起きてから風呂に入って久しぶりに髭を剃る。前の給料日以来のなので一ヶ月剃ってないが、もともと髭が薄いので一ヶ月でも顎髭は二センチも伸びてないし、とりあえず剃ってみる。普段剃らないので剃った後がなんか違和感。
AVでパイパンにした女優の気持ちがわかるような、でもやっぱりわからないけど。家賃振込とか支払いとかしてそのまま警察署に行って免許の更新。車に乗る事はないので、乗ったら即事故死か器物破損、加害者になるだろう僕の運転技術と車嫌いのため、運転せずにゴールド免許。
で二回目のゴールド免許。雨のためか一時すぐに行ってさくさくと進んで二十分からの講習と名ばかりのビデオを見て即終了。免許の写真が自分でもひどいと思えるものでこれがあと五年間、32歳まで使うと思うと非常に嫌だ。どう見てもロンゲでストール巻いてて、寝起きのむくんだ顔で最近太っているのも手伝ってテロリストにしか見えない。
帰りに「アメトーーク」のDVD三巻をレンタルして帰る。「餃子の王将」芸人のオンエアーだけ逃してしまっていてどうしても見たかったのと特典映像が江頭2:50さんのトークもあるので僕としては三巻が特に見たかった。いちおうギャラクシー賞受賞の「中学の時イケてなかった」芸人も収録されてるし。
実家に電話したら四月の末に祖父の一周忌があるので帰れるのなら帰ってこいと言われる。ゴールデンウイークの直前なので、たぶんおおまかに言えばもうゴールデンウイークに含まれる日なので早めに新幹線のチケを買わないと危険な気がする。しかも帰るのが前日で一周忌、次の日に即帰るという休みでも何でもないスケジュールなために、ゴールデンウイークを実家で過ごすほどホームシックじゃねえし、ゴールデンウイークに葬式の時以外に帰った記憶がない。ゴールデンウイークが休みだったりとかじゃないし、休んだら休んだだけ翌々月ピンチになるので休めないってのがデカイが。
祖父が亡くなったのが5月2日のもう3日になる直前だったので朝一で帰ったけど世間はその日からゴールデンウイークだったので新幹線で四時間近く満席以上だったからトイレの横でずっと立ちっぱだったのは辛かった。指定席今のうちに買わないと無くなりそうだし。
で夕方に睡魔に襲われ気がついたら十一時前で「レッドカーペット」がしててディランとジェイソン(やまもとまさみ×なだぎ武)のコラボは中々面白いじゃないかって思ってたらまた寝てしまっていた。でさっきの二時過ぎまで寝てた。精細な夢を見ていたが起きたら一気に記憶がアムニジアされるように薄れていく。水に墨汁を落としたみたいに変な膜のような広がりで形が安定せずに元通りにはならない。なぜ夢はすぐに脳内の記憶から抜け落ちるんだろう。
夢の内容で覚えていたのは最後はなぜタモリさんが出てきた。ある宗教団体に潜入して捜査を、その内部のある部屋に隠された秘密を暴こうとしてそこの代表を最終的には白状させて部屋の下に流れる川に落として流した、それから手にいれた鍵で秘密が入っているバッグの南京錠を開けようとしたら目が覚めた。なんだったんだろう、中身がすごく気になる物語、起きたのは丑の刻か?
