TBS 文化系トークラジオ Life「文化系大忘年会2008」では仲俣暁生さんと柳瀬博一さんが古川日出男著「聖家族」をトップ3に入れてましたね。僕も今年のトップ3には絶対に入れます。
でも人にはあまり勧められない、絶対に好き嫌いが分かれるし、おまけに本が辞書並みに太くて時間がかかるから。
でも小説を読んだって気になるし、佐々木敦さんも言っていたけど解決してない所や未回収な部分があって、それは古川さんが意図的にしているのだけどそれがあるから何度も読める。でもあの太さは何度も読もうとは思わない。
来年絶対にもう一回読もうとは思うんだけど。たぶんいつか未解決な部分や未回収な部分はトリビュートとして若手作家が書くんじゃないかな。
今年は古川日出男元年で僕は刊行されているものはすべて読んだけどデビュー作「13」以降古川日出男さんはブレていない、書こうとするものが明確に示されているのを初期作品を読むとさらにわかる。
とても尊敬しているし憧れているけどやっぱりあんまり人には勧めれない、抗体みたいなもんがないとダメな作家さんのような気もする。他のメガノベルを読んでいないけど仲俣さんが貸してあげるよと言っていただいたのでお言葉に甘えて借りて読もうと思ってます。でも舞城王太郎は好きかと言われると何か嫌悪感が沸くのだが、「阿修羅ガール」は好きなんだけど、短編がどうも苦手。
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/09/26
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- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07
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仲俣さんが他にあげていた「海獣の子供」は僕も好きで、でも読んでる感じが岩井俊二著「ウォーレンスの人魚」に近いなって思っていている。そういえば今年だったな「コードギアス 反逆のルルーシュR2」とか。佐々木さんが凛として時雨を観に行っていたことも驚いたけど。あと番組で相対理論の曲がかかっていた。
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/30
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- アーティスト: 凛として時雨,北嶋徹
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2008/04/23
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- アーティスト: 相対性理論,やくしまるえつこ,永井聖一,真部脩一,西浦謙助
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
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というわけで仲俣さんのブログで読んで気になっていた「「雑種」であることの誇り〜バラク・オバマとパワーズの小説について」(http://d.hatena.ne.jp/solar/20081114#p1)リチャード・パワーズの「われらが歌う時」上巻を仲俣さんにお借りした。「聖家族」よりに時間がかかるらしい、恐ろしい・・・しかも上下巻だよ。
でも兄弟妹とかある種のリンクや裏表のようになっているらしいので「聖家族」読んでいるので今読むとさらに面白そうだ。
- 作者: リチャード・パワーズ,高吉一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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そういえば今年ずっと読んでいた「BECK」が終わり、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」がどう考えても伏線を回収できぬまま(あのハナがレイプされそうになった時にいたボクサー崩れの安藤とか)が終わったのに銀杏の峯田君が主演で映画化するっていう話もあったり、その前に「ソラニン」の映画化はどうなったんだ小学館っていう。今年は本当に漫画読んでないなあ、大塚英志関連は基本的に買ってるんだけど、あとは楳図かずお「わたしは真吾」とつげ義春コレクションを読んでた。古谷実「ヒメノアール」の続きが気になるかなあ。
舞台だとcharlieこと鈴木謙介氏も放送の中で言っていた大人計画「女教師は二度抱かれた」はきっと演劇してた人やしてる人の方が僕よりもダメージを負うとは思うんだけど、それでも僕もかなりのダメージを受けました。本谷有希子作品の自意識過剰な、でもそれをわかっていてそれで振る舞うという、もう僕にはない部分なのでそういう人って大変だなあとも思ったけど小説の「グ、ア、ム」の方がインパクトあったなあ、僕には。で今年最初に観た野田秀樹「キル」の言葉遊びと野田舞台ってのは本当にこの人は頭がいいんだなって思ったし、世界観の構築の仕方がベテランな気がしました。
そういえば昨日のお昼に一月五日発売のコミックスで前倒しでもう発売になるはずだろうと本屋に行ったら「多重人格探偵サイコ」13巻が出てなくて発売日と原作が同じ大塚英志の「とでんか」1巻が置かれていた、なぜ?サイコの方が売れるじゃん。
基本的にサイコも最終章に入ったんだからもうとっと出して終わらそうぜ、角川書店さん。サイコの権利をハリウッドの映画会社が買っているのでハリウッドで映画化するって話はどうなったのだろうか。本当に買ったとは大塚氏が書いていたがそれも嘘か都市伝説か?
