8月下旬の日記(2024年8月16日から8月31日分)
9月1日
上田岳弘著『多頭獣の話』の続きを読んでいたら日付が変わりそうになったので、8月下旬の日記をはてなブログにアップしてから、noteに半年前の3月上旬の日記をアップした。
その後、25時過ぎには一度眠れたのだけど、26時半ぐらいに一度目が覚めてしまった。窓の外から雨の音はしていたのか、していなかったのかわからない。気圧の問題とかかもしれないがそれも頭痛がしているわけでもないから違うのだろう。とりあえず、もうすぐ新作が公開されるNetflix『トークサバイバー2』の音量を小さくして、それをなんとなく聴きながら目を瞑った。あとは眠りに落ちるのを待った。
8時前に起床した。月が変わっていることもあって、ずっと気になっていたスニーカーを買おうかとサイトを見てみると昨日の時点ではなくなっていた自分のサイズが復活していたので購入ボタンを押した。
外に出て歩いたりする際にはナイキのランアプリを起動して距離を計っている。先月だと31日あった中で、月の総ランニング距離(実際は歩いてるけど)は310.4キロで約79時間ちょっと歩いていた。一日10キロ歩けたらいいな、という目標はあるのでそれは達成できた。
日によっては2キロとか仕事の休憩時間に買い物に行くぐらいで距離が稼げない日もあるが、休みの日なんかにTOHOシネマズ六本木や日比谷なんかに行って帰ってくると10キロを越えるぐらいになる。プラスで違う時間帯に買い物に出たりすると14キロとかになったりして、足りない日の分を補う形になっている。
古川日出男さんのノンフィクション作品『ゼロエフ』の取材で国道6号線を徒歩で踏破する(帰還困難区域は車で通行するしかなかった)というのをご一緒させてもらったのだけど、その準備期間にできるだけ歩ける体作りと長距離を歩く練習をした。
2020年の東京五輪が本当は行われる予定だった期間にその取材が終わって、秋には古川さんと二人で阿武隈鉄道の復興に合わせて阿武隈川沿いや宮城県から南下して福島県に入るということもやったりした。
それが終わったら、はい終了ということにはならず、僕としては時間があれば歩きたい、歩いているほうが落ち着くという感じになっていった。コロナパンデミック期間に入っていたこともあり、仕事は出社しないで良くなってリモートワークになっていた。
外出する理由が減り、あまり人にも会わないほうがいいという状況下において、radikoで好きな番組を聴きながら歩くというのは心身ともに僕にはリラックスもできるし、体も動かせるという大事な時間になった。
僕はナイキのランニングシューズを履いていて、ソールがすり減ってくると新しいものを買う。そのぐらいの距離を歩いていると半年ぐらいでソールが摩耗してグリップがあった部分がなくなってツルツルになってくる。普段はいいのだけど、雨の日とかタイルっぽい歩道だと滑ってしまう。
今履いているものは一年以上前に買って一度履き潰して、次のスニーカーを買ったのでお役御免になっていたが、その次のスニーカーがソールよりも先に右足の踵部分があたる箇所が擦り切れてしまって、中にあるプラパーツのようなものが出てきてしまった。靴擦れで血が出ているのかな、と思っていたらその摩耗して血まみれになった箇所を触ってみると飛び出ているプラパーツがあった。さすがにそれを継続して履くことは無理だったので、その前の履いているものを再度召喚した。
履き潰したら新しいものを買う、というサイクルではあるのだけど、やっぱり好きな形やデザインでカラーでないと買いたいと思えないので、そういうのを待っている時間が多少あったりする。それがこの夏の期間だった。
余計なクッションがあると踵が出っ張っているために摩耗してプラパーツが出てきて血まみれになるということになる。今履いている二個前のは踵部分が薄くてクッション性もないのでそういうほうがいい。今回買ったのは画像を見る限りクッションはほぼないのでたぶん大丈夫なので、届くが楽しみ。そして、また履き潰す。
月末に『【月刊ALL REVIEWS】古川日出男×豊崎由美 、角田光代『方舟を燃やす』(新潮社)を読む』の現地参加しようと思っていてチケットを取っている。課題書というかテーマになっている『方舟を燃やす』がまだ読んでいないので早く読まないとなって思っていた。
代官山蔦屋書店には一冊残っていたが、発売自体が今年の2月だから帯とかカバーがちょっと傷ついていて買うのをためらっていた。しかし、足を伸ばせる書店にはそもそも在庫がなかった。そういえば、渋谷の桜ヶ丘にできたサクラステージにツタヤの新しい書店ができたというのを見ていたから、今日は午前中は雨は降りそうにないので歩いて行ってみることにした。
いつもTOHOシネマズ六本木や日比谷に行く際には246沿いを渋谷方面に歩いていきセルリアンタワー東京ホテルがある道をまっすぐ進む。六本木はそのまままっすぐ進んでいき、日比谷だと青学があるところでブルノート東京がある方に逸れて青山墓地を進んで乃木坂や赤坂に出て国会議事堂方面に向かう。サクラステージはセルリアンタワー東京ホテルの少し先にできていて、何度か目にしたことはあるが中に入ったことはなかった。
どこかの四階にTSUTAYA書店が入っているという看板を見たので初めてのサクラステージの建物の中へ。道路を挟んで左右に建物があって空中通路みたいなもので行き来ができるらしい。正直TSUTAYA書店を見つけるまで迷った。
やっと見つけたので品揃えをとりあえず把握しようと店内を歩いた。もちろん商業施設の中にある本屋だからめちゃくちゃ広さがあるわけでもないし、やっぱり小説の品揃えは少なすぎて『方舟を燃やす』は置かれていなかった。こういう場所で小説がそこまで売れるわけでもないので仕方ないのだけど、この品揃えならまた来て買い物をしようとは思えない。
渋谷エリアだと大きな書店が東急百貨店本店に入っていたMARUZEN&ジュンク堂渋谷店がなくなってしまったのがあまりにも痛すぎる。あそこの品揃えは最高だった。今はH&Mになってしまった場所はかつてブックファースト渋谷店があったりと渋谷に行けば大抵欲しい本はあったし、昔の小説とか書籍だって見つけることができたが、もうインバンドの観光客相手の街になってしまった場所には利益率の低い書店経営は難しいし、そもそも大きな面積を誇る店舗は維持ができない。
マークシティ近くにある書店にも寄ったりしたがなくて、一回家に帰ってきてからドラッグストアになくなったシャンプーや洗剤の替えを買いに行ったりしたら、今日は12キロぐらい歩いていた。
歩いている間はずっとradikoで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いていた。スペシャルウイークのゲストが柳原可奈子さんと菊地亜美さんと女性二人だった。女性陣の方がオードリーに比べるとテレビに出始めたのは早かったみたいだが、同じ時期にバラエティとかで共演していることもあり、その関係性や信頼みたいなものがわかるトークになっていた。
四人とも結婚して子どもがいるということもあって、子どものことについて若林さんや春日さんが普段は言わないようなことを話していたり、と柳原さんと菊地さんがゲストだから出てくるような話題だったり、思っていることを話していてそれもよかった。
オードリーの二人は僕よりは二学年ぐらい上で少しお兄さんだけど、二人とも40代になってから結婚して子どもをという感じになっていて、ゲストの二人も出産や子育てでテレビの出演が減った時期もあったがまた活動をしている。そういうこと自体がすごいし、うらやましいなと思った。
家に帰ってから昼ごはんを食べながら、食後は読書をしながら月に一回やっている『ヤーレンズのオールナイトニッポン0』のスペシャルウイークゲストが令和ロマンを聴いた。ケムリ以外がずっとボケているような放送でいい意味でわちゃわちゃしていた。
あとヤーレンズが政治ネタをわりとぶっ込んできていて、パワハラのオンパレードで色々と報道されている兵庫県知事のことや小渕恵三が首相になった時にアメリカが「冷えたピザが届いた」みたいなことを言ったとか、その娘のドリル事件とかを言っていて、年齢的には離れているのでその政治の話をケムリがまったく知らなかったりしてジェネレーションギャップがわかったりするのもよかった。
固有名詞をどんどん出していくのもいいし、攻めているというよりも言いたいことや浮かんだことを言うスタイルもいいし、あとヤーレンズと令和ロマンの組み合わせは非常に聴いていてたのしい。
夜は作業をしていたら知人からDMが来て、23時前にニコラへ行った。傘はいらないぐらいで雨は止んでいた。常連の知り合いが三人いて一人が誕生日だったらしく、そのことを言われずに呼ばれていたとわかった。
のんびりと飲みながら深夜過ぎまで話をたくさんした。こういう夜の時間はなんだか優しくて心地いい。
9月2日
3時過ぎに布団に入ってすぐに寝落ちして8時前にセットしていた目覚ましで起きる。二日酔いではないけど、気持ち頭痛がする。気圧なのかお酒なのかわからないけど、午前中には治った。
9月になってから最初のリモートワークを開始。今日から出退勤システムが変更になったのだけど、どうもうまくログインできず諦める。作業自体ができるので放置、その後社員さんから違うURLやログインに必要なものを教えてもらって新しくログインするための登録をしたりした。
昨日夜に半分ぐらい聴いていた『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』と土曜日の『オードリーのオールナイトニッポン』を最初からradikoで流してBGMにして作業を進めた。
ダウ90000新事務所名会議
ダウ90000が事務所の契約終了して個人事務所を立ち上げたというニュースは見たが、その事務所の名前が「オフィスカニバブル」というものだった。その名前に決まるまでのメンバー内での話し合いの動画を見た。
最初は各メンバーが出したものの中で蓮見さんが出した「カニクラブ」の案が残っていたが、クラブ自体がカニの意味もあるし、倶楽部なのかというニュアンスが出てくる。ダチョウ倶楽部があるのでクラブが漢字なのとも言われそうだ、と。ダウはそういうものを外してきたので最終的に「カニバブル」で決定という流れになっていった。
名前をつけるということの難しさ、そしてそこに込める意味や思い、ましては何人かいるからこそすぐに決まらないのも見ていてわかるものになっている。
お昼過ぎに休憩に出た。駅前のTSUTAYA書店を覗くと前はなかったような気がしていた角田光代著『方舟を燃やす』が棚にあった。でも、カバーの何箇所かちょっと傷ついたりしていたが、ほとんど書店で見かけないし家の近所だから買うことにした。黒い帯に隠れているが装丁に描かれているのは舟ではなく体を曲げた猫だった。
ミシェル・ゴンドリー監督×チャーリー・カウフマン脚本『エターナル・サンシャイン』製作20周年記念特別限定上映が宮益坂下に移転したル・シネマで10月からするというニュースを見た。当時上京はしていたけど、劇場では観ていなくてDVDレンタルで観たと思う。せっかく劇場で観れるのなら行こうかなって思う。
夜は「月刊予告編妄想かわら版」の原稿をとりあえず仮で四作品書いた。数日放置して中旬の〆切前に見直して加筆修正する。ライティング作業をしてから寝る前に読書の続きを。
上田岳弘著『多頭獣の話』と高橋悠治+坂本龍一著『長電話』を読み終える。
『多頭獣の話』は著者の上田さんがずっと描いてきた「塔」のモチーフを今回では真逆というか変えているのも興味深かった。作中に出てくるYouTuberの歌みたいなものがあって、その歌詞が何度か書かれているが、そこはやっぱり音がないので読んでいると想像しにくい(ちょっと寒く感じしまう)ところがあったが、この作品も上田さんの小説だなとわかるおもしろさがあった。
『長電話』は二人の電話のやりとりが載っているが、83年とかそのぐらいの時代の二人が仕事のことや音楽について考えていたのかがなんとなくわかってくるし、時代感がちゃんと感じられるものになっていた。復刻したこともあって価格も3000円ぐらいなのだが、読んでいると気持ちページ数が短いので高く感じてしまう。元々あったものを蘇らせているのでページを増やしようがないのはわかるけど、そこまで刷っていないということなんだろうか。
Spotifyで『83 Lightning Catapult』#134「SNSでの芸能人の呼び方」が配信されたのを聴く。僕は西日本の人間ということもあるのか、芸人さんの名前を人前で言ったり、文章で書くときも基本的に「さん」づけする。今でも「さんまさん」になる。
しかし、年齢で区切っているところもあって、自分よりも明らかに年下だとさんづけはしないこともある。こういう読まれるようなものだと「さん」づけしているとは思う。20代の芸人さんだったら呼び捨てになるかもしれないけど、やっぱり、人前に出ている人のことは意識的に「さん」をつけるようにしていて、それは普段から意識していないと急に出ちゃうことになる。友人知人とか関係値のある人はいいけど、そうじゃない人でも呼び捨てにしたりする可能性を防ぐためには「さん」づけしている方が安心だなと思う。
寝る前にNHKオンデマンドで『Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ―』第一話「パニック症」を見る。元々は漫画原作らしいが、一話のゲストが夏帆さんだったので見ようかなと思っていた。
主演が中村倫也さんで、夏帆さんとは他にもドラマとかで共演しているので見慣れている感じもしつつ、シングルマザーで幼稚園の息子を育てている母親役を彼女が演じているのはちょっと新鮮。
精神科、心の病気のことを取り扱っていることもあってすごく丁寧に、優しい感じに作られている。悩みを抱えている人とかがこのドラマを見て、難しく考えずに気軽に精神科に行って問題が解決されるような流れを作りたいんだろう。
ドラマ自体は全三話と短いのでこれなら全話見れそう。最近は『地面師たち』は全話見たけど、ドラマを見るという習慣がなくなってしまっていて、地上波で放送している作品で追っているものもないし、ドラマが好きで脚本家になりたいと思っていた十代の頃の僕は一体どこに行ってしまったんだろう。
9月3日
radikoで『空気階段の踊り場』を聴きつつ寝落ち。毎年恒例のサザンの曲に合わせた切ない夏に思い出をリスナーが送ってくるというもの。しかし、夢を見て目が覚めて時計を見たら深夜の2時半ぐらいだった。
夢は父親が出てきていて、なんか楽しそうに笑っているものだった。自分が子供だったのか今の状況なのかはわからない。父親も今ほど老いていないが若すぎるということもないぐらいだった気がする。
知っている人が夢に出てくると正直「死んだのか」とか「何か異変が起きたのでは」と思ってしまうが、実家から連絡も来てなかったのでとりあえず安心。
スマホで夢占いを見てみると父親が笑ってるとか楽しんでいるみたいなものは「サポートしてくれる人が存在する(現われる)」ことを示唆していると出ていた。僕をサポートしてくれる人早くやってきてくれ!
