Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「ロックンロールミシン」

 半分終わった今年。下半期に突入してしまった。この勢いだとすぐに2010年だなあ。昨日仕事前にテレビを観ていると視聴率が悪そうなTBSの19時台のニュース番組を見ていると作家の石田衣良さんが特別リポーターみたいな感じで「婚カツ」をしている男女の取材をしていた。


 爽やかすぎるんだよなあ、衣良さんは。そんなにムキにならなくてもみたいなことも言っていた。「結婚」の前に「恋愛」があるはずなのに将来一人でいたくない、寂しいのは嫌だと言う理由で「婚カツ」をしていてもそれじゃあ、「結婚」には結びつかないだろうと。


 実際の所、「婚カツ」をして「結婚」まで辿り着く人は少なそうだ。結局多くの人が「婚カツ」をしてたくさんの人が集まるからその業界は潤っているけど実際「結婚」には結びつかないのではないだろうか。「婚カツ」するよりも「婚カツ」ビジネスをして儲けたやつの方が男なり女がよってきて結婚できそうだけどな。元締めが一番儲かるギャンブルと同じで「婚カツ」ビジネスした方が潤うんだろうなあってその番組内のコーナーを見ながら思った。


 衣良さんは雰囲気が若い。で自分がどう見られるかセルフプロデュースできてて、それがある意味面白い感じがする。最近新作読んでないけど面白いのは書いているのだろうか。僕は「美丘」は好きだったけど。


 メールが来て浅野いにおおやすみプンプン」五巻が出てたと教えてもらったので深夜に買いに行こうと思って、友人にもメールしたらそいつの方が先に買って読んで感想のメールが来てた。


 新刊の帯には「サンボマスター全員愛読」とあって後ろ側には映画化する「ソラニン」のキャストが出ている。もうオモテがそうならば主題歌とか「ソラニン」の歌はサンボマスターにしてくれよって思うのだが未だに曲を誰か作っているのか発表されない。


 五巻では「性」的なものがわりと書かれていてプンプンも高校生になったしとか年齢的な問題もあんだけど、浅野いにおはわりと性衝動とか書く作家なので違和感はない。それはたぶん、浅野いにお岡崎京子つげ義春の影響とかを受けていると思うし、文学で言えば村上春樹の影響も漫画を読んでいて感じるからそれらが浅野いにおという作家のフィルターを通して自らの表現として描かれている。


 つげ義春の作品を読んでいるとちょこちょこエロいというか性的なものは出てくる。それは人間が生きる上で避けては通れない事だし、まったくそれはないということは第二次成長を過ぎてしまえばありえない。生きる事と死ぬ事の狭間に性の事が存在してて、高校生の頃はそういうことを考えてしまう時期だった。
 

 浅野いにお作品の中でも「ソラニン」が好きだったけど、ちょっと「おやすみプンプン」はちょっと特上とかそのレベルにいる感じで、受け止める僕の問題だけど。すごくこの十年の空気感が漂っている感じがするのは彼と同世代だからなのかなと思うけど。


 二十代後半になってもうすぐ三十代になる人間が描く高校生は実際の高校生とは少しずれているし、読む人間も過去の自分がいた頃を思い出しながら読むので今の高校生とは何かは少しズレてしまうのかもしれないし、その頃の想いや憤りや性衝動は時代が経ってもあまり変わらないのかもしれない。


 しかし、プンプンって主人公なのだがわりと自分から動くと言うよりは周りが動く事で巻き込まれてしまうタイプの主人公だな。


 それにしてのこの巻である意味でのキーマンである翠がとあることが終わった後とその後では顔の表情がかなり違う感じがさすがだなって思う。で、後半に出てくる女子高生蟹江はそばかすがあって、「ソラニン」の芽衣子もだけど浅野さん好きねそばかすの女の子。


 でも、絶対に芽衣子が宮崎あおいだと河合スゴル、いや河合スゴルんだっ、二回も打ち間違えた。可愛すぎるんだって! 種田もあんな男前じゃなくて文化系男子的なサケロックの星野さんとかANAの大久保君とかさ、そういう雰囲気が似てる人を使う方がまだ違和感ねえし。
 監督も山下敦弘さんとかだと面白そうな気がしてたんだけど、見事に違ったし。


 「ソラニン」も「ロックンロールミシン」みたいな地味な映画だと後味がいいと思うんだけどなあ。「ロックンロールミシン」の加瀬亮さんの雰囲気とかすごく好きなんだけど、作品も好きだけど。


 あと地味に出ている「ロックンロールミシン2009」というのが少し気になる。リメイクなのか?


 「ディア・ドクター」と「レスラー」が観たい今日この頃。

おやすみプンプン 5 (ヤングサンデーコミックス)

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ロックンロールミシン2009 (小学館文庫)

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