大塚英志「初心者のための「文学」」の文庫が出たので買って読んだ。一応ハードカバーを持っているので、補講として書き下ろしで最後に加えられた「そして君は「文学」と出会い 象徴的に人を殺し大人になる」扱う作品/村上春樹『海辺のカフカ』のためだけに買ったとも言える。
現実には人は人を殺してはいけない、しかし、同時に人はある場合において「形而上的」に、かつ「象徴的に」人を殺すことは必要なのだと村上春樹はいうのです。
つまりここで人を殺してはいけない、と主張することと、人を殺す表現を混同してはいけない、と言っているのです。人を殺す表現をやめてしまえば、もしくは禁じてしまえば、人は人を殺さなくなる、というほどに人も世界も単純ではありません。むしろ、人が殺され血を流す物語は描かれ続ける必要があるのです。
物語が作中で人を殺し続けることは象徴的にそれが行われ続ける必要があり、そして、人はあくまでも象徴的に人を殺すのだ、ということの意味を考えるためにそれらの物語はあります。だから、村上春樹もぼくやぼくと同じように人殺しの原因と名指しされた作者たちもまた人殺しの物語を書き続けていかなくてはならないのです。世界が「現実」であり同時に「象徴」であり続けるために、です。
だからぼくは現実の世界の戦争に反対し、そして物語の中で人を殺し続けるのです。
大塚英志の立ち位置を非常に明確に表わしているものだと思います。僕は「海辺のカフカ」を読んで特に感想もなかった、僕には必要な物語ではなかったかもしれない。僕はサリンジャーも村上春樹作品も途中で飽きるか、読んでも覚えてないことが多く、その理由はなんだろうか?と後に考える。村上春樹翻訳のレイモンド・カーヴァーはとても好きなのに。
「そして君は「文学」と出会い 象徴的に人を殺し大人になる」というタイトルはすごくわかるような気がする。最近の無差別な殺傷事件に対して「文学」は何ができたのか?
犯罪を犯して加害者になった彼らをこちら側に引き止めれる「文学」はなかったのか?出会えなかったのか?
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27時間テレビでさんまさんがめちゃイケ絡みして、武さんが岡村さんとさんまさんの車にペイントして車を運転して、ぶつけまくって、ペンキをかけて、今田さん軽く武さんが運転する車と壁に挟まれてと、最近のバラエティではありえない事故のようなことになっている部分をビデオで撮ってたので見た。
やっぱり、さんま×武で突っ込んでいけるのは今田さんぐらいか、岡村さんはどうも恐怖心からか遠慮してしまっていた。武さんの暴走ぶりも見れてよかったけど、やっぱり若頭・今田さんのお笑い力は若手時代から積んできた経験値が半端ないことを証明している。それにしても昔はもっと武さんは暴走していたことを考えるとすごいな、テレビでむちゃをするからといって見る側がムチャをするわけではない、見る事で象徴的に経験したかのように大人になる作用があったとしてもおかしくはない。
イジメにつながる等バカバカしいアホなPTAや親のクレームでバラエティが肩身の狭い思いをさせられて番組や企画が終わるような時代で、むちゃを変わりにしてくれるバラエティを殺して、むちゃをするはめになる若者はいるんじゃないだろうか。そういうことまで考えて動く親はいない、結局自分で自分の首を絞めているだけかも。