- 作者: 菅野博之,大塚英志
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
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- 作者: 樹生ナト,大塚英志
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サイコが始まったのが高校の時だからいい加減に終わらないと。2000年にサイコ終わったら「MADARA」シリーズの書かれていない「転生編」を始めると嘘をつかれ、その書かれてもいない「転生編」のその後の最後の物語「天使編」も小説で三巻が出て大塚氏のお家芸である出版社と喧嘩で途中で放棄されという大塚英志ファンは慣れてはいるのだが。
大塚英志が「僕たちの時代を終わらすために」というキャッチコピーで書き出した「MADARA MILLENIUM 転生篇 1」はなぜか角川スニーカー文庫で出されたのに徳間書店に移り、タイトルさえも僕らには意味のあった「MADARA」すら名乗らない「僕は天使の羽を踏まない」というタイトルで大塚氏の中では終わった事になってしまった。
最近買ったコミックスと言えば大塚英志原作「東京事件」2巻と「とでんか」1巻、昨日買った西島大介「ディエンビエンフー」4巻と基本的には大塚英志関連ばっかり。西島大介「凹村戦争」の後書きにはcharlieの名前とか大塚英志さんの名前とかあったりして何か身近で世間は狭い。
そういえば「ディエンビエンフー」3巻で一番重要な台詞があって「中国と千年。フランスと百年。戦ってきたのがベトナムだド」ってあって、でも初版刷りだと「中国と百年。フランスと千年」と小学館があり得ないミスをおかしてしまっていてキチンと確認しようぜっていう。
西島さんのサイトにメアドがあったので教えてあげたら厳重に出版社に抗議しますってメール返ってきたけど第2刷発行以降は直っているのかどうかは僕は知らない。コミックス持っている人は確かめてみよう。
「東京事件」は第三の核爆弾が東京に落とされたけどそれをなかったことにしたという世界に生きている人たちの話。時間を操作して核爆弾を東京に落とさせなかったんだけど、そうなると落とされた時間軸が発生してて、というある種のオカルト的な要素もあったりする、都市伝説的な民俗学の話も出てきて大塚英志原作だなあって感じ。
「リヴァイアサン」だと本当は世界が滅びたんだけど代々木とかの一帯だけはそれがなかったことになっていて誰かの夢の世界の中で生き続けているみたいな設定だったりした。大塚さんはそういうのが好きというか、昭和天皇が崩御しないで昭和が続いているという設定とかね、あったし。 「とでんか」は都市伝説をメインとした人面犬に口裂け女、ダルマ女ならぬダルマ男が出てきたりと三軒茶屋に口裂け女が出てきて(漫画の中で)、調べてみたら口裂け女って「三軒茶屋や三宮など、地名に「三」のつく場所に多く現れる」って書かれててそういう所はきちんと書くんだなって思った。都市伝説とか好きな人はこの漫画いけると思う。
民俗学系が好きなら大塚英志×森美夏「北神伝綺」「木島日記」「八雲百怪」(これは来年刊行)とかが面白い。僕はきちんと民俗学ってものを学んでいないけどこれで興味持ったし、そういう人たちの名前を知った。でも漫画だからかなり脚色されてたり事実とか民俗学じゃねえよってことも多いんだろうけどさ。 日本民俗学の創始者柳田國男が狂言回しの「北神伝綺」、折口信夫が狂言回しの「木島日記」、小泉八雲が狂言回しの「八雲百怪」へと続く三部作。 なぜ三部作っていうんだろう。序破急だからか?日本人は3が好きだから?世界のナベアツも3の倍数だし、日本三景とかなにかと3がつく事多いなあ。
来年09年最初のイベントは文化系トークラジオLife出張企画「ツナガリ」の現在"出会い過剰"の時代の希望ですね。
http://www.tbsradio.jp/life/2008/12/life_12.html
そういえば今年の誕生日は阿佐ヶ谷ロフトで「全共闘世代VS自分探し世代〜この世を悪くしたのはお前だ! 」のイベントに行ってたりしました。面白かったけどね、あのイベント。大塚英志「彼女たちの連合赤軍」を読んでてよかったとあの時初めて思いました。
忘れてたけど今年はradioheadとSigur Rósのライブに行きました。その二組だけで洋楽はお腹一杯でしたけど。来年のサマーソニック3日間決定ですよ、ほんとにBjorkが来そうだなあ、でradioheadとSigur Rosも来たら神降臨だね、サマーソニック。
15 Step - Radiohead live from Saitama Super Arena, Japan 10/5/08
でもなんだかんだ言っても今年一番聴いた洋楽はSmashing Pumpkinsだったけど。「Mayonaise」とアルバム「Zeitgeist」ばっかり聴きました。いやあスマパン好きだわ、僕は。ジェームス・イハいなくてもビリー・コーガンがいればスマパンだし。
このまま寝ないでカウントダウンジャパンに行こうと思います。でもでもさ、昨日のカウントダウンの100sのセトリが・・・。
1・1、2、3
2・そりゃそうだ(新曲)
3・キャノンボール
4・ももとせ
5・Honeycom.Ware
6・君の声
7・永遠なるもの
8・ロックンロール
だってさ。羨ましいったらありゃしない。聴きたいのばっかだよ!!!
それにしても今年はLife関連で色んな人に会えたなあって思います、本当に感謝感謝です。
そして自分が文化系だと、まあ体育会系ではないと知ってはいましたが。繋がりを感じるようになってから世界は狭いと思うようになりました。