昨日からずっとIda Maria「Fortress Round My Heart」とPete Doherty「Grace / Wastelands」ばっかり聴いている。四月に行く予定のライブはBen Kwellerなんだけど、一周忌があるのでその辺りのライブは取らなかったのは正解だった。ここ一ヶ月はDragon Ash「FREEDOM」となぜかBECK「Sea Change」ばっかり聴いてた。BECKは「Sea Change」がなぜか好きだ、ここ最近。
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「聖家族」刊行後に閉鎖すると言っていた集英社が運営してた古川さんのサイトももう閉鎖らしい。半月に一回更新されていた日記も12月の末で終了したまに新着情報をアップしてた。
以下の古川さんの言葉からすると、コピペしちゃあいけないんだろうけど閉鎖したらたぶんこの文章も消えちゃうだろうからコピペしといた。角川「野性時代」で始まる「黒いアジアたち」シリーズも四月から始まるのでひょっとしたら角川でサイトが立ち上がるかもしれないし、別にオフィシャルサイトが立ち上がるのかもしれない。まあ、「黒いアジアたち」の連載も気になるし、今年刊行されるであろう「MUSIC」は早く読みたい。
古川さんも書かれているけどHEADSと佐々木敦さんにものすごく去年支えられてたと、僕もポナイトのイベントとかで古川さんの朗読に触れたり、感じられたり知り合いの人ができたりした。
いろいろとポナイトで動き出してたように感じる、まあこれからだけど僕は。どう形にできるかどうかとかは僕次第だろう、あとは運。
さよなら2008年@エクス・ポナイトvol.3
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081231
古川日出男公式サイト
http://www.shueisha.co.jp/furukawa/
「聖家族 閉鎖のご挨拶」
ついにこの日は来ました。いまは二〇〇九年三月吉日です。おれの最大の作品として『聖家族』がぶじ刊行され、半年が経ちました。サイトは、クローズします。できるだけ簡潔に書いたほうがいいだろうから、まず。運営の集英社の皆さん、それから読んでくれてた人たち全員、つまり読者ってことだけれど、ありがとうございました。そして唐突ですが、おれの近況を。Gが消失しました。バージョン番号がおれから消えました。つまり Generation というものがうしなわれた。たしか第六世代フルカワになったことは報告したはずだけれど、その後、今月――二〇〇九年三月――になった途端に、自分からGが消えたことが実感された。これまた唐突にです。理由は二つあることが、わかります。一つは、単純に「老いる」ということがバージョン・アップという概念と対立しはじめた現実。これはネガティブに聞こえるかもしれない。二つめは、こっちはポジティブに聞こえると思うけれども、もはや“機械の進化”の比喩では追いつかない次元に、自分が突入したこと。正直、いまでは執筆のためにコンピュータを棄てられます。そんなもの、なしでも書ける。実際、舞台『ブ、ブルー』では観客のまえで紙に、即興で小説を書き、その場で発表できたわけで、このための試験も済ませました。それでもコンピュータを棄てていないのは、単純に出版業界がそれに適応(というか応化)しているからです。おれは「ただの生命体としての作家」の強度を、より増す形で、今後を生きたいと考えています。この発言は強気に聞こえるか? どうだろう? 正直、『聖家族』を刊行して、そこで虚脱しないためにもろもろの活動を仕掛けて、黒田育世×古川日出男の『ブ、ブルー』を上演する段階に至り、やっとのことで危機を脱した……と感じてます。集英社のサポートとともに、この間、おれを支えてくれたのが HEADZ(と佐々木敦さん)であったことは、あえて記します。フリーペーパーの『フルカワヒデオムゲンダイ』の発行、タワーレコードでの2デイズ・インストアライブ、それからフルカワヒデオプラスでのレコーディングとCD『MUSIC: 無謀の季節』のリリース、全部が佐々木さんと HEADZ の企画あってこそでした。だから虚脱――むしろ虚無――から逃れられた。感謝です。さて、サイト閉鎖の前に、ちょっとだけ今後の予定を。来月(二〇〇九年四月)に絞ってアナウンスすると、まず、「野性時代」で巨編『黒いアジアたち』の連載がスタートします。これは暴走や一見した強度というものに頼らない『ベルカ』になるかもしれない。わかんないけど。四月二十日に刊行される「モンキービジネス」誌では、三つの仕事がいっぺんに形になります。ぜひ手に取っていただければ。それから『ルート350』が講談社文庫からリリースされます。装丁は池田進吾さん、解説は仲俣暁生さんです。とにかく、このひと月に明かされる活動は、こんな感じ。ほかの作品ですが、まず、『MUSIC』は今年に入って一から書き直しに入りました。一行残らずリライトする勢いです。エッジを立たせることよりも、その逆の方向で原稿を研いでいます。『叱れフルカワヒデオ叱れ』は、もうすこしで決着がつきそう……ですが、どういう展開で最終形態(=本)に落とし込むか、そこンとこにはまだまだ時間がかかりそうです。結局、おれには時間が足りません。書きたい。もっともっと書きたいし、でも、疾走とはちがう次元で、表現に取り組みたい。とりあえず、サイトに活動のインフォメーションを載せるための時間――作業時間――ですら、いま現在は惜しい。いつかは、またインフォメーションを告知できる体制をととのえたいとは思いもします。たぶん日記も……フルカワヒデオ日記も。が、いまは、それはむずかしい。ご理解いただければ。さあ、閉じます。読者のみんなとはどこかで。まずは活字で、おれに、おれの文章に、会ってください。じゃあな。元気でな。最後は偉そうに別れるからよ。@Gなき地平より。
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- 作者: 古川日出男
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モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号
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