Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「海獣の子供」

 お盆期間の6連チャンが終わり、朝帰ってから18時過ぎまで起きる事なく爆死、いや爆睡。
 起きてコミック「海獣の子供」三巻を読む。海からやってきた「空」と「海」の兄妹と主人公・ルカ、彼らに関わる人たち、海と空の兄妹はどこから来たのか? 海に住む原始の生物や生命の記憶が滞留する海底、三巻はこれからの展開の為の枕的な話の展開。これからどう進むかが期待。


 読んで毎回思うのは映像作家・岩井俊二の小説「ウォーレスの人魚」に似ている部分。話の根底が違うが海から来た人間を取り扱っている点。こちらではホモ・アクアリウスだったかな?
 人類の祖先は海から来たという定義で人魚とも言える人間が出てくるファンタジーだけど、読み応えがあって好きな小説。岩井さんの作品の中で一番好きだったりする。


 「ウォーレスの人魚」はもともと、カールスモーキー石井監督の「ACRI」の原作というかそういう感じで書かれていて間に合わなくなって、小説として完成させたものだったような気がする。だから「ACRI」とは物語の構造とか違うらしいし、僕の周りでも「ACRI」を観た人も少ないし面白いという人もいないので映画としては駄目な作品なのかもしれないが、「ウォーレスの人魚」を映像化できたら凄い作品になりそうだが、CGを使って海での撮影とか時間と金がとんでもなくかかりそうなのでムリだろう。


 そういえば「ACRI」に出ていた吉野公佳が芸能人AVレーベルと2500万円ぐらいで契約してAVデビューするそうだが、あんまり吉野公佳ってイメージがない、名前と顔がわかるぐらいだけど、女優としてのイメージがない。まあAVはレンタル始まったら借りようかなあぐらい。


 岩井さんの最後の長編としては「花とアリス」で、それ以降映画とか作ってないために、最飲み会で会う大学生やそのぐらいの年齢の子はまったく岩井作品に触れないままで、名前すら知らない。僕らが中高生の頃はけっこう世代的にも観ていたような気がするし、みんな名前とかは知っていた。
 若い子が単館系映画を観ずに全国ロードショー的な作品ばっかりを観ているのか? 映画自体をもう観てないのか? ランキング問題でいう所のベスト1だけが売れて、二位との差が激しくなっている、二位も対して売れていないということもままあるらしいが。一位だけが売れているというのは映画にも現れているのか?


 とはいえ、クリエイターは作品を世の中に出して行かないと若い世代からは完全に知られて行かなくなることだけは間違いなく、昔の映像作品とかを観るような人間はひと昔から考えると圧倒的に少なくなっている。


海獣の子供 3 (IKKI COMIX)

海獣の子供 3 (IKKI COMIX)

ウォーレスの人魚 (角川文庫)

ウォーレスの人魚 (角川文庫)