Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「Zeroville」

 バイト先でマスクをしろと言われたが昔からマスクするの嫌いだし、ほぼ意味ないと思っているのでしないで仕事した。社員的には会社の方針なので僕らにしてもらわないといけないから言うわけだ。
 しかし、売り物のマスクは品切れだし、でマスクを聞かれた時に店員が「売り切れです」って言う時にマスクしていることが不自然だと思うから嫌だった。絶対にダメでしょ、その光景。


 あとは世間のみんながマスクをしないとやばいみたいな空気が気持ち悪くて仕方ないのでそんな流れに乗るのはゴメンだという気持ちがどうも出てしまう。マスコミの言ってること鵜呑みにして危険だ危険だと危機意識を強くする方が危ないと思う。
 そんなに簡単に信じる前に自分で考えないと本気でインフルエンザよりもやばいことになるって。そんなに怖いなら普段からランニングするなり呼吸器とか強くして体鍛えておいた方が菌入っても発症しないだろって話だし。
 政府が思惑通りに国民を動かしたい時にはメディアを使うし、従順に流される情報を受け取っていたら悲惨なことになると考えてしまうのは僕が天の邪鬼なのか。


 こんなにもマスコミの情報が錯乱してて、でみんながマスクありませんかっていう状況が気持ち悪い。マスクするよりも帰ってうがい手洗いしっかりしてればいいと思うし、感染するのを本気で防ぐなら全国民にセックスとかすんなよって言えよ、セックスしてたら思いっきりインフルエンザの菌移るわ、高確率で。


 みんながマスクしてるからわたしもぼくもしないとって考えは「あの国が悪い」とか「戦争して国益を上げよう」みたいな風潮があったらすぐに乗る、そういう情報を鵜呑みにしてしまう怖さがあるって、オウム事件阪神大震災以降にこの国の危機管理意識は上がってしまっておかしい方向に行ってしまっていると僕ですら思う。互いが互いを監視する超監視国家になっていて、そうでもしないともう自分も家族も守れないから自発的に監視カメラ付けてとかが疑問にもならない。


 危ないから最初から排除みたいな感じって、自分とは違う異物なら消しますよ、身の安全の為にって単なる差別的な発想に繋がるし、怖いわあ。それにマスクしてもインフルなってまあ十日とか休むことになっても会社は休んだ分の給料も医療費も絶対に負担しないし、準社員とかじゃないと有給使えないって言う株式会社ではありえないルールを勝手に作るような所だからさ、言うこと聞く意味ないし。



 「柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方」を読み終える。柴田元幸さんと高橋源一郎さんの対談なので一気に読める。高橋さんは柴田さんが訳したチャールズ・ブコウスキー「パルプ」を賞賛、確かにあの作品は主人公の探偵が何にもしてないけど死神とか宇宙人によって解決していく内容だけどブコウスキー節が炸裂してる感じ。


 両氏とも村上春樹の最初のイメージは「ヴォネガットみたいだな」って思ったらしいのだが、その「ヴォネガット」ってどんな作家だろうか、アメリカ文学に影響を受けている村上さんだから彼の文体のような感じの空気感を持つ作家なんだろうかな。


 読み終わって、読みかけだった安部公房「水中都市・デンドロカカリヤ」の最後の一編を読み終わって読了。この短編集はなんだろう、乾いた感じがする、緩やかなに流れる文体じゃないけど読み辛くもない、でも内容もだけど文体が昔の作品だなって思う。知性的な感じの物語群。


 「モンキービジネス」対話号の川上弘美×小川洋子対談を読む、そういえば買って村上春樹さんを古川日出男さんが聞き手でインタビューしたのと、古川さんの短編と他を少し読んだだけだったから。
 このお二人の対談の中で村上春樹が出てきたことで風通しが良くなったと語っている。そして村上さんのイメージはやはりヴォネガットみたいだと思ったみたい。世代が上の人たちは海外文学を読んでるからなあ、ブームもあったと思うけど。そういう部分がある世代や時間を隔ててしまって僕ら二十代後半とか少し上の世代なんか海外作品読んでる人って少ないんだろうな。だから古典海外文学も読んでないし、そういう会話で出てくる作家名がまったくピンとこない。


 僕は専門のシナリオの先生に言われて読んだレイモンド・カーヴァーぐらいしか読んでなかったし、ここ二年ぐらいでようやくチャールズ・ブコウスキー読んでいいなって思った。でもそれは訳してる人の力も大きくて、カーヴァーは村上春樹さんの訳だし、ブコウスキー柴田元幸さん。
 古川日出男さんの本棚ってABCのイベントで置かれていたからスティーブ・エリクソン「アムニジアスコープ」読んだけどそれも柴田さんの訳だった。「アムニジアスコープ」は壊れた世界観みたいなのを感じたけど、この作家は読んでみようかなって思った。友人にも「黒い時計の旅」は読んだ方がいいと言われたし。


 去年古川日出男作品を読み漁って、で古川さんが影響を受けた作家として村上春樹作品読んでみたり、海外の作家にも興味が向きだした。でも英語はほぼできないし勉強してないから原文で読んだことはない。訳されて刊行されるまでにタイムラグがあってリチャード・パワーズ「われらが歌う時」も去年訳されたのが出たけど実際にアメリカで出たのは03年ぐらいかな、確か。


 なんでスティーブ・エリクソンの「黒い時計の旅」は柴田さんの訳の新書で買って読もうと思うけど、一度ぐらい原文の買って辞書片手に自力で読んでみようと思ってエリクソンの中でアマゾンで調べて比較的最近の著書の「Zeroville」ってやつのペーパーブックで注文した。途中で頓挫する可能性が高いけど、訳しながら読むことでいつも自分で物語を創るのとは違う脳を使うし、なんか小説を書く練習にもなるんじゃないかなって勝手に思ったりした。


 「Zeroville」を調べたら海外のwikに英語で書いてあるのは見つけた。


 Zeroville is a 2007 novel by Steve Erickson on film's upheaval in the 1970s. It was named one of the best novels of the year by Newsweek, the Washington Post BookWorld and the Los Angeles Times Book Review among others, and was named one of five favorite novels in winter 2008 by 800 novelists and critics in a poll of the National Book Critics Circle.


 「ゼロヴィル」はスティーブ・エリクソンによって書かれた70年代の激動の映画業界のことを書いた作品。07年のニューズウィークとかワシントンポストとかの書評で一番評価された作品であるみたいなことはわかる。しかし380ページある、訳しながらだとめっちゃ時間かかりそうだけどどんぐらいかかるんだろう、したことないからわかんないな。電子辞書買った方が楽かな。

柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

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モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号

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アムニジアスコープ

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Zeroville

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