま山荘事件などの画像が用いられる)木下さんシリーズ以上に危険な内容になっており、DVD『ハッピーマンデー』では、モザイクやピー音などの加工が施された」とのこと。


 そんなに見せれないならDVDに入れなくてもいいんじゃなかろうか、あとあのテディベアは「多毛症」って名前だったんだな。いやあ、確信犯だなあ、いろいろと。「マサコ」もキャラとしてだから女優とかに数年後普通になってたりは・・・・しないか。
 

 で、「21世紀少年」を読んでみた。ケンヂは歌を歌う事での自己実現をしているんだけど、それで世界を救うっていう。しかし、ヴァーチャルワールドで過去の世界の中に入りこんで過去に犯してしまった過ちを謝っても、そこは仮想空間だから現実とも結びついていないし、パラレルワールドですらないので未来は変わらないし、ケンヂの自己満でしかない。
 という実は何にも解決したことになってなくて、なんとか「ともだち」の暴走を止めたことで世界の救世主になったという、元は彼らの幼少期にあったわけだからけじめをつけたということ。


 コピーのコピーというように「ともだち」はケンヂのコピーでさらに「ともだち」のコピーの「ともだち」がいるという、なんだか辻褄合わなくなってそんな展開になった感じだ。宇多丸さんが「20世紀少年ーぼくらの旗」を観た日の「シネマハスラー」でも言ってたけど「ともだち」はケンヂのシャドウなのね、実際は。


 シャドウってのは名の通り「影」なんだけどもこれは物語やシナリオを作る時に出てくる用語でもあって、主人公の対比としてそういうキャラを出すのが物語創作論としては当たり前にある。
 「スター・ウォーズ」でいうアナキン・スカイウォーカーに対してダークサイドに堕ちた父のダースベイダーがもろに、「スター・ウォーズ」はきちんとそういう神話体系的なことやSF、フャンタジーを取り入れているから普遍的な話になっている。


 ようするに「ともだち」はもう一人のケンヂなんだよね、という問題があるけどそこを謝るという「これで済ますのか?」という感じで処理してしまって終わらしている。この漫画は十巻少しで放置して途中で止めた方がまだ魅力的な作品になったんじゃないかな。オチを考えずに出発するとこういう無茶な終わり方をするといういい勉強にはなる。


 アマゾンで検索してたら25日に角川文庫で大塚英志アトムの命題 手塚治虫と戦後まんがの主題」ってのが出るのは知ってたんだが、さらにその上に新しい本があって大塚英志著「小説 アトム大使」っていうのも来月頭に出るらしい。
 絵は文庫同様に西島大介さん。西島さんは「アトムちゃん」ってユルい漫画も出すけど、大塚さん関連でやけに「アトム」本出すなあ〜。



 ↑「ヤングエース」で一話書いてたけどこのユルい感じはかわいいわ、しかも内容もかわいらしかった。
 

 「戦後民主主義リハビリテーション」を書いている大塚さんだし、サブカルチャーというものを語る時に手塚治虫は避けては通れないからだろう。角川が出資している映画「ATOM」が10月に公開されるのに合わせてだろうけどそれをいい意味で利用して大塚さんは本を出している印象がある。
 原作をしていた「摩陀羅」シリーズがメディアミックスで無惨な終わり方をしたその後に、大塚さんはメディアミックスを利用する事で自分の思っていることや出そうとする作品を関連作品として世に出していく姿勢を取っているようにも感じられる。気のせいかもしれないが。



仲俣さんのブログ「海難記」/『1Q84』Book3は来夏刊行
http://d.hatena.ne.jp/solar/20090917


 やっぱりというか冬ぐらいには出るのかと思ってたけど来年の夏かあ、発表したから新潮社の株価は上がったんだろうな、普通に考えたら。来年出たらまた「Life」の番外編で「1Q84」で語って欲しいものです。
 でも、実際には書き上がってる気もするんだけどなあ、あと人の意見は聞かないってインタビューに答えてたけど、「エヴァ」新劇場版の「破」みたいに「序」の感想とか反響でシナリオ変えるのもありだと思う。「1Q84」を第二部まで読み終わった感想はやっぱり村上春樹作品は苦手だと言う事が明確になった、だけど凄い作家さん、だけど苦手なのは仕方ないという事実。


 今一番楽しみな漫画は「ヴィンランドサガ」の最新刊の8巻。


 マイフェイバリット漫画が「プラネテス」なので幸村誠作品は特に期待値が高いし、このヴァイキングを取り扱った作品は前作の未来の宇宙空間とは違ってヴァイキングが支配していた過去の時代の海や争いをテーマにしていて大河ドラマのような物語の展開があり面白いし、泣けてくる。

21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 “ともだち”の死 (ビッグコミックス)

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21世紀少年 下 (2) (ビッグコミックス)

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鳥居みゆき ハッピーマンデー [DVD]

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コントロール デラックス版 [DVD]

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アトムの命題 手塚治虫と戦後まんがの主題 (角川文庫)

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アトムちゃん (単行本コミックス)

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ヴィンランド・サガ(8) (アフタヌーンKC)

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