Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「井上雄彦 最後のマンガ展」と「ラストフレンズ」

 19日、祖父の四十九日、しかし実家には帰らず、東京にいる。
 初盆だが帰れそうにないので帰るのは9月、人が一斉に帰省する時期には帰りたくない天の邪鬼なのでということもある。


 上野の森美術館にて「井上雄彦 最後のマンガ展」観賞。
 ある種、スピンオフ、わかりずらく言うのなら、読んでもわからない表現するなら大塚英志魍魎戦記MADARA 天使篇」のようなもの。「バガボンド」を読んでおくと面白さがだいぶ違う、絵としての迫力ある3・5メーターぐらいの武蔵もいるが基本的にマンガなので知っておく方が読んでいて話に入っていきやすい。


 読んでて少しだけ祖父のことを思い出した。


 帰りに「あしたの、喜多善男」のDVDを借りる、最終話だけ見逃したので5、6巻だけ借りる。最後はやっぱりという終わり方だったけど飯田譲治さんの脚本の感じがすごく出てる、キムタク主演「ギフト」を思い出す。


 「CUT」で蒼井優の特集、岩井俊二さんが彼女について語っている。「女優をやったほうがいいよ」と言ったのも彼女だけらしい、これって言う人にもよるけど言われる側も人生の方向性が決まってしまうような発言だからかなり慎重な言う人を選ぶ発言だなと読みながら思う。


 シネアミュ−ズで今月終わりからレイトショーで岩井俊二監督「Love Letter オリジナル・ニュープリント」がするらしい。
http://www.cineamuse.co.jp/cinema/index.php?cinema_id=519
 僕らぐらいの年齢だと岩井作品に影響受けてるし、映画の専門でも好きな人は多かった、しかし今の大学生とかに聞いてもあんまり岩井さんのことは知らない。それは「花とアリス」以降岩井さんが新作を撮っていないからだろう、篠田さんが亡くなる前に最後に撮ったその作品のあとは。


ストーリー:
拝啓、篠田昇様。
   お元気ですか。


僕らにとってこれはとても忘れがたい大切な作品です。−岩井俊二


1995年の中山美穂主演、岩井俊二監督作品。
岩井=篠田の世界を確立したエポックメイキング的な作品であると同時に、 独特な映像表現が開花することになる。岩井作品には必ず篠田昇キャメラがあり、「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」と続く。
北海道の小樽を舞台にした本作品は今でも根強くファンに支持されている。


 公開当時は13、4歳ぐらいで実際に観たのは高校生になってからだったから劇場で観てみるのもいいかなと思う。

 話題の?「ラストフレンズ」最終話を録画して見てみる。今まで見てないけどある程度の話の展開ぐらいは最終話を見れば流れと関係性ぐらいはわかるのだけど、「愛という名のもとで」現代版かなと思ったけどそうでもないみたいだね。


 上野樹里のルカが長澤まさみのみちるに「死に方も含めて卑怯だと思う」と言った横顔を見て、前にこの構図で見たことあるなあと思った、どうやらたまにあるデジャブみたいです。
 デジャブって夢とかで見た映像をまた実体験で見るから「見た事あるわあ」ってなるんだろうけど。これは考え方を変えると寝てる間に魂が時間をちょいと早送りして体験することを見てしまったのが夢で現れているとも考えられる。魂が時間を越えている可能性はなくもない。
 最近は夢見てないというか覚えてない、読んでた「アラビアの夜の種族」があまりにも夢物語だったので読むと眠りに引き込まれてて全3巻を読むのに1週間以上もかかってしまった。それにしてもすごい話だった、説明しずらすぎて、でも読了感は素晴らしい。


 「ラストフレンズ」見てて思い出したのは「神様、もう少しだけ」だったんだけど、なんでだろうなって思ってこのドラマの脚本が浅野妙子さんだったのを思い出して、ああ同じ人が書いてるからかと一人で納得。「ラブジェネ」「大奥」「純情きらり」とかも書いてるんだけどね。脚本家が同じで放送してる局が同じだとなんとなくうっすら漂う匂いみたいなものってある程度は同じなんだよなあ。そこは脚本家の台詞のテンポとかが話作りがかなり大きく影響してると思う。


 「ラストフレンズ」って友情がテーマだけど、シェアハウスでの話だからそこは「家族」としての機能がもちろんあって。 今の若者の抱えてる問題を扱った作品だから最終的に視聴率も上がってきて話題になったのがデカイのはわかる。


 若い世代にしろそうでないにしろ、「家族」ってある意味では崩壊してるし、だから余計に求めるものだし、ある人には吐き気もするもので、でも人とは繋がりたくて「恋人」「友情」を求めて、自分が入れるコミュニティってものに依存したりすることで自分の存在を再認識するんだろう。


 コミュニティが「家族」に代わるものになるかはその人次第だろう。
 だから最後の終わり方は「友情」を家に持ち来んだ「家族」という形態を取ったのかもしれないなあ。「29歳のクリスマス」もある種そういう形態を取った終わり方だったと記憶してる。


 ああいう希望を残した終わり方は好きなんだけど、あれが本当にハッピーエンドな終わり方かどうかは実は疑問でこれからの生活の方のことを考えると本当にハッピーなのかとか考えてしまうので素直に見れないのは悪い癖だと思う。


 あとフジテレビの「友情」系のドラマの最後のシーンってみんなで撮った写真であることが多いような?あれを見るから学生時代とかにみんなで集まったりどこか行ったりする時に写真撮って、のちに見た時にドラマ的なノスタルジーに浸る人が多いんじゃないかな、テレビの影響て何気にそういう所に出ると思う。

バガボンド(28)(モーニングKC)

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Love Letter [DVD]

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