朝三時間ぐらい寝て起きた。渋谷まで歩いていく、まだ寒いってほどでもないので多少汗をかくぐらいの天候。友人の青木と待ち合わせして宇田川カフェで茶をしながら話をして時間を潰す。
途中でパルコのリブロによったら本人の最新号があって表紙と巻頭特集がさんまさんでインタビューを多少読んだ。さんまさんの笑いに対しての考えがわりときちんとインタビューで出ていた感じ。
テレビはこれからもっと面白くなくなるだろうと、不景気をもろに受けて金もないしコントなんか自分たちのひょうきん時代のようなことはましてできない。ナイナイの岡村さんがさんまさんたちがいろんな事をやり尽くしたから何も残ってないと嘆くことがあるそうだ。
昼間の各局同じニュースを流すぐらいなら砂嵐でいいと、若者のテレビ離れは面白くなくなってるんだから仕方ないと。27時間の深夜のさんま・中居のトークみたいに金かかってないけどシンプルなものが新鮮で逆にいいのかもしれないって。あれは世間話で面白いってだけで一流な話術だから若手には無理だろうなあって思う。
五時半には元渋谷公会堂、現C.C.LEMONホールに。ここで専門の入学式をしたので、名前がC.C.LEMONホールっていう残念な名前になってしまってるのはかなり嫌だ。
ZAZEN BOYS マツリセッション独演会 スペシャルゲスト 立川志らくを観に行く。ロックと落語のセッションって聞いただけで行こうと思ってチケを取った。これは観に行かないとやばいだろって。
渋谷川の上でAsobi上がる昇り龍
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090901
↑の「LIQUIDROOM 5th ANNIVERSARY」ZAZEN BOYS/凛として時雨で観てから十日も経ってないけど。
落語も本当に数えるぐらいしか観た事がない。専門の授業のシナリオを教えてもらっていた我妻ゼミで我妻さんに別なとこでシナリオを習っていた立川ワコール(現・立川談慶)さんが先生に呼ばれて教室で「紺屋高尾」をやってくれたのを観たのが生で観た初だった。
その時同級生の女の子は終わった後に感動して号泣しててそれにビビったのをよく覚えてる。それと春風亭昇太さんの独演会。
昇太さんは落語の前に立ち話をラフな格好でしてて、それがドッカンドッカン客に受けてて、僕は誘われて観に行ったから彼のファンじゃなくて。 なんでこいつらこんなに笑ってんだって思い初めて、別にそんなに面白いトークじゃないのに笑うってことは彼を甘やかしてるだけだって感じてしまって、気持ちが完全に離れてその後一回も笑わずに終わってしまった。
僕はそういうめんどくさい客なんです。
最後に観たのは友達と浅草の寄席に観に行ったぐらいか。寄席は面白かったなあ。
笑いってどうしようもなく難しい。その人(芸人)が好きな人は多少は優しくみてしまう。問題はというか本当の勝負は興味ない人や初めて観る人を笑わせるこということなんだろう、それはこの上なく難しい。
あとはカッコ良すぎたら笑うってこともあるんだけどね。
ZAZEN BOYSのファンが大挙している中で落語、始まるまでどうなるんだって思いながらも期待しながら始まるのを待つ。
中に入って席ありなんで席につくと、あれ? セトリがすでに置いてあるんだけど、最後に「Asobi vs 落語 立川志らく」 ってある。演目だから曲順全部出してあった。
アナウンスで「本公演はオールシッティング・ライブとなっております。心の高ぶりを抑えきれず思わず立ち上がってしまう方もいらっしゃるでしょうが、今日ばかりは座ってお楽しみ下さい」って言った。演目の紙にも書いてあったけど。
ZAZEN BOYSの演奏曲はこないだのリキッド 5thの凛として時雨との対バンの時に演奏したのに「開戦前夜」「Water Front」「Sabaku」の三曲がプラスされたものだった。
最初のマツリセッションで体が疼くけど座ってるし、頭もあんまり触れないから、膝でリズムを取りながら。ZAZEN BOYSのライブで照明が効果的にステージ栄えするように使われているのを初めて観たような気も。
座ってリズムの気持ちよさでウトウトしながらも完全に落ちずに、覚醒・半覚醒を繰り返す。僕は爆音で気持ちいいと覚醒・半覚醒を繰り返す、たぶん爆撃機が真上を飛び続けても、それにリズムがあれば同じだろう。
しかし、このバンドのリズムは改めて思うけど凄い、音の獣みたいに飛び交うし、間を置いて刹那的に無にもなるし、いい意味で狂ってるサウンド。
「RIFF MAN」「Honnoji」はこないだも同じ流れだったけどやっぱりこれが立て続けてくるとやばい。ドラム・柔道二段松下敦という化け物がいるからこの狂ったリズムはあるんだろう。
「Water Front」「Sabaku」と聴きたかった曲が聴けたのもよかった。この二曲はなんていうか歌詞が極めて文学的。この二曲はかなり古川日出男的な歌詞でもあるんだが。
「Sabaku」
港区とか品川区とかかつての海だった場所、江戸時代から始まって今や埋め立てられてしまった、かつては東京湾だったもの、そういう場所に居る、立っている、そこを歩く時に聴くとすごく響く。浜町町の世界貿易センタービルの展望台から見える東京湾なんかにすごく合う。
「Love Fall」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081118
「Asobi」が始まって途中のセッションみたいな状態の時に幕が下りてきてZAZENのメンバーを隠す、ライトで彼らの姿が動いているのは見える。 やがてThis is 向井秀徳が幕の前にやってきてめくりの「ZAZEN BOYS」から「立川志らく」へ変更する。黒子さんたちが高座を幕の前に運んできて演奏が高鳴り志らくさんが登場。会場は大歓声。
演奏が終わり、落語の時間。最初にノリピーネタで掴みはOK。だんだん演奏を聴いていた客のテンションは志らくさんの言葉に集中。ノリピーネタは毒も含みつつかなり笑い声が上がる。
向井さんが一緒にやろうと言ってきて、そんなことを言ってくるあのひとはキチガイだ、それを即答する私もみたいなことを。これを笑えなかったらZAZENのファンは辞めた方がいいよみたいなフリで「らくだ」が始まる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/らくだ_(落語)
↑にあらすじが載っていた。
(以下は江戸落語での演出に従う)
とある長屋に住むのが本名を「馬」、あだ名を「ラクダ」と言う男。そのラクダの長屋に、ある日兄貴分の「丁目の半次」がやってきた。返事が無いので入ってみると、何とラクダが死んでいる。そう言えば、夕べ会ったときにフグを持っていたが、さてはそいつに当たったのか……。
「兄弟分の葬儀を出してやりたい」、そう思った半次だが金がない。考え込んでいると、上手い具合に屑屋がやってきた。早速、その屑屋の久六を呼んで室内の物を引き取ってもらおうとするが、久六はラクダ宅の家財道具の状態を全て言い当てて断ってしまう。訊くと、何回もガラクタばかりを引き取らされたらしい。ますます困る半次。と、その頭にあるアイディアが。以下省略。
僕はまったくこの「らくだ」という落語を知らなかったんだけどすぐに世界に入れたというか楽しめた。時間でいうと三十分とかぐらいかな、僕の体感時間はそのぐらいだった。
天丼天丼天丼、立場逆転みたいな感じの流れ。場内爆笑でしたね。面白かった、落語カッコいいなって思った。面白くてカッコ良い。
二千人と少しぐらい入るキャパで舞台に一人で上がって、落語だから声と身振り手振り、登場人物を一人で演じて爆笑だった、すごくカッコいい光景。
落語が終わると大歓声と拍手。そして幕が上がって再びZAZEN BOYSの四人が物販で売っていた四人と志らくさんの顔がプリントされたT-シャツを着て登場し、「Asobi」を再開し終わる。そうか途中だった。
舞台からいなくなってもすぐにアンコール。志らくさんもそのT-シャツ着て登場。ZAZENはアンコール何の曲やるのかなって思ったらスタンドマイクの前に立って、向井さんのかけ声と共もエアギター?
誰も楽器も持たずにギター、ベース、ドラムを演奏する。当て弾きみたいな感じでエア「安眠棒」が始まる。楽器はないけど、各自声に出してエアな楽器を弾きながら叩きながら声を出す、向井さんはそれに合わせて歌う。
これがすごいのなんの。場内爆笑しながらハイテンションに。カッコ良すぎて笑える。楽器なくてもこの人たちセッションしてるっていう、ありえない光景を観た。これは映像として出すべきだと思う。
帰りに五人のポスター買おうと思ったら売り切れてた。一緒に行った青木と飯食いながらこれはまたやってほしいなって話をした。
カッコ良すぎると人は笑う、面白すぎるとカッコいいと思う。想像を超える凄さは笑うしかない、あるいは泣くしかない。
- アーティスト: ZAZEN BOYS
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2008/09/17
- メディア: CD
- 購入: 11人 クリック: 141回
- この商品を含むブログ (230件) を見る
- 作者: 立川志らく
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (39件) を見る