「ハル、ナツ、アキ、フユ」 - Spiral Fiction Note’s diary

likeaswimmingangel2008-12-22

　家を出て僕らは駅に向かう、途中の商店街がある道は車二台がすれ違うのにはギリギリの感覚、二台がすれ違う時、周りは止まる。僕らの後ろから来た4WDのベンツはゆっくりを僕らを追い越して行く。

　僕の右側を車が通った時になにげなく運転手の横顔をちらっと見る。運転手はフットボールアワーの岩尾さんに見えたというか僕の認識では間違いなく。
　赤信号で停まっていたから一緒に駅に向かう彼女に岩尾さんだと思うよって言った。彼女が見たら岩尾さんだった。なぜそういう所はわかるんだろう、顔だけなら二次元で見た人でも三次元の現実に現れてもなんとなくわかる、なんだろう、この処理能力。

　駅への階段を下りる時に、今日はM-1だったことを思い出す。忘年会が終われば結果は出ている。僕の隣を通って行った黒い車の所持者は数年前の王者だ、時間は流れている、確実に、確かに。

　08年の僕はというと「文化系トークラジオ Life」と作家・古川日出男氏に影響を受けてとその繋がりの年だった、そして東京という都市を歩いた。僕は数年に一度やけに影響を受ける出来事や人に出会う、それらが積み重なって地層のように重なり合って僕の内観を作り出す。

　今年の一月の新年会から色々なことでお世話になったり繋がったりして一年という長さが短かく感じた。特に今年はいろんな人に出会った感触が強い。

　charlie主催の忘年会、何度もお会いしてる人とまた会ってお酒を飲んで楽しく食べて名刺交換したり、今やるべきことを改めて実感してさらに話して、せっかくもらった機会や出会いを繋げていけるかどうかは自分自身でしかないから。それを返すよ、来年。僕なりのやり方で。
　と宣誓しておく。毎年言ってるような言葉かもしれないけど僕がやれることへの飢餓感と期待感が例年以上に或る、終わって始まる前に始めておかないといけない。

　二次会はなぜかみんな野郎だけになったけど。渋谷までタクッたのに同乗させてもらって歩いて家まで帰った。

　風が台風の突風みたいに強くて246沿いの坂道で体が風の勢いで前に進めない、それの強さでなにか肉体の輪郭を感じた、風で輪郭がむきだしにされた。作りかけのロータリーが上に見えて口を広げている、下には山手通りが走っていて上中下の道路の真ん中を歩いた。風は強い。

　少し酔っぱらったまま録画したM-1を見て、前日の予想してた三組（笑い飯、モンスターエンジン、キンコン）は決勝には進んでいなかった。なぜか決勝でまったく笑えない自分がいた、感覚がズレている？　僕の感覚はズレを生じ始めているのかも。

　優勝がNON STYLEになってボケの人が泣いているのを見て応援もしてなかったけど少し泣きそうになる自分の適当さを実感する。
　フットボールアワーやブラックマヨネーズの時は見ながら爆笑してたんだけど、彼らは自分の短所や欠点を笑いに変え武器にしている、僕はそういう方が好きなんだろう。

　見終わってパソコンを開くと「Life」のスピンオフが配信されていた。

spinoff企画「古川日出男・東京REMIXED」
http://www.tbsradio.jp/life/2008/11/spinoffremixed.html

　古川さんが「ハル、ハル、ハル」の冒頭を朗読し始まる。勝手にシンクロして啓示を受ける、忘年会から帰ってちょうど配信されていることに。

　Podcastを聞く、歩く歩く歩く歩く、そう土地の上を歩いていくと体と地面が地続きになって、わかるその感覚。僕は物真似をしたから。

「スプリングバケーションEP」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20080428
「Love Fall」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081118

　歩いて生き／生きて歩きましょう

　と以前古川さんからもらったメッセージを聞いて改めて感じる。

　僕たちは四季を歩いている。

文化系トークラジオLife出張企画
「ツナガリ」の現在　"出会い過剰"の時代の希望

出演：鈴木謙介・佐々木敦・津田大介・鴻上尚史（特別ゲスト）
■日時：2009年1月7日（水）午後7時開演（午後6時半開場）■会場：紀伊國屋ホール（紀伊國屋書店新宿本店4階）
■チケット発売：2009年12月13日（土）前売取扱　キノチケットカウンター　紀伊國屋書店新宿本店5F／受付時間10:00〜18:30）
■入場料：1,000円（税込・全席指定）■予約・問い合わせ先：紀伊國屋ホール　03-3354-0141（受付時間10:00-18:30）
主催：紀伊國屋書店　協力：TBSラジオ