Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

ノーマニフェスト 上島

 石田衣良「非正規レジスタンス」読み終わる。あっさりとした終わり方というか、もう一山あってもよかったなあという感想。できれば「非正規レジスタンス」は派遣の問題というか現在の社会の労働問題を取り扱っているので、この回だけでも一冊分いけるような気はする。それほど問題点は多く、もちろん社会的な関心もあるわけで。企業側のマージンの取り分の問題や働く人間の使い捨てられ感、賃金の問題でネットカフェ難民に繋がる等、連鎖的に起きている負の部分をどう解決するか、あるいは物語の中で何を見出すのかということだが、短編の物語なのでうまいこと終わっている。やっぱり衣良さんはこういう終わりや人間の関係性を書くのが好きなんだとは読みながら思う。


 レンタルしておいた「ノーマニフェスト フォー 上島」のDVDを観る。上島竜平が町村選挙に出たら?というフェイクドキュメンタリーの作りになっている。上島をサポートするのは竜平会の面々であって、ハプニングやトラブル、身内内でのいざこざ、準備不足をアメリカBBTテレビが密着するというものだ。
 かなり地味な感じもするが、そこに描かれる人間関係はドキュメンタリー要素があり、そこに表れる関係性は笑ってしまう。竜平会はなかなかダメな感じがする。有吉は本当におもしろいと思う、特に竜平さんと絡んでる時は、あとリーダーの肥後さんも登場し、波紋を起こす。
 竜平さんは基本的に受け身のポジションで起きた出来事に対応できずにあたふたするわけだが、その辺りの演技力、あるいは素に見える部分はとてもドキュメンタリーに見える要因だろう。
 テレビではできないがこのような企画DVDとしては制作できるのでテレビのバラエティに飽きてる人にはいいのかもしれない。僕はけっこう笑ったけど。