と思いつつ『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』を聴きながら目を閉じていたら眠れた。
普段は目覚ましが鳴る前に起きるということが多いのだけど、今日は目覚ましを無意識のうちに止めていた。そして、スマホのアラームにも気づかないまま眠り続けていた。起きたら8時半だった。
思ったよりも寝過ぎてしまったが、その後すぐに整骨院に行く予定だったので顔を洗って家を出た。整骨院で施術してもらって外に出るとぽつりぽつりと雨が降り出していた。
一旦家に帰ったが、10時過ぎに皮膚科クリニックの予約があったので向かう。処方箋を出してもらってそれを近所の調剤薬局に行くと大降りの雨が降り始めてきた。
1日に注文していたナイキのランニングシューズ「エアペガサスプラス」がお昼過ぎに届いた。佐川急便さん雨の中ありがとうございます。今履き潰してソールがツルツルのものも「エアペガサス」シリーズでかなり軽い。今回のものもオレンジと青と赤というビビッドなカラーがいいなと思ったので、他のカラーではなくこれがよかった。
新しいスニーカーを試し履きがてら雨の中、渋谷へ向かう。基本的にはランニング用なので軽量化されていて、サイドは細かい穴がたくさん開いていて通気性がいい。だが、雨降りの時はより早く雨を吸い込んでしまうというか濡れやすい。
PARCO渋谷に着く頃には雨がほとんど止んでいて、映画館のホワイトシネクイントへ。今月末にヨルゴス・ランティモス監督『憐れみの3章』が公開されるのに合わせて、監督の過去作の『ロブスター』と『聖なる鹿殺し』も上映されることになっている。
どちらも偶然だが試写に呼んでもらって観てツボにハマったというか、好きな作品だったので公開後に劇場に行って観たものだった。その後にスクリーンで予告編も観れたが、ちょっと懐かしい気持ちになった。シネクイントのポイントカードが貯まっているので『ロブスター』はそれで観ようかな。
夫のジョン・カサヴェテス監督作品に数多く出演した女優のジーナ・ローランズが8月14日に亡くなった。その追悼上映としてジム・ジャームッシュ監督『ナイト・オン・ザ・プラネット』が特別上映されていて、観るなら今だなと思って朝皮膚科クリニックから帰ってきた時にチケットを取っていた。
『ナイト・オン・ザ・プラネット』自体は昔レンタルで借りて観たぐらいで劇場では観たことがなかった。平日の15時過ぎの上映回だったがそこそこお客さんが入っていた。20代ぐらいの大学生とか若い人の割合が多かった。
映画ではタクシー運転手と乗客とのやりとりを描いているが、五つの都市を舞台に五つの物語がオムニバス形式になっている。
最初のロサンゼルス編ではジーナ・ローランズは映画などのキャスティングやスカウトウーマンとして登場しており、タクシーの運転手はウィノナ・ライダーで基本的には二人のやりとりがタクシーの車内で展開していく。
1991年製作された映画だから、タクシー運転手たちも普通に車内でタバコを吸っているし、乗客も吸っている。これが明らかに現在とは違う景色にもなっているし、時折挟み込まれるタクシーが走っていくそれぞれの都市の景色もすでに失われたものになっているから記録として観ていて興味深い。
ロス編ではウィノナ・ライダーとジーナ・ローランズが車内で一緒にタバコを吸っているシーンは本当に画になるしカッコいいなと思えるものだった。最高にカッコいい。
ロス編の後はニューヨーク編、パリ編、ローマ編、ヘルシンキ編と続く。
ニューヨーク編の黒人のヨーヨーが捕まえたタクシーの運転手は東ドイツからやってきたヘルムートという中年男性だった。その二人のやりとりとかが非常に心地いいし、ヨーヨーのセリフがポップでおもしろかった。組み合わせとしてはロス編が女性二人だったのが反転して男性二人になっている感じだった。
パリ編ではコートジボアールからの移民である運転手が最初に乗せた大使だという黒人男性二人と揉めた後に乗せたのが若い盲目の女性だった。その女性の態度がデカくて運転手の彼はイラつくが、次第に目が見えていないはずの彼女の鋭い感覚によって、何か本質を言い表されているような感覚になっていく。ちょっとしたドギマギした感覚も漂っていてよかった。
ローマ編はごめん、寝てしまった。気がついたら最後に乗客として乗せていた神父が死んだのか、運転手が車から降ろしてベンチに座らせてどこかに去っていった。
ヘルシンキ編は深夜に運転手のミカが酔っ払った男三人を乗せる。一番泥酔して寝ている男は昨日仕事がクビになったということがわかり、彼の一日に起きた不幸について友人たちが語っていく。そのことに動じないミカに苛立つ男二人が彼自身に起きた不幸な話を聞かせろという。ミカ自身に起きた不幸の話をし始めるとその男二人は泣き崩れるのだった。
一つ寝ても問題がないというか、タクシー運転手と乗客という関係で他のものとのリンクや繋がりはない。やっぱりタバコを吸っていると映像的にいいよねとは思う。もちろん煙がダメとか健康上の問題とかいろいろあってそういうものが社会からどんどん排除されて目に見えなくなっていくけど、そういうクリーンに見せかけるだけの社会をみんな望んでいるのか、って思うし、見えなくした方がヤバさは増すし手に負えなくなるんじゃないかな。
家に帰ったら仲俣暁生著『ポスト・ムラカミの日本文学』改訂新版(上の方)が郵便で届いた。元々昔出版されたもの(下の方)は仲俣さんにお会いした2008年ぐらいに買って読んでいた。
改訂新版を読むとあの頃よりは自分が小説を読むようになったから感じたり、考えることが違ってきそうだなと思うのでたのしみ。
火曜日はSpotifyで『アルコ&ピースのしくじり学園放送室P』(ゲスト:小野一光)、『あのと粗品の電電電話』が配信されるので夜は聴きながら作業をする。
『ランジャタイの伝説のひとりぼっち集団』が伊藤さんの活動休止で一ヶ月ほどお休みだったが今日から隔週だけど『ランジャタイ国崎の伝説のひとりぼっち集団』として復活になった。
本当にタイトルを回収してしまったこと、ダウンタウンのことをいじっていた(片眉になってダウンタウンを表していますとかやっていたetc.)ら、それらが自分に返って来てしまったことを国崎さんが話していた。
東野さんからのメッセージに込められていることとか、自分に起きていることをわりとエピソードトークでちゃんと話せているのがすごい、この人トーク力高いんだよなって改めて思えた。再開はとりあえずよかったので何とか続けてもらって、伊藤さんが帰ってこれる場所を維持してほしい。
9月4日
寝る前にNetflixで配信が開始された『トークサバイバー3』を三話の極道過去編までを観る。おぎやはぎがコンビで出ているのもいいし、怒鳴りながら誰かを褒めるというトークテーマは確かにおもしろい。
起きてからはradikoで『アルコ&ピース D.C.GARAGE』『JUNK 爆笑問題カーボーイ』『星野源のオールナイトニッポン』『あののオールナイトニッポン0』を流しながらいつもの始業時間からリモートワークを開始。
「あのANN0」は日付が変わって27時からの放送だったこともあり、あのちゃんの誕生日になっていた。サプライズでお祝いされるとどう対応していいかわからないというあのちゃんがずっとサプライズでケーキを出されるのを警戒しながら放送するっていう。去年も誕生日の時に対応を難しがっていたけど、うれしいのはうれしいのが伝わってきて微笑ましかった。
リモート作業中に実家からお米が届いた。お米はいつも送ってもらっていて、なくなったら連絡して次を、というサイクルになっている。前に送ってもらっていたお米が一週間ちょっと切れていて、台風とか諸々のタイミングもあって今日になった。
先々月にコロナになって、先月も体調を崩したりしたこともあって、お米を炊くことが減っていたので今回は消費が遅くなっていた。ただ、お米を食べなくなっていたことで体重が5キロほど減っていた。まあ、普段炊いた時に炊きすぎ&食べすぎていただけだとは思うから、今回から一回に炊く量を減らしていこうと思っている。米は簡単に太る。これは間違いない。マツコデラックスさんも言っていたけど、米を食う量に比例して太るし、どんどん痩せなくなる。
休憩中にようやく今日初めて家の外に出て駅前のスーパーに。惣菜を買ってきて、お米を炊いたので一緒に入っていたレトルトのカレーと一緒に食べた。前まではたいてい2合炊いていたので、1合にしたがそれでもちょっと多く感じた。
その後にリモートで作業をしていたが、異様に眠くなってきた。最近は昼ごはんはほとんど冷たい麺とかにしていてご飯をがっつり食べていなかったからなんだと思う。ご飯を食べたことで血糖値が急上昇して急降下して眠気が来るらしい。確かにご飯をちゃんと炊いてお昼に食べているときは眠くなることが多かった。これを機会にして一日のお米の量も減らしていけばいい。昼間に眠くなるのもしんどいし。
【フル】2人だけはあまりない! ゲスト:水道橋博士!! 気心しれた2人が2時間色々な話豪さんから博士への配信のアドバイス!そして新婚豪さんの結婚に博士だけ気づいてた!?
radikoで昨日深夜の番組を聴いた後は吉田豪さんのYouTubeチャンネルに水道橋博士さんがゲストで出ているものを流していた。ちょうどいい温度とトークの速さで、博士さんも豪さんの話もわかりやすいしおもしろい。やっぱりテンポとかによって二時間がちょうどいいなと思えるかどうかなんだろうか。
僕も五輪やW杯に興味を持たないからドブ住側だなあって思うけど、メインカルチャーが合わない人って居場所がないから、ちょっと変な先鋭の仕方とかひねくれちゃうことはあるんだよなと思う。人に攻撃とかしなければいいんだろうけどね。
【激震】「他人の人生の責任なんて取れない」永野が語るスーパースターに必要な条件とは!?【永野・鷹村の詭弁部、はじめました!#6】【スーパースターを唄って。】
今回取り上げた『スーパースターを唄って。』は早かれ遅かれ映像化するとは思うんだけど、実際に楽曲を作るトラックメーカーを誰にするかが一番大事だと思う。誰を選ぶかが監督やプロデューサーのセンスになるし、作品の出来に関わってくる。
地上波でやると微妙になりそうな気がする。近いものだとドラマだと『パリピ孔明』や映画『とんかつDJアゲ太郎』なんだろうけど、『スーパースターを唄って。』はそういうポップさがない。
現在の社会構造の中で這い上がれない(シャブ中の母親と最愛の姉を幼いことに亡くして、今はシャブの売人をやっている)主人公が唯一の親友が作ったトラックに乗せてラップしていく、だけではなく闇社会から抜け出そうとするが簡単には抜け出せることもないという物語なので、Netflixとか配信系の方がいいし、内容的に海外でも似たような環境で上り詰めたラッパーとかがいるので最初からそれを視野に入れたところが良さげ。
夜は読書してから自分のライティング作業を。寝る前にNetflixで『トークサバイバー3』の続きを見ていたら気になって最後まで見終わってしまった。今回で三部作として一区切りみたいな形になるみたいだったが、最後の最後にまだ続くの?みたいな部分がちょっとあった。これは「佐久間宣行ANN0」で千鳥がゲスト回で大悟さんが言っていたのはこれかとわかった。
正直トークはおもしろくて笑ったんだけど、やっぱりドラマパートがキツいと感じてしまった。いろんなジャンプ漫画とかのオマージュとか設定をパクっている部分とかもギャグ的にやっているんだろうけど、それがあんまり機能していない気がしてしまった。たぶん、僕がそれらの漫画を読んでいないし、興味ないせいでそう感じただけかもしれない。
長渕剛主演ドラマ『とんぼ』は大悟さんが好きだから、オマージュするのも30年ぐらい前のものでネタにはなっていたし笑いにもなっていたけど、最近のジャンプ漫画の設定とかって実際にそれらの作品好きな人はおもしろく感じたのだろうか、どうなんだろう。一回見終わるとあとは寝る時に流しているとちょうどいい感じになる。僕は寝る時に無音よりは人が何か話している声がちょっとぐらい聞こえている方が眠れるから。
9月5日
7時過ぎに目覚ましが鳴って起きる。可燃ごみを捨ててから朝のルーティンをする前にGoogleカレンダーとYahoo!の天気予報を見る。
週末に予定を入れすぎた気はするが、来週の予定を考えるとそこに入れるしかなかった。うまく予定をこなせるといいのだけど。
8時半過ぎに新しいスニーカーを履いて散歩へ。新品だからというのもあるが、クッション性が高いこともあって一歩ずつの地面との衝撃の感覚とかが違って心がウキウキする。
代官山蔦屋書店へ着くと文芸誌『群像』のエッセイやコラム系の書籍の特集コーナーができていて、「像」を象ったものが置かれていた。
散歩の行き来で『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』を聴いた。いろんな人たちが心待ちにして楽しんでいたのがわかる文章や画像をSNSにあげていた 小沢健二『LIFE再現ライブ』のことを佐久間さんがフリートークでしっかりと話していた。
佐久間さんと一緒に行った人に共感するオザケンファンもたくさんいそうだなって思ったり。90年代に東京に憧れた地方出身者だった若者と現在中年になった彼らを結ぶエピソードとその時間の連なり、普通にこれがエッセイだったら年間ベストエッセイに選出されそうな内容だった。
小沢健二 - ぼくらが旅に出る理由(Single Edit)
僕自身は当時『HEY! HEY! HEY!』に出たりしているオザケンぐらいしか知らなかったけど、ちょっと上のお兄さんやお姉さん世代はリアルタイムでフリッパーズギターから小沢健二とコーネリアスを聴いている人が多かったことを上京していわゆる文化系の人たちと知り合いになってから知ることになった。
20代の中頃から30代の頭まで付き合っていた彼女さんはオザケンの大ファンだったので、復活ライブになった『ひふみよ』東京公演が取れずに最終になった福岡公演だけが取れて、福岡サンパレスで一緒に観た記憶はある。不思議なのは福岡だからたぶん新幹線ではなく、飛行機で行ったはずなんだけど、どうやって行って帰ったかまったく記憶にない、書いていて不思議だ。
小沢健二は元カノさんや知り合っていくことになった文化系界隈の人たちが好きだから知っておこうぐらいのアーティストではあった。だけど、佐久間さんがラジオで話されていたように本当に多くの人たちの人生に影響を与えてきたし、生きる支えになっていたんだなということは感覚としてわかる。
佐久間さんのトークを聞きながら、もう苗字が変わっている元カノさんは武道館ライブには行ったのだろうか。なんか観に行けていたらいいなと思ったぐらいには時間は経っている。
夕方までライティング作業をしてからトワイライライトに行って、荒井裕樹著『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』を購入。
以前に『ダ・ヴィンチ』を立ち読みしていたら夏帆さんが荒井さんの著作『まとまらない言葉を生きる』を紹介して気になったので読んでみたら、これは確かに人に勧めたくなるし、実際に読んでみていい本だなって思った一冊だった。
新著も文章に関するものらしかったので読んでみたいなと思っていた。数日前にトワイライライトで入荷して店主の熊谷くんが書籍の一部を朗読をしていたので、ニコラに行く時に買うつもりだったという流れ。
『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』を持って、そのまま二階のニコラでナガノパープルとマスカルポーネのタルトとアルヴァーブレンドをいただきながら冒頭を読む。
ナガノパープルはたぶんニコラで初めて食べて、毎年この時期にタルトで食べている。梨が一番好きだけど、ブドウも好きなので本当に食べられるとうれしい。
家に帰ってからとりあえず、数日前に書いていた「月刊予告編妄想かわら版」の原稿をリライトした。わりと直す部分はそこまで多くなくて思ったよりも早く修正が終わった。そのまま請求書を作成してコンビニに行ってプリントアウトして、それにハンコを押したものをスキャンしてデータをスマホへ。明日もう一度送る前に原稿を確認して一緒に編集さんに送るという月に一回の作業。
だいぶ前にプリンターが壊れてしまって、今のところは家になくてもいいかなと思ったのはアプリを使ってセブンイレブンのコピー機で印刷するのが楽だしお金もそこまでかからないからだった。
白黒のコピーが今までは一枚10円だったが、9月から料金改定で20円になっていた。カラーにすると一枚50円らしい、なんだか世知辛い。
家に帰ってきてからは『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』を含めて、今読んでいる本と一緒に読書をした。
9月6日
7時過ぎに起きてからradikoで『四千頭身 都築拓紀のサクラバシ919』『ハライチのターン!』『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』と続けて聴きながら「ハライチ」ぐらいでリモートワークを開始。
出退勤システムが変わったのだけど、自分が使っている会社のPCとログの方がうまくいっていないらしい。PCが作業時間中に起動しているかを確かめるためにログを取りたいというのも分からなくもない。かと行って会社に出社しても社員や派遣やバイトが全員きても座れないレイアウトにしているのに、家でサボるなよみたいなことを言われても人間はほどほどにサボるし、どこにいても出社しても息抜きをすると思うんだけどなあ。
個人的にはやるべき作業を集中してやってしまって、残りはボケーとしていてもいいと思うし、年棒性でも時給制でもそこの時間はしっかり給与を出しているところのために働くべきだというのも当然だろうけど、その個人の時間を囲うために払っている金とも言えるから、その時間の中でやるべきことをやっていたら問題はないと思うし、そっちの方が働く側は心身ともに壊れなくて済むのに。
ロボットでもオイル切れたり、壊れたらメンテナンスしないといけないように、人間は隙間や余分な何かがないとわりとすぐに壊れてしまうということは無視されているというか、年々そういう部分を排除していってるからギスギスした余裕のない世界になっていると感じる。
昼休憩の時に駅前のTSUTAYA書店でチャールズ・ブコウスキー著/中川五郎訳『くそったれ! 少年時代』新装版を購入。河出書房新社のサイトを見ると10月に『詩人と女たち』も出るからそれでこれまでに河出文庫で出ていたブコウスキーの文庫は全部リイシュー完了されるんじゃないだろうか
チャールズ・ブコウスキー著『死をポケットに入れて』『くそったれ! 少年時代』『勝手に生きろ!』新装版は並べてみると繋がっている。に来月の『詩人と女たち』が『勝手に生きろ!』横に入って表紙の繋がっている絵も完成かな。「DON'T TRY」と掘られているブコウスキーの墓も絵のどこかに出てきそう。
18時にリモートワークを終了してすぐに家を出て渋谷のル・シネマ宮益坂へ。歩いて40分ぐらいなので19時からの山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』に間に合うように向かった。試写状ももらっていたけど、日程の都合もあって試写で観ることができていなかった作品。試写で観た人たちの評判が良かったので気になっていた。
映画好きの人の間では公開前から話題になっていた。公開初日の金曜日夜19時でもお客さんはそこそこ入っていたし、客層は二十代の若い人から僕ぐらいの四十代と全体的には若い感じがした。
ポスターの写真が「不機嫌な菩薩」みたいな顔をしている河合優実さんで、一気に世間的に知られたドラマ『不適切にもほどがある!』、主演映画『あんのこと』、アニメ映画『ルックバック』の声優と快進撃というかもう「河合優実の時代」じゃんというぐらいの大活躍になっている。特に2024年は河合優実という名前が今までの映画好きは知っていたけど、世間にはバレていないなということが終わって一般の人にも知られる俳優になった一年だったと思う。
誰かが裏『花束みたいな恋をした』みたいな作品だとSNSに書いていたのを見たが、予告編でも河合演じるカナが「映画なんて見て何になんだよ」と言っているシーンがある。確かに彼女は映画とか漫画とかそういうカルチャーはまったく興味がないし、そこに何も求めていないのがわかる。その意味でもそういうカルチャーが軸にあった「花束」とは真逆だし、カルチャーが必要ではない人たちのリアルは描かれている。とも言えるかもしれない。
河合優実という存在が溢れんばかりで、走っているカナ、彼氏とイチャイチャする可愛いカナ、彼氏をボコボコにするカナ、無愛想に脱毛エステの仕事をしているカナ、すぐにタバコを吸うカナ、精神的に不安定になっているカナ、などいろんなカナが描き出されるのだけど、僕はほとんど感情移入ができなかった。こういう女性は間違いなくいるし、リアリティはあるのもわかる。その意味で今の河合優実が演じることで目が離せないカナがスクリーンにいる。こういうヒロイン像は日本映画には今までいなかったかもしれない。そのことも試写で観た人たちが評価している要因なのだろう。
二時間少しの上映時間だったが、自分がノレていないなとわかったのは座っていてケツが痛くなってきて、何度も座り方を変えたりしたから。集中して観ている時は痛くてもそういうことが吹っ飛ぶし、気になっていてもそちらに意識はあまりいかない。でも、無理だった。
河合優実のブレイクした年として2024年は記憶されるとは思うけど、正直『あんのこと』も『ナミビアの砂漠』も僕はあまり響かなかった。前者に関しては特にあそこで描かれたことと出演者や製作の人たちのことが僕の中で結びついてしまってちょっと物語以外のことで納得できなかったりしたこともある。
新しい日本映画みたいな言い方もされているけど、僕の感性の問題が大きいのだろうし、二時間を越えている上映時間だったけど90分ぐらいだったらって思うところもあった。
カナのメンタル的なことに関しての描写とか彼女の家族関係とかもちょっとだけ出てきたりする部分とかも全体像はわからないけど、ちゃんと観ている人に想像させたり同化させる部分もあって、自分ごととして捉えることができる人にとっては大事な作品になるのかなあ。
時間が経つにつれて手持ちカメラでの映像が固定になっていくんだけど、それはカナが客観性を持ってくることに合わせているというのをSNSで見て、なるほどなあって思った。やっぱり僕はこの映画をちゃんと観れていないのかもしれない。
帰りのスクランブル交差点。海外からの旅行者も多いし、道玄坂を上って交番を過ぎるまでは歩道いっぱいに人がいるから邪魔くさい、もっと早く歩くかどうかしてほしいけど、そんなこと言っても仕方ないから諦める。
家に帰るまではSpotifyで配信されたポッドキャスト『トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画』を聴きながら帰った。当たり前のように下ネタをいう番組これぐらいじゃないかな、今。
9月7日
7時に起きてからradikoで『きしたかののブタピエロ』『JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD』を聴きながらライティング作業を開始。夜はもう作業関係がまったくできないスケジュールになっているので、昼前に家を出るまでしっかりやる。
横浜の関内にあるKAATに行くので中目黒駅まで歩いてそこから東横線でみなとみらい線直通で日本大通駅まで。中目黒駅に行くのも渋谷駅に行くのもさほど歩いて行く距離は変わらない。
行きは『三四郎のオールナイトニッポン0』をお供にして、先週のゲスト二人の話から武道館ライブのグッズ販売がそろそろ始まる話や広島での頑固親父がやっている寿司屋の話などなど、いつもの通常回で温度もちょうどいい感じ。
「三四郎ANN0」の三大古典話的な扱いをされている『鳥人間コンテスト』の最新回の話で二人が盛り上がっていた。何度も聞くエピソードは確かに古典みたいになっているけど、「伝説のミスタ―鳥人間」こと大木祥資さんが失敗した時に叫んだ「飛び降りろ!」という話は何度聞いても笑ってしまう。今回小宮さんが以前参加した時にお世話になった大木さんたちのチームが大会最長記録を達成したこともあり、その「飛び降りろ」話も含めて話している三四郎の二人が楽しそうなのもいいんだよなあ。
パリパラリンピックの金メダル速報が入っていつも通り小宮さんが読んだが、「ANN0」パーソナリティーの中では相田さんとマヂラブ野田さんのみが速報を読めていないという話も出ていた。次の五輪はロサンゼルスなので深夜帯には決勝戦はおそらくする時間帯ではないので金メダル速報はそれ以降の大会では無理ということになっていた。
四年後はまだレギュラーの可能性が高いと思うけど、八年後はさすがにレギュラーで安泰とは言えないというか見えない。ラジオの世界もだし、三四郎がどういう活動になっていくのかわからないから。
俳優の あぞの は「四季を通して撮影する映画」に出演している。
そんな中、自分の表現ができなくなった あぞの は、新たなマネージャー、恋人、友達の影響をうけ、前に進もうとするが、撮影を断念するか続行するかの決断を迫られる。
この物語を通して、今愛せないもの、数々の記憶たち、川や森や人が今愛せるものへと変化をとげる。
同時にそれは今までの あぞの を否定することでもあった。
ずっと自分と向き合ってきた あぞの に教えてくれたものは?
これは俳優と俳優の愛の物語だ。
「演じるということは第三者的である」
KAATの五階大スタジオで友人Tと待ち合わせをして、作:倉本朋幸/小路紘史 演出:倉本朋幸によるオーストラ・マコンドー『信頼と他と』を鑑賞。
僕は前回の吉祥寺シアターで上演した『応答せよ、魂深く』に続き二回目。友人Tは12年ほど前に舞城王太郎の小説『好き好き大好き超愛してる。』を舞台化したものを観て以来ということだった。
基本的にはお互いに俳優で交際しているあぞの(深川麻衣)と彼氏(後藤剛範)のマンションのキッチンとリビングがメインの舞台になっていた。新マネージャー(湯川ひな)とあぞのの友人(小川暖奈)がそこにたまにやってきてやりとりをする。
あぞのは終始不機嫌そうに見えて、昨日観た『ナミビアの砂漠』のカナっぽいなと思った。どちらもそのリアリティは感じるし、わかるんだけど作品の時間が長いのも近かった。この舞台は二時間二十分ぐらいあったが、正直長くて最後の方はしんどかった。
一時間半ぐらいで終わっても良さそうだし、シリアスなカップルのやりとりとかセリフとかもあるのに、新マネージャーと友人はそのリアリティーラインを壊すようなコントみたいなテンションで話したり動いたりするし、何度か彼氏もその状態になったりするので、どっちがやりたいのか、あるいは演出の照れ隠しなのか、よくわからないし、そこが魅力ではなく話に乗れなくなるポイントにもなってしまった。リアリティラインがどこにあるのかわからなかった。
部屋の奥の横開きのカーテンシャッターの向こう側に季節を感じさせる桜だったり、ススキが設置されて四季折々を感じさせるのはちょっと幻想ぽくてよかった。そちら側に行ってからの登場人物たちのセリフや行動が現実なのか、夢想している状態なのかどうだったんだろう。シャッターカーテンを開けてススキがいっぱいになっているシーンで終わったかなと思ったらそのあともわりと長く感じた。
あぞのたちが俳優というのはわかるんだけど、どのクラスだったりどのランクの役者なのかがあまりわからなくて、それもあって生活とかもどうやって成り立っているのかわからない。そこそこの生活ができているなら売れている俳優なのだろうし、月9主演俳優が彼女がプロデュースしている作品に出たいと言っているみたいなセリフがあったから、世間的には顔も名前も知られているっぽいのだけど、外部の人がいないのでそれが掴みにくい。二人とも韓国とかアメリカの作品に出演するためのオーディション動画を撮っていて、韓国語や英語も話せるっていうのでそこそこ海外でもいけそうなって感じは出てるんだけど、挑戦しているだけでまだ仕事しているわけではないなら、そこもどこぐらいかは把握できない。
彼女が自分でプロデュースしている「四季を通して撮影する映画」には彼氏も出演していた。そしてその作品のためにお金を出してもらっているスポンサーの話もあったりしたけど、諸々とそんなに簡単ではないだろうし、そこのリアリティが一番わかりにくかった。具体的なお金の話とか出さないほうがいいだろうけど、そのせいでちょっとファンタジーみたいな、本当に作っている感じがあまりなかった。
観終わってから感想を言うのも兼ねてビールが飲みたいとリクエストして横浜ビールというお店に連れてきてもらった。終始お客さんがやってきていて大人気みたいだった。地元の横浜ベイスターズは巨人戦を東京ドームでやっていたので店内のモニターに試合内容が映し出されていた。
最後は逆転ホームラン打たれて負けていた。ホームの球場付近はベイスターズの試合がないのに人がたくさんいて、同じようなTシャツを着ているなって思って見てみるとどうもポルノグラフィティのライブがあるみたいだった。おかげで最初に行こうと思った球場近くのビールがメインのお店はポルノのファンが並んでいて入れなかった。
ビールを四杯ほど飲んでソーセージとかつまみに食べていい時間になったので、馬車道駅まで送ってもらった。電車は遅れていたけど、19時過ぎの東横線の副都心線直通に乗って新宿三丁目駅へ。久しぶりに足を運ぶことになったK’s cinemaへ。
K’s cinemaにて『平家物語 諸行無常セッション』初日トーク(古川日出男、坂田明、向井秀徳、河合宏樹監督、司会・安東嵩史)付きで鑑賞。年齢層は二十代ぐらいから六十代ぐらいと幅広かったし男女率も女性が少し多いぐらいかなあ、Tシャツとかトートバッグを見た感じだとZAZENBOYS 、向井さんのファンが多めだったかな。
初日満席(祝)、竹林寺で目撃した者としても、彼岸と此岸の狭間にいるような空間がスクリーンに現出していたと思う。13 日まで上映していて毎日上映後のトークやパフォーマンスがあるので、河合監督とスタッフの皆さんは大変だろうけどがんばってほしい。
下の竹林寺に行った時のものに書いているけど、「あの場所に居て観ることに意味があるとしか言えないものなはずだ」というのはそうだと思う。実際に音は空気の振動で伝わるから、あの場所に居て感じることや一回性の凄みはあった。
同時にあの場所に居るから捉えきれていないものや見えていない、聴こえていないものがカメラやマイクに映ったり撮られていることもあると思う。ずっと古川さんのパフォーマンスを撮影してきた河合さんだからこそそれを捉えていたらわかるはずだし、今回映像として残せたんじゃないかなと思っている。
トークの最後には「盛者必衰ブルース」セッションに突入。どうしてもトーク用のマイクだからある程度音量が超えちゃうと割れるというか聞き取りにくくはなったけど、三人だからこそできる即興セッションだったし、カッコよかった。
2017年5月28日 高知県・五台山竹林寺
古川日出男×向井秀徳×坂田明『平家物語諸行無常セッション』を観に八十八ヶ所のひとつである竹林寺に。高知駅から1時間20分ほどだったのでのんびり歩いていく。
知らない町の知らない道、やがて川沿いを歩く。海に注ぐ川沿いの景色、潮の匂い、地形、船なんかは高校が瀬戸内海の面する笠岡市だったし、親戚が福山の鞆の浦で漁師だったから知ってるような気がする。
北アイルランドもロサンゼルスも福島も月島も地元の井原市も、車社会として整備された近代の町はどこかはじめてという気がしない。僕以外のものはなにもないような、僕以外のものがすべてあるような、いろんな町の道を歩く度に思う。
地図アプリを見ながら歩いていく。日曜日の町で歩いている人はいない。途中で竹林寺にいく道が明らかに山道、石段があって途中の木に「へんろ」と赤字で書かれた布があった。
祖母がよく八十八ヶ所、お遍路さんをしていたからこの道も祖母がかつて歩いたはずの道だろう。山道は涼しい、陽が当たらない道はひっそりとしていて生き物の気配がない、天狗が出てきそう。
開場より30分前には着いたので竹林寺の中に。撮影に来ていた河合さんがいたので挨拶したら、メルマ旬報チームでもある松原隆一郎さんもいらしたのでご挨拶を、古川さんの奥さんの千枝さんにもご挨拶して立ち話。
整理番号入場のために駐車場近くで待機。いとこのだいちゃんの車でやってきた浦谷さんに会ってお二人と少し話を。
開場して真ん中、六列目ぐらいのイスをget。トイレに行ったらThis is 向井秀徳いるし、ザゼンのベース吉田さんもいるし。終わったら吉田さん物販してた。
最初は向井秀徳ソロ、寺でのライブでも「繰り返される諸行無常 よみがえる性的衝動」「くり、くり、くり、くりくりくり繰り返される諸行無常」と『6本の狂ったハガネの振動』をやる。『Water Front』は桂浜的な歌詞に、『魚』も、『ふるさと』も陽が落ち始めた境内に合う、琴線にどうしても触れてしまう。『MY CRAZY FEELING』もね。『天国』が鳴り響く。
あなたがいれば そこは天国
あなたがいない そこは地獄
あなたがいれば 地獄も天国
あなたがいない 天国は地獄
次は坂田明さん。サックス漫談かと思うぐらいにトークでお客さんを笑わす、歌うしサックスでも歌う。ずっと第一線にいる人はキュートでユーモアがある。サックスめちゃくちゃカッコいいしさ。なんかズルいよね。
古川さんが出てきて、盛者必衰諸行無常の響きありと。『平家物語』のあまりにも有名な冒頭。我が物顔で政を自分達の都合のよいことで押し通す、他者の言葉に耳を貸さないものはどんなに栄えても必ず滅びるということ、いまの安倍政権が浮かばない人はいないだろう。
向井さんと坂田さんとの諸行無常セッションが始まる。坂田さんが原文を読み、古川さんが訳した文を、時には英語が、向井秀徳がエレキを鳴らし、坂田さんが原文を読みサックスが鳴る、古川さんは朗読パフォーマンスモード全開で、こちら側とあちら側を往き来してるみたい、重なる原文と訳した文、楽器の音がこの場所をこちら側とあちら側の境目に呼び込んでしまうみたい。
心地よくてうとうとして彼岸に連れていかれそうになると、いきなりぶん殴られて此岸に引き戻されるような感覚、ロスで観た『耳なし芳一』の時みたい。ゴーストの囁きが混ざる、過去と現在が混ざりながら爆ぜる。
古川さんが朗読パフォーマンスの時にあっちに行ってしまうと思うあの感覚。
アンコール『自問自答』が歌われながら同時に『平家物語』の最後のほう、琵琶法師が歌え歌え琵琶を鳴らせと!
途中から古川さんアドリブでマイクに向かっていたと思う。
とんでもない異空間になっていた。あれは映像で観てもすごいだろうけど、あの場所に居て観ることに意味があるとしか言えないものなはずだ。
終了後に松原さんと感想を立ち話して、行きが偶然にも一緒の飛行機だった管啓次郎さんと関戸さんが千枝さんと話されていたのでご挨拶を。古川さんは関係者の方々やいろんな方と話をされていて顔を出せそうにないからご挨拶はできなかった。まあ、仕方ないよね。『犬王の巻』の感想と共に後日メールしよう。
浦谷さんたちが車に乗っけて駅まで行くよーと言ってくださったので甘えて乗せていただく。
あの街灯のない山道とか夜は恐怖だろう、だけど昔は夜はそういうものだったんだ。琵琶法師には光が届かない、『犬王の巻』の友魚のことが浮かんだ。
『朗読劇銀河鉄道の夜』チームの皆さんと会えたのも嬉しいし、あの場所で『平家物語諸行無常セッション』観れて本当によかった。
――歴史の重力に縛られながら生きることを拒否し、身体に縛られながら生きていることを忘れた社会で物語や言葉を発していくことの意味を、古川さんご自身はどのように捉えていますか?
古川 僕が本を書いていて読者に求めるのは、「最初から最後まで読んでほしい」ということです。魂を込めて作ったものであれば、最後まで読めばきっとその人の中の何かが変容する。そうしたら、その人が次にとる行動も変わるでしょう。時代に対して起こすアクションでも、状況に対して抱く態度でも、その人がそれまでとは違ったように動こうとする衝動の源になればいいなと思ってものを作っている。けれど、それが大局からこの時代にどんな意味を持つのかはわからないし、わかったふりをして意味めいた何かを言うことはできない。それができるのは陰謀論者だけです(笑)。
――最初から明確な意味や効果を企図してものを作るということは不可能ですものね。
古川 もちろん、例えば批評なら、この時代を背景として僕も気づかなかった意味を見出してくれればいいんだけど。ただ、作り手としては、やはり背後にどれだけ豊穣な無意識を抱えられるかが重要なんです。こちらの無意識の大きさだけが敗者、あるいは敗れざる者たちの存在とつながり、過去から連綿と続く集合的なものを現代に持ち込むことができる。
この『諸行無常セッション』はまさにそういうものです。向井さんがかき鳴らすテレキャスター、坂田さんが息を吹き込むサックス、僕の朗読が、それぞれの無意識から引き出されたものを空間に散りばめ、フィルムの向こう側に届ける役割を担っている。
映画上映とトークが終わってからはフロアで購入者へ全員にサイン会が始まった。司会をしていた安東さんがパンフというか副読本編集しているので、編集者的な役割をしていて、四人が座っていて一人ずつサインして行く、その時に少し話せる時間があった。
古川さんにはおつかれでしたと言って(なんか照れ臭かった)、坂田さんには最初にお見かけしたのが向井さんがゲストのミジンコについてのトークのB&Bでしたって言って、向井さんには武道館に行くので『Amayadori』やってくださいと話して、河合さんには公開おめでとうございますと伝えられた。
以前に古川さんのイベントでお会いしたことのあった方が並んでいると声をかけてくれたので少し近況を話せたのも嬉しかったし、千枝さんもいらしていたのでご挨拶をしてちょっと立ち話もさせてもらった。そのあとは副都心線で帰ろうとして歩き出したが、久しぶりに小田急線に乗って下北沢まで乗ってそこから歩いて帰ることにした。
トークの時に坂田さんが昼間に役者の柄本明さんとトーク収録みたいなのをしてきたと言われていて、向井さんが同じく今日下北沢の方に行った時に祭りをやっていてそこで柄本さんを見かけたと言われていたのが引っかかっていたんだと思う。確かに下北沢で一番見かける有名人は柄本明さん、あとは曽我部恵一さん。
古川さんがトークの時に坂田さんに演技することとかについて聞いている時にジャズメンの一人に「人間のクオリティ」が結局演奏に出ると言われたという話をされていた。たぶん、演奏とか朗読とかだけじゃなく、創作のどのジャンルにもそれは出るのだろうけど、生きる上で大事なことの一つだなって帰る時に脳裏に蘇ってきた。
9月8日
下北沢駅に着いてから歩いて家に帰ったらすぐに日付が変わって、1時過ぎには寝た。もし、昨日横浜行って新宿行ったりと動き回ったが爆睡して起きれないということもなく6時過ぎに目覚ましでちゃんと起きた。
来週というか9日以降はその週末までの平日は基本的に今やっているライティング作業の追い込み&〆切があるので映画とか行けないなと思っていた。それもあって週末公開で観ておきたかったフェデ・アルバレス監督『エイリアン:ロムルス』が観れるのは14日以降になりそうだなって、それもあって今朝もし起きれたら午前中を潰してもいいから観ようと思っていた。
そんなわけでradikoで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら7時過ぎに家を出て歩いてTOHOシネマズ六本木へ。一日10キロ歩くのを目標にはしているのもあって、六本木ヒルズまでだと片道7キロぐらい、週末で歩く距離は稼ぎたいという気持ちもある。最近涼しくなってきたなって思っていたけど、早い時間帯から気温は高くて1時間10分少し歩いたらかなり汗だくになってしまった。
前評判は本当か? 絶賛の嵐『エイリアン:ロムルス』の長所と短所を解説【宇野維正のMOVIE DRIVER】
10月公開のアレックス・ガーランド監督『シビル・ウォー アメリカ最後の日』にも主要登場人物の一人で出演していたケイリー・スピーニーが主演した『エイリアン:ロムルス』を鑑賞。お客さんは朝一の回で二十人ぐらいかな、さすがに『エイリアン』シリーズ観にくるぐらいだから二十代とか少なくても僕とか四十代以上とかが多かった。
アメリカで二週連続一位になっている『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の方が公開が先だったが、日本では逆になってこちらが先に公開という形。
IMAX上映の試写で「シビル・ウォー」を観させてもらったが、ケイリーが演じたジェシーという役どころはジャーナリスト四人組の中では一番若く、ほぼ見習いに近いキャリアだったが、かなり重要な役どころだったので印象に残っていた。彼女は主役の一人のリーに憧れていて報道カメラマンになりたい人だった。作中ではずっとカメラを持ってアメリカの内戦で起きていることを撮影していた。
今作ではエイリアンと戦う際にカメラではなく電子ガンみたいなものを撃つという形になっていて、一流のカメラマンは一流のスナイパーになれるというのを思い出さずにはいられなかった。実際に電子ガンはオートで標的に合わせてくれるので一流じゃなくても当たるんだけど。
映画の内容は「人生の行き場を失った6人の若者たちは、廃墟と化した宇宙ステーション「ロムルス」を発見し、生きる希望を求めて探索を開始する。しかしそこで彼らを待ち受けていたのは、人間に寄生して異常な速さで進化する恐怖の生命体・エイリアンだった。その血液はすべての物質を溶かすほど強力な酸性であるため、攻撃することはできない。逃げ場のない宇宙空間で、次々と襲い来るエイリアンに翻弄され極限状態に追い詰められていく6人だったが……。(映画.comより)」というように閉鎖空間でのエイリアンとの対決というか、逃げ切れるかみたいな話になっている。
この舞台設定が宇宙空間の植民地で働いているレイン(ケイリー・スピーニー)は規定時間をこなしても自分が働きたい星への移動も許されないなど、奴隷ではないけどほとんど人間扱いされていないような環境で生活している。だからこそ、そこを飛び出して違う星へ行くために「ロムルス」にあるポッドを使おうとしたが、そこにいたのはエイリアンだったという話。
レインにはアンディ(デビッド・ジョンソン)という弟がいるのだけど、彼は彼女の父親は作り上げたアンドロイドという設定になっており、パッと実は気の弱そうな黒人男性。ただ、彼がアンドロイドだからこそ「ロムルス」でも侵入してハッチを開けたり、重要なデータなどを知ることができるのはうまいやり方だなって思った。チップを入れ替えると彼の中のシステムがアップデートされるし、優先順位があって最初はアンディを守るというのが「ロムルス」を所有している会社の利益とかになったりもするという変化があった。そのことで救えるかもしれなかった仲間を助けないなど冷酷に見える行動をすることもあったり、ちゃんと物語において彼の役どころが機能していた。
仲間の中には妊娠している女性がいて、そのことでエイリアンが彼女の中に入り込んで生まれてくるのが!みたいなヤバい設定もあるし、話的にもレインが生き残るだろうなと思う内容ではあるが、彼女とアンディがなんとか生き残った先にもう一つ大きな展開が、最後のエイリアンとの戦いが待っていたりするのも構成が上手だった。ちょっとホラーっぽい要素もあって急にびっくりさせるような演出とかだったので若い世代にもウケそう。なんか思ってたよりも全然デキいいじゃんって思える映画になっていたので満足でした。
「シビル・ウォー」もあるし今作もヒットしているからケイリー・スピーニーが注目株だろうし、彼女の時代が来るかもしれない。アメリカで公開されてヒットしているようなので続編の可能性も高い。そうなれば、彼女がポスト・シガニー・ウィーバーとして「エイリアン」シリーズの新しい女王になるかもしれない。
帰り道も歩いて帰ったが、まあ汗が出るわ出るわ。35℃とかを越えるような酷暑でもないけど風があまりなくてちゃんと暑かった。家に帰ってすぐにシャワーを浴びたけど、水を出してもヒヤッとしないでちょっと冷たいかもぐらい、体が熱を持っていたし水自体もさほど冷たくなかった。
すぐにライティング作業をしようと思ったけど、横になっていたらウトウトしてしまって夕方まで寝落ちしていた。
目が覚めてからradikoで昨日の『川島明そもそもの話』ってゲスト誰だったんだろうと見たら、『地面師たち』が好評な大根仁監督だったのでそれを聴いてからライティング作業を開始。
休憩中に来月東北に行くので新幹線の時間帯を調べたり、宿泊するとしたらいくらぐらいかなって思って、泊まる日で駅前で探したら近くはほとんどなくなっていた。行く日が土曜日だからというのもあるんだろうけど、ほぼ一ヶ月前の時点で空室があんなにもなくなるかっていうぐらい部屋がなくなっていた。
たまに地方に行った時にしかビジネスホテルに泊まらないけど、何度か泊まったことがあるホテルチェーンが駅前にあったけど、ネットを見ても一室も残っていなかった。ここまでないとしたら、今日中にはどこか押さえてないないとヤバい。何度か泊まったことのあるそのチェーン系の駅近にあるホテルにダメもとで電話で空室を聞いたら、喫煙の部屋だけ一室だけ空いていたのですぐに取ってもらった。
最後に宿泊費を口頭で確認したら予想していた1.5倍以上だった。おお、週末だし高いねって思ったけど、それでお願いした。その辺りで大きなイベントがあるのかなあ、あんまり遠出をしないけど、やっぱりどこかに行くので一番高くなっているのは宿泊費なんだろう。新幹線とか飛行機みたいにある程度決まった金額というわけではなく、平日や週末、イベントごととかで価格帯が変動するし、部屋が少なくなれば上げても泊まるから下げる理由もない。
渋谷とかで海外からの旅行者をたくさん見るけど、やっぱり物価が上がって収入が増えずに税金は上がっている日本がどんどん貧しくなっているということがこの宿泊費が高いと僕が感じることにも表れていると思った。いやあ、仕事増やしてちゃんと稼ぎたい。金持ちとかじゃなくて行きたいところに行く時にお金とか気にしないでいいぐらいの余裕が欲しいし、そういう贅沢すぎないことができなく、手が届かない人が増えているのが現実なんだろう。日本が貧しくなったのは僕ら国民のせいではなく、間違いなく政治の失敗だしアベノミクスとか企業は潤ったかもしれないけど市民は恩恵を受けない、どこに行ったトリクルダウンとかワード、「失われた30年」の責任を取った政治家がいたのか? もう、いろんなことがおかしいのに声を上げることもないし、投票で意思表示もしない。彼らからしたら最高だろうな、責任取らずにいれるんだから、で国民は自己責任とか自助を押し付ければいいわけだしね。
ano -「デリート 」ano TOUR 2024「絶絶絶蟆セ蟠惹ク也阜隕ウ絶絶絶絶險ア雖∝・ス絶絶対聖域」 仙台Rensa
9月9日
6時過ぎに起きてから可燃ゴミを出してから朝のルーティンを。昨日夜に『川島明のねごと』『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』も作業しながら聴いていたので、Spotifyで先週放送したラジオ番組を流しつつリモートワークを開始。
土曜日に放送された『有吉の夏休み 2024』はフワちゃんのシーンは全部カットされていたらしい、そこまで消さないとダメなんだろうかと思ってしまう。本当にフワちゃんがいた痕跡がなくなっていく、来年には彼女がいたこともみんな忘れてしまうかもしれない。それってすごく怖いことだと思う。
いろんなもののタガが外れてしまったあとにはこういう風景が広がっているのかな。フワちゃんの言動は確かに良くなったけど、叩ける人は叩いていないことにすることで誰が助かっているのか、何かの責任を取らないといけない人が取らない世界や社会があるのに、と思ってしまう。
今週一週間のスケジュールを見てみると平日の方が映画観に行ったりとか余裕がない。朝晩と作業を進めていく予定だけど、なんとかこなしたい。先々月と先月とモードを変えようとしたら体調を崩してしまったので、そちらも気をつけないといけない。
午後から出社して打ち合わせがあったので最寄駅から一本で九段下駅まで乗って、そこから歩いて竹橋へ。暑すぎないけど、風もちょっと生ぬるく気持ち湿気が昨日よりも多いがした。
久しぶりのオフィスは自分の作業と関わりがない人だとやりとりをしないため、もう誰が誰だかわからない。社員も派遣もバイトもいるし、Slackでやりとりや情報を伝えられているけど、アイコン自体も本人の顔出しをしているわけではないのでその辺りは一致しない。
会社に来る、帰るという移動時間を考えると普段リモートワークで自宅にいて出勤して退勤できるのは本当にありがたいなと思う。僕の作業自体がそこまで自分のいる事業部でも人と一緒にやることがないから、出社しても意味はあまりないというのもあるけど。
会社の系統が同じというか親会社が一緒に出版社の人とリアルな対面での打ち合わせがあったので、それで一時間ちょっと意見を出し合ったり企画の話し合いをした。
終わった後は帰るまで会社にいてもメリットないし、夕方過ぎに宅配便が届くので早めに帰って再度リモートワークをさせてもらうことにした。
竹橋のパレスサイドビルから九段下駅に向かう時の皇居のお堀沿いの柳なのか、この枝垂れ具合がなんだか風情があって好きだ。
高校生ぐらいの男子たちが練習ルートなのか必死に走っていた。僕が歩いていると通り越して行った二人組は一人がバテているみたいで、たぶん先輩なのかもう一人の男子が後輩らしき男子の背中に手を置くように、前に走るのを後押しするように一緒に走っていた。
17時過ぎに家に帰ってリモートワークを再開。仕事で送ってもらうはずのメールを待っていたが届かないので諦めてPCの電源を落とした。電車で帰ってきた時に買っていた惣菜と炊いていたご飯を一緒に食べた。そういえば、昼飯を食べていなかった。でも、昼過ぎにご飯食べない方が眠くならないし集中できる気がする。
ちょっとだけ読書してからライティング作業。
作業中にSpotifyで『83 Lightning Catapult』#135「謎のノリをするサウナの常連」が配信されたのを聴く。僕も『トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画』を聞き始めた時には配信が#100以上になっていたけど、一ヶ月ほどで最新回に追いついたが、今回は少し前から#1から聴き始めたリスナーから#47で話していたことってどうなりましたかって質問が来たりして、ポッドキャストだからこその質問だなって思った。
radikoとかで聴けるラジオ番組は最新回が更新されるまで期間だし、そもそも一回再生してしまうと二十四時間以内、全部で三時間まで聴けないため、初回放送とかを聴こうとすると違法アップロードか、ニッポン放送のアプリとかに課金して過去放送回を聴くしかない。Spotifyは曲とかは流せないし、一応過去のものもアップされていれば聴けるが、放送全部ではないのでなんか物足りない部分がある。
ポッドキャストの配信はそもそも曲を流せないし、トーク部分のみなので初回から聴いて追いかけようという気持ちにもなる。
9月10日
朝6時過ぎに起きた。すぐに起きるというわけではなく、横になってradikoで『空気階段の踊り場』を聴いていた。鈴木もぐらが北野武映画に出演しているというニュースはすでに報道されていたが、番組で言及していなかった。今回やっと出演したことと撮影のことなんかをトークで話していた。僕は北野武映画のいいファンでもないし、そこまで心酔していないのだけど、今回のはかなり観たいという座組だなって思う。
YOASOBIのオールナイトニッポン | ニッポン放送 | 2024/09/09/月 25:00-27:00
朝のルーティンをしてから散歩がてら、代官山蔦屋書店へ。オールナイトニッポンが今週一週間は「MUSIC WEEK」ということになっていて、いつもは『山田裕貴のオールナイトニッポン』の枠は、二年前に「ANN X」をやっていたYOASOBI が帰ってきた形で『YOASOBIのオールナイトニッポン』を担当していた。
「ANN X」時代もいつも聴いていたのでちょっと懐かしい気がしたし、二人とも陽キャだなって思った。陽キャ×陽キャだからこそエンタメど真ん中に行けるのかなって思ったりした。Ikuraとanoのコラボは陽キャ×陰キャの組み合わせだけど、その力がお互いに強くて相手の魅力を逆説的に見せることができたのかもしれない。
代官山蔦屋書店に行った時に明日発売の気になっている書籍が一日早く並んでないかなって期待していたが、やっぱりなくて何も買わずに帰った。家まで帰ったが、駅前の書店も念の為見ておこうと思って足を運んだ。一日10キロもあるので午前中歩けばいいやって気持ちもあって、汗だくになったけど。そこにもお目当てのものはなかったが、青木宣親&尾崎世界観著『青木世界観』という書籍が出ていた。
僕の周りにはヤクルトスワローズファンがなぜか多く、年齢的に僕の同学年は青木選手らしく、何度もその名前を聞いていたのもあったし、尾崎さんはかつて『水道橋博士のメルマ旬報』チームで一緒だったという縁もあったので同じ年の一流のスポーツ選手がどんなことを考えているのか知ってみたいと思って購入した。
広瀬すず×木戸大聖×岡田将生の愛はどこに行き着く?「ゆきてかへらぬ」ビジュアル2種
撮影前からちょっとだけ話に聞いていた映画のキャストが少し前に発表され、ビジュアルも公開になっていた。「劇中の衣装は「レジェンド&バタフライ」「碁盤斬り」の大塚満と、「PERFECT DAYS」「地面師たち」の伊賀大介が手がけた。」とあって、伊賀さんこの作品にも参加しているんだなって興味がました。
夕方過ぎにホワイトシネクイントへ向かう。『憐れみの3章』公開記念でヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』と『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』が上映されていて、『ロブスター』は2015年公開時に試写と劇場で観ているのだけどもう内容がちょっと朧げなのでこのチャンスに見直しておこうと思った。
当時「すばる文学賞」で受賞した『フラミンゴの村』という作品みたいな映画、純文学っぽいなって思ったのを思い出した。
小説はある日、妻がフラミンゴになってしまうのだけど、『ロブスター』はシングルの人間が45日間の間にパートナーを見つけられないと動物に変えられてしまうという設定で、主人公のデビッド(コリン・ファレル)の兄は失敗して犬になっていて、デビッド自身は失敗したらロブスターにしてくれと言っていた。
近未来のこの物語は独身者は捕まえられてホテルに送り込まれて、そこでパートナーを見つけないと動物に変えられて森に放たれるという設定になっていて、最初はデビッドがホテルでなんとかパートナーを探そうとするパート、そこから逃げ出して独り者たちが隠れている森で彼らの仲間に入れてもらうが、そこでは恋愛が禁止されていたが彼はある女性と恋に落ちてしまう。
全編において終始不穏な気配が漂っていて、誰かと恋に落ちることとは、社会が求めるものとそれを拒否するという姿勢、ルールを遵守することと破ってしまうこと、性的な衝動と理性的であること、いろんな対比がいくつものレイヤーで重ねられていて何がいいか悪いかではなく、あなたはどう思う? あなたならどうする? みたいな問いを終始突きつけられているような居心地の悪さがある。それがどこか抜けない棘のように引っかかってしまう。
他人の悪意や思想が染み込んできて侵食されるような違和感みたいなものが純文学だと思うんだけど、この映画というかヨルゴス・ランティモス監督にはその要素が強いと思う。久しぶりに見たのでラストシーン辺りの件を失念していたが、観客に委ねている終わり方で本当のこの監督は性格悪いなって思った。いい意味で。だって、こんなん観たら次も映画やるってなったら怖いものみたさもあって観に行ってしまう。
渋谷の行き来で火曜日更新のSpotify配信ポッドキャスト『アルコ&ピースのしくじり学園放送室P』(ゲスト:藤原麻里菜)、『あのと粗品の電電電話』を聴いていた。この二番組はテンションというか温度感は違うんだけど、安心感がある。「アルピー」は平子さんがしっかり回していて、酒井さんは抑えている感じ、「あの粗品」は実際のリアルタイムよりはちょっと前のことを話しているけどドキュメンタリーぽさがある。
9月11日
6時に起きてから早めに朝のルーティンを開始。radikoで『アルコ&ピース D.C.GARAGE』と『JUNK 爆笑問題カーボーイ』を作業用BGMとして流していた。そのままリモートワークを開始して、引き続き『星野源のオールナイトニッポン』と『あののオールナイトニッポン0』を聴きながら。
「星野源ANN」は星野さんが影響を受けた曲を10曲流すというミュージックウィークならではの企画、「あのANN0」は普段のパーソナリティとしてのひらがな「あの」ちゃんではなく、アーティストのローマ字「ano」としてやろうとしてたのもあって、この番組では久しぶりの弾き語りを二曲やった。途中から「あの」と「ano」が入れ替わるような感じになっていて、普段の番組のテイストになっていったかな。でも、自分が選曲した曲に繋げるトークとかキャラ変をしたりとかやっぱりトーク力もあるし、ラジオは安定感が出てきているしおもしろい。
昼休憩の時に今日が発売日の書籍が出ているかなと思って駅前の書店に行ったがなくて残念。ちょっと一般的じゃないし、刷数もそこまでではないだろうから、大きな書店とかに行かないとなさげ。
夕方過ぎまでのんびりと作業をしていたが、洗濯物がすぐに乾くぐらいまだ気温が高くて、休憩中に外に出た時も汗はけっこうかいた。秋はまだとしてもこれは残暑かなり残る感じなのかな、とちょっと不安。
永野「残りの人生は振り返るだけでいい」ヴィレヴァン長谷川とあの頃の【最強の映画】を語り合う【永野・鷹村の詭弁部、はじめました!#7】
仕事が終わってから、SNSにこの動画がアップされていたことが告知されていたので見た。長谷川さんと長野さんがヴィレヴァンでロケしていた前の動画での相性の良さもわかっていたけど、今回も話が合いすぎてどんどん話が展開していたし、永野さんも楽しそうだった。
ひと休憩してからライティング作業を開始。
寝る前に村上春樹著『女のいない男たち』収録『ドライブ・マイ・カー』を読み返した。まえがきで村上さんが原稿用紙で80枚ぐらいと書いていた。こういう数字があると把握しやすくて助かる。
映画『ドライブ・マイ・カー』は劇場で三回ぐらい観に行くぐらい好きな作品だけど、この短編小説と映像の違い(濱口竜介監督が他の短編の要素や長編映画にするために足した部分との差)もわかっていて読むのもあって、淡々としているし、メインの登場人物はほぼ二人なので視点があまり動かないけど、車は動き続けていてその描写が自分は好きなんだなってわかった。
9月12日
6時過ぎに目覚ましが鳴るが、まだ起きたくない。という気持ちがあって昨日見たTVerでの『あちこちオードリー』を流して横になってセットした時間から一時間に再セットして目を閉じていた。再び目覚ましで起きる。
朝のルーティンがてらライティングをしている時にふと思った。最近ずっとライティングで書いている作品を応募する先ってこれでいいんだっけ?と。今更のことを。新人賞というのは最終に残れば選考委員の作家さんに読まれることになる。今書いているものを出す予定の賞の選考委員さんには正直思い入れが何もない。だからダメなんだって、書く以上は読まれたい。誰に読んでもらいたいかをこの何年か考えることをしなくなっていた。誰に読まれたいかを考えないとダメだ。
ライティング用のスケジュールを作っていたのでそこに入れている賞のサイトをいくつか見ていく。今やっているものに関してはこの人に読まれたいというものに変更した。そうすると他に応募したいものもドミノ式に動き出す。だとしたらこれを書くつもりだったというのが、違うなとなっていく。それぞれに誰に読まれたいか、あるいは別の理由があればそれを書き加えていった。今年中の、12月までのものがカチッときっちり決まった、ように思えるものになった。
9時前に家を出て朝の散歩で代官山蔦屋書店に。radikoで『羊文学のオールナイトニッポンX』を聴きながら。三人組だが、女性二人がパーソナリティーとして出演していて、二人ともどんどん話していくというタイプではなく、ゆっくりと感じられるようなペースだけどトークをしていた。
羊文学のライブは一度だけ観たことがある。下北沢のベースメントバーだったけど、ギリギリインディーズ時代で、そのライブでメジャーデビューしますという発表をしていた。
ラジオの中でも最近はアニメ『呪術廻戦』や『推しの子』の主題歌を歌っているので、それで知ってくれる人が増えていると言っていた。僕はその二作品とも原作漫画も読んでいないしアニメも見ていないので主題歌をやっていることを知らなかった。本当にこの国はもうアニメの主題歌を歌わない限り世間に知られないし広まらない、世界に届かないようになったんだな、あのちゃんの次の新曲も新しくやる『らんま1/2』の主題歌だったし。
蔦屋書店二階の音楽フロアに行ったら、この前写真集が出た時にイベントをやったあのちゃんのサイン色紙が置かれていた。写真撮っておいてなんなんだけど、このスタッフも近くにいない、ガラスケースとかにも入っていない誰でも触れる状態で置いてるの大丈夫なのか、油断しすぎじゃない?
お目当ての木澤佐登志著『終わるまではすべてが永遠 -崩壊を巡るいくつかの欠片-』が出ていたので買って帰る。タイトルも印象的でいいし、この装丁はカッコいい。
帰り道はSpotifyでceroのライブアルバム『Live O Rec』を聴いていた。日差しは強くて少し湿気があるから汗だくだくまではいかないけど、汗はかなりかいた。Tシャツの胸元あたりが汗で色が変わってしまう。このまま10月ぐらいまで暑そうだから、まだ日焼けしちゃうだろうな。
夕方過ぎてニコラに行ってピスタチオと木苺のブリュレとアイノブレンドをいただく。曽根さんと由賀さんからいい話を聞かせてもらって、いい時間を過ごせた。ブリュレを食べてからタバコで一服。コーヒーとタバコ、もうリラックス。
ニコラに行く前に世田谷郵便局へ行った。スケジュールを変えたこともあって、家にあったレターパックに書いた宛先が変わったりしたから。修正ペンで消して上から新しく描き直してもいいのかもしれないが、見た目も良くないし、何かが損なわれてしまう気がしてしまった。今あるものは修正ペンで消して上書きしたことを断って、知り合いとかに書籍を送ったりする時に使わせてもらうことにしよう。
窓口でレターパックライトを三つ購入した。その際に局員の人から「今月中に出しますか? 来月以降だと料金変わりますよ」と言われた。10月から郵便料金が改定されてレターパックライトも来月以降に出すのであれば60円分料金が足りないらしく、その分の切手を追加で貼らないと使えないらしい。今が370円だから来月からは430円になり、重量が重くてもいいレターパックプラスは520円から600円になる。そうなるとたまにしか使わないけど高い。仕事とかで定期的に使い人からしたらかなりの値上げを感じることになると思う。物価だけが上がって、賃金は上がらず税金は上がって手取りはどんどん落ちていく。
9月13日
7時前に起きて、朝のルーティンとして読書を進める。リモートワーク開始までにTVerで『アメトーーク!』の出川哲朗・還暦ナイト完結編を見た。二週続けての出川さんの還暦をお祝いする企画。
事務所の後輩でもある三四郎は横アリの「出川哲朗生誕祭」出演時の話題でも自分たちでもネタしていたが、小宮さんは出川さんとはマセキ三兄弟(次男に狩野英孝さんが入る)でいろんな番組に出ているが相方の相田さんはご飯も行かないし番組でも共演がほぼないから、今回は呼ばれていなかった。
僕が十代ぐらいの頃から出川さんをバラエティ番組で見てきているけど、出川さんと江頭2:50さんほど世間の評価が反転した人っていないと思う。抱かれたくない・気持ち悪い男性タレントとして常に上位だった人たちが、その芸をやり続けていき時代も変わっていって、その人間性で下の芸人さんたちやスタッフさんにも慕われていたことが伝わるようになった。
いろんな要素が絡み合っているからそう一概には言わない方がいいのだろうけど、世間の価値観なんて一瞬で変わることもあるけど、何年とか何十年で変わることもあって、その時だけの世間の評判や認識なんてそんなに信じられるものでもない、そのことをどこか心の片隅に置いていないと、周りや世間というものの空気に流されて、惑わされて本質が見えなくなることが多いんだろう。いや、大抵のことは本質に辿り着けずに自分の直感や見えているものが他人と違ったら隠してしまうことが多いのだろうけど。
リモートワークを開始してからはradikoで『四千頭身 都築拓紀のサクラバシ919』『ハライチのターン!』『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』を聴きながら、いつもの作業をやっていたが、そういえば月曜日が敬老の日だから三連休だわ、とわかって本来出勤する月曜日にやることを前もって準備してセットとかしていたらどんどん時間が進んでいった。
昼間に外に出たら暴力的な日差しがアスファルトを焼いていて、雲ひとつない青空が広がっていた。秋にはまだ遠そうだ。僕らが子どもだった頃は真夏でも30℃を越えたら猛暑だったけど、今年なんて30℃だったらまだ大丈夫ぐらいだなって思え雨ぐらいに気温の常識も変わってしまった。この暑さは外で何かをするには命の危険が高まってしまうから、子どもも老人も外に出ない方がいいってことになる。
ヤクルト 青木宣親が引退会見「100点満点の野球人生でした」 | NHK
昨日、ニコラに行った時に買った日の夜に読み終えていた青木宣親&尾崎世界観著『青木世界観』をヤクルトスワローズファンの曽根さんに渡していた。お店の常連さんにもヤクルトファンも何人かいるし野球好きもいるから、誰かが気になったら読めばいいやって思って。
あと装丁は二人の写真も使ってるけど、「青木世界観」という文字の使い方、カバーを重ねている感じが水戸部さんっぽいなって思ったけど、やっぱりそうだった。
今日になってその青木さんが引退するというニュースが出た。この『青木世界観』の中でも引退について触れていたが、この本を作っている(聞き手の尾崎世界観さんとの話の中で)時にはまだいつかということは決めていなかったのだろう。
イチローさんからもらったアドバイス、ヤクルトにずっと伝わっている野村監督のID野球の遺伝子のことなど野球をさほど知らない僕でもわかることもあった。選手としてどうやっていくかということに関しては肉体の面はもちろんだけど、かなり論理的に考えて考えて野球をやっていたのがわかる。そこにヤクルト大好きな尾崎さんが自身のミュージシャンという仕事との対比やファンに対しての想いや、一瞬という勝負のことなんかを聞いていくスタイルはとてもよかった。
会見にもサプライズで登場した後輩の村上さんに対しての青木さんの視線や指導なんかは彼のこと選手として尊敬しながらも、いつかメジャーに行って成功するためのメソッドというか心身ともに必要なものを期待があるからこそ伝えていったこともよくわかった。時には厳しくしていることなんかも同学年の人間として、中間管理職世代が下の世代とどう向き合うのかのヒントにもなりそう。
いい本だと思うし、引退する年に出たということもあるし、野球好きな人はもちろんだけど、そうじゃない人でも読むといろんな発見やおもしろさがあるから売れればいいなと思う。大学出てからずっとプロでやってきて、メジャーリーグでも活躍した人が現役を辞めるということ、自分は自分のやりたいことでプロにはなれずにずっといるから、そのことの不甲斐なさももちろん感じるのだけど、何かが終わって何かが始まって、何かが始まって何かが終わっていく、それがひたすら繰り返されていくということを考えた。
ひとつだけ劇烈であるのと同時に劇的に心身に刻まれて、ほぼ〈忘れる〉ことは不可能であるのは、向井秀徳との路上でのセッションだった。「やりますか」との声が向井さんから出て、私はたぶん「やりましょう」とは言わずに、うなずいたか、うなずきながら分厚いテキストを出すか、そういう反応をしていた。テキストは単行本版の『聖家族』だった。菊地信義さんが装幀の、あれだ。あの流亡のメガノベルだ。そして最後はフリースタイルだった。自分が試されていて、試されるのは愉しかった。かたわらに向井秀徳がいることが最高で、向井さんが猛烈に烈々と愉しげだった。5曲。深夜も深夜。
『古川日出男の現在地』速さと深さ 2024.08.24 – 2024.09.13 福島・東京・埼玉
古川さんのブログが更新されていた。冒頭では『群像』に掲載された『うつほ物語』がタイトルを変えて『超空洞物語』として刊行されること、そのゲラ作業と福島(と東北地方)を再び歩いていくシリーズ『あるこうまたあおう』の執筆についてだった。
『平家物語 諸行無常セッション』初日舞台挨拶付きの上映の後で向井さんと古川さんが路上でセッションしたのか、それは観たかったなあ。本当に観たかった。
#400【400回特別ゲスト!装丁家のレジェンド・鈴木成一登場】BOOKSTAND.TV|BS12
【<放送400回ゲスト!装丁家・鈴木成一>『桐島、部活やめるってよ』装丁の舞台裏とは?】YouTube版BOOKSTAND.TV|#41 前編
【<放送400回ゲスト!装丁家・鈴木成一>「本の個性を引き出す」鈴木さんの仕事術と時間管理とは?】YouTube版BOOKSTAND.TV|#41 後編
・全体像を正面から見て自分の歴史観を作っていくこと
---- この『まんがでわかるまんがの歴史』の表紙ってどんな感じになるんですか?
大塚 寄藤文平がやってくれて、それこそ構成主義と戦時下の関係を彼がデザインとして表現してくれている。
---- 『黒鷺死体宅配便』みたいなデザインなのでしょうか?
大塚 いや、それよりは『アトムの命題』に近いかな。もともと寄藤文平はR-25とかをやっていたデザイナーだから。彼が装丁を始めた直後から付き合っているんだけど、彼はいい意味で広告の人だから商品の中身をきちんと理解して表紙をデザインしてくれる。今回は構成主義やアヴァンギャルドの問題と戦時下の問題なんだよねって彼自身が言わなくてもわかっていて、それをどう表現するかってことに苦慮してくれているというところがあるのでありがたい。
---- あとがきでもアヴァンギャルドとか機械化とかについても書かれていますが。
大塚 あとがきに行く前に寄藤くんには渡しちゃっているから。でも、ちゃんとわかってくれる。『アトムの命題』のときにも大塚さんの言っていることは構成主義のことですよねって構成主義的な感じでアトムの絵を最初に描いて作ってきたからね。
彼には憲法の本だったり、黒鷺だとか頼んでるけど、黒鷺だったら人が生き返るけどコミカルな作品だからこれはリアリズムじゃないんだよねって。ある意味では劇画っぽい絵だけども紙で書かれたようなチョキって切っても死なないようなアトムの肉体、手塚的な肉体とは逆のことをやってるんだよっていうことがわかったから、表紙がペーパークラフトぽくなってる。そういう風にちゃんと論理的に説明できるようにデザインをやってくるのが寄藤文平のすごいところ。
---- そうなんですね、そう言われると大塚さんの本の装丁を多く手がけられている鈴木成一さんとは違うタイプの装丁デザインをされているわけですね。
大塚 うん、鈴木成一はまた別の意味で本を「読む」。なにか文系的にざっくりと本質を見抜く。江藤淳論の本の装丁、頼んだら、読んだら黄色の気がするって言って。黄色とかね、意味わかんないんだけど。でも、出来たら、ああ、これしかないって思うよ。
---- 鈴木さんは直感なんですね。
大塚 それが鈴木成一っていうデザイナー。寄藤くんは工学的なデザイナーなんだろうけどその理詰めのところで出した結論が非常にこちらとコミュニケーションできる工学系。鈴木成一は逆に説明してもわかんないけど、正しいからいいやっていう文系。気に入らない絵は絶対デザインしないとかね。
大塚英志インタビュー 工学知と人文知:新著『日本がバカだから戦争に負けた』&『まんがでわかるまんがの歴史』をめぐって(4/4)
---- 最後に『クウデタア 完全版』の装丁について聞かせてください。
大塚 表紙の絵は鈴木(成一)くんが選んでくれた。それは鈴木くんの基準の中で、西川の絵を絵として認めてくれたっていうのかな。それがうれしい。漫画の絵のキャラクターは苦手だっていうことを鈴木くんの装丁をまとめた本なんかのインタビューなんかでちゃんと公言している。確かに嫌がるんだよ。
---- それはどうしてもとお願いをしたら使ってくれるんですか?
大塚 まあ、線画をいじってキャラクターの絵を殺したり。そういう彼が今回はぼくが言わないのに彼が主人公のアップの絵をカバーに使ってくれた。それは単純に絵として彼は認めてくれたんだなって嬉しかった。
---- 初めてのことだったんですね。西川さんの絵はBDとしても通用してますよね?
大塚 うん、西川の絵はBDだって、フランスのいろんな出版社の人がはっきりと言っています。
---- それは何がそう言われるんですか? 線だったり?
大塚 例えば少女漫画の絵も一種の記号でしょ。西川の絵は記号に成りきれないし、記号になる絵を彼女は拒んでしまう。かと言って純粋なリアリズム方向に行くわけでもない。
---- そういう部分があるから大塚さんの作品と合うんですか?
大塚 だから、それこそ彼女は絵の中でまんがの記号的な絵に対して常に食い破ろうとするクウデタアを起こしてしまうような絵描きだから好きなわけ。
フランス人たちが『クウデタア』を読んで驚いたのは、Yが途中で髪の分け方を変えるのね。それをフランス人たちは書評や解説で大問題にしてさ、日本のまんがのキャラクターというのは髪型を固定しているはずなのに西川と大塚はそれを破って、まんがの表現の脱構築をしたって。いや、そうじゃなくて山口二矢(Y)は途中で髪型を変えているんでそれをやっただけなんだけどっていう。まあ、逆に言うと確かにそういうことなんだよね。
---- 日本的なまんがのキャラクター表現においては異様な事態が起きたと。
大塚 西川がやったんで革命的に見えた。例えば、『多重人格探偵サイコ』の雨宮一彦の髪をいきなり切ってと言うのは難しいわけじゃん。
---- 途中で章が変わった時に変わる感じでしたね。
大塚 そういう時のイメチェンというか、属性変更、プロレスのキャラ変更みたいな。『サイコ』の中でもキャラクター変更というかシーズンが変わったら微妙にリニューアルするわけじゃない。その中で髪型を変えるでしょ。眼鏡を変えたりね。でも『クウデタア』の中ではごく普通に髪を切っている。どんな大事件が起ころうとも日常の中で人は髪を切る。そんな風にして普通に髪を切っている。あとはキャラクターの設定。
---- わかりやすい変化ですよね。
大塚 急に眼鏡変えたり、髪型を変えたりして違和感がないわけ、西川の中では。
---- その話は面白いですね。髪型でキャラクターを固定しているというのは当たり前になりすぎていて、変えるということがないのでフランス人の指摘のように斬新だって言われてしまうことになるのもわかりますね。
大塚 だから、読んでいくと少しキャラクターの区別がつきにくかったりするというのはそういうことだよね。
---- そうですね、途中でこれって誰かなって思う箇所はありました。それは言われているように髪型が固定されてないのでキャラを一瞬見失うような感じもありますね。
大塚 うん、必要以上にキャラクター化されてないっていうか、そこは無頓着。
---- 個々の差異が前面に出て来ていないような感覚というか。
大塚 『東京オルタナティブ』の方がキャラ感、出しているでしょ。
---- キャラクターたちの特徴が事件解決に関わって来たりするのでよりキャラクター化しているというか。
大塚 『東京オルタナティブ』はエンターテイメントだから。
---- だから、置き換え可能なところで溶け合っているような感じですね。
大塚 一つのコマの中で向かい合っている人物がいたとしてもさ、入れ替わっても構わなかったわけよ。その時代の中でね。
---- 誰かがその人物になる可能性があったという意味で。
大塚 そのことが含まれている。表紙にも使われている最後のYの顔っていうのはそれまで全部出てきた少年たちの一体化したような顔なんだよね。KでもありMでもありYでもあり、それらが全部溶け合ったような顔みたいでしょ。
---- 『アンラッキーヤングメン』のモンタージュの顔みたいですね。だから表紙に鈴木さんが使ったんですかね。
大塚 600ページ近く描いてきた中で一番最後に一番いいカットが出てきたわけだよね、西川の中で。それをちゃんと鈴木くんがわかってくれて、アップショットを使ってくれたというところが、みんなはピンと来ないだろうけど長い付き合いだから「やったぜ!」みたいなね。文句一つ言わないでアップショットを持ってきてくれたってところがね。
---- 先ほども言われたように西川さんの最後に出てきた一番いいカットの意味もありつつ。
大塚 それは本当に嬉しかったよね。
大塚英志×西川聖蘭『クウデタア 完全版』刊行インタビュー:アンラッキーなテロ少年と戦後文学者をめぐっての雑談
僕は書籍も基本的にジャケ買い的に装丁で買って新しい作家さんとに出会うことが多く、自分がダサい、金を出したくないという装丁だと話題になっても買わない。信用できる人がオススメしてくれたり紹介していたら嫌だけど読んだりはする。
自分が手に取ろうと思えない装丁な時点でそれを読んでデザインしたデザイナーが感じたこととそのセンス、それをOKする編集者とは合わないし、そもそもそうなる内容ならまあダメなことがほとんど。
オススメされたものは食わず嫌いして読んだり観たりするというのは伊集院光さんか太田光さんがラジオで言われていて実践するようになったから、たまにオススメされたものですごい作品に出会った時はデザインさえこんなんじゃなければと思ってしまう。
でも、当然ながら自分のそういうセンスが時代とズレてるんだろうなとかも思う。売れてる本で装丁買いしたものなんてほとんどないし、「本屋大賞」候補作なんて装丁を見ただけで読まなくていいやっていう気持ちになる。
鈴木さんの名前を知っていたのはそもそも大塚英志原作×田島昭宇作『多重人格探偵サイコ』のデザインだったし、大塚さんの書籍の多くは鈴木さんだったから名前は十代の頃から知っていた。
大塚さんに上記にあるインタビューをした時にも装丁デザインについて聞いたけど、鈴木さんとは筑波大で学生時代ぐらいから知り合いで、鈴木さんが装丁家としてデビューしたぐらいから大塚さんはやってもらっているみたいな話をされていたと思う。
リモートワークが終わって一服してから金曜日更新のポッドキャスト『トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画』最新回を聞く。他のポッドキャストと比べると本当に声がデカいし、二人がやり合っているのがマジっぽくてなんか強い。下ネタも多いけど、照れずに隠そうともしないからいやらしくなくて好感すらもてる。
男性ファンだけじゃなくて、メールを出している人は女性が多い気がするけど、このぐらい砕けているトークの方が日々のストレスも発散できるだろうし、聴いていて楽しいからファンは増えていると思う。
ちょっとだけ読書をしてから、スケジュールを変更したりしたから諸々枚数が変わったり、応募先が違うから変えることが出てきたので登場人物表とか設定をやってたらあっという間に時間が過ぎた。
9月14日
7時過ぎに起きてからちょっと読書。BGMでradikoで『きしたかののブタピエロ』を聴いていた。
「オールナイトニッポン」は「MUSIC WEEK」なのでレギュラーでミュージシャンのキタニタツヤ、星野源、あの以外はいつものメンツとは違うミュージシャンがパーソナリティーを務めていた。何組かは聴いたのだけど、やっぱり普段聴いていないミュージシャンだったり、興味がない人だとハードルは高くなる。
いつもなら金曜深夜は『三四郎のオールナイトニッポン0』がやっている。番組のファンとしては武道館までの放送が一回ないという状態でちょっと残念。でも、前日の「都築サクラバシ」では『有吉の壁』収録であった三四郎もマヂラブも休みだって嬉しそうだったという話もあった。そりゃあ、そうか、27時から生放送毎週しているからたまに休める方が演者としてはいいに決まってる。
8時過ぎに家を出て渋谷に向かう。東急百貨店本店自体は解体されているが、いまだにBunkamuraだった部分は残っている。これはどういう理由なのだろう。ここが解体されてしまえば、もう新しい東急百貨店の建設が始まるはずだ。いろいろな契約や利権なんかがあって遅れているのかなとか思いつつ横を通ってパルコ方面に抜ける。
試写状ももらっていて観に行く気満々だったのだけど、行こうと思っていた日の前に体調を崩してしまって観に行くことができなかった。試写を観た人たちの反応も良かったし、監督のデビュー作『僕はイエス様が嫌い』を劇場で観て好きな作品だったので、この商業デビュー作も楽しみにしていた。
奥山大史監督『ぼくのお日さま』をヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞。昨日から公開されているのもあってか、お客さんの入りは朝一にしては入っていたと思うし、世代も若い層が多めだった。
ヒューマントラスト系で使えるTCGカードならいつでも映画を1400円で観れるのでありがたい。火曜木曜なら1200円。ニコラの由賀さんがとだいぶ前に話している時にサービスデーとかそういう日に行ったりしたら、その分は映画館でドリンク飲むなりフードを買うなりしてお金を使うって言われていて、それを聞いてからは基本的に毎回映画を観に行く時はアイスコーヒーを売店で頼んで買っている(ペットボトルとか何も考えