古川日出男「叱れ叱れフルカワヒデオ叱れ叱れ」(hon-nin vol.8に連載されている)を一気に読んだ。後半に出てくる未完成な小説というは読むかぎりでは「ルート350」に収録されている「一九九一年、埋め立て地がお台場になる前」だろう。
印象的な短編だったが元々は長編だったのか、僕はお台場ができる前のそこの場所を知らない、古川さんは知っている、時間と共に東京の街は様変わりする、それを小説として記録もしているのかもしれない。江戸幕府以来東京湾は埋め立てられていき、なかったはずの土地が出現する。海を沈めて人工の島が出来上がっている。
「LOVE」「ゴッドスター」なんかの古川日出男作品には埋め立てられた土地の話が多い、造り上げられた土地と川から海への流れは古川作品のキーワードの一つだ。「聖家族」は東北六県の話だけど、古川作品はそれまでは東京の物語だった、「聖家族」から帰還してまた東京の物語になるのだろうと思う。
東京の街はどんどん変わっていく小説がそれを記録するメディアでもあるのかもしれない、漫画でもいいのだけど。岡崎京子作品に出てくる東京の景色はもうかなり変化をしてしまっているだろう。
昨日は青山にて専門時代の友人・高塚が参加しているイベントに行ってきた。骨董通りを時間潰しに歩いていたら麻布の方へ行っていた。東洋系の外人と欧米系の外人の女二人に六本木どこと聞かれてちょっと困った。時間潰しにぶらぶらしていたし地理も把握してなかったのでその時自分が麻布にいることをまだわかってなかった。なんとか確かめて方向だけは教えれた。青山とか麻布とかあんまり来ないからわかんないよなあ、聞かれてもさらに英語だし、喋れないし、ちょいとパニくるし。
昔、東京の人間は道を聞いても教えてくれなくて不親切とか言っていたけど、地元でもない地方から来た人間が大多数の都会で自分の家と職場とか以外で聞かれてもわからないに決まってるよな。道案内仕様がないもんな、相手がまだ地図とか持ってないと無理だ。
イベントはCLUB EVERって所で写真、映像、書道、絵画、陶芸、ライブペイント、DJとか複合的なサロンというか、酒飲みながらって感じで。こういうイベントってあんまりないし、日本人ってこういうことをあんまり積極的にしないよなあ、海外だとそういうサロンから次世代のアーティストとか出てくるんだろうけど、そういう土台から作っていかないとなかなか浸透しないのかもしれない。
仲間内って所から広がってもっといろんな人を巻き込む力が出てくると何かおもしろいムーブメントとか起こると思う。映画「ビューティフル・ルーザーズ」http://www.beautiful-losers.jp/index.htmlとかもそういうサロンから一気に世の中に出て行った人たちの話だったような。でもルーザーズって負けた感じだけど、実際はやりたいことでお金をもらえたり、強力なスポンサーとかついたんだから全然負けてないと思うけど、なんでルーザーズにしたんだろう。
いつも楽しみにしていたテレ東の「やりすぎコージー」が深夜枠から月曜九時のゴールデンに昇格した、来月からだが。深夜枠でマニアックな芸人さんや天王洲猥談やモンロー祭とかテレ東の匂いがプンプンするエロさとかをきちんとゴールデンでやれるのか、やらないなら意味ないと思う。
ウラはフジの月九にTVタックルとかだからゴールデンでもむちゃしてクレームしか言えないPTAにどんどんクレーム言われるような内容の番組をするしかないと思うのだけど、それでこそ「やりすぎ」だとずっと観ていたファンとしては思う。むちゃむちゃなことをして番組が潰されるような冒険をゴールデンでブチかましてほしいものだ、最悪深夜枠に帰ってほしいけど。でも、深夜枠からゴールデンに昇格すると一、二年で番組が視聴率取れなくなってなくなるパターンが多いけど。今田・東野コンビの芸人を活かすフリやオトシ方をぞんぶんに見せつけてほしい。
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/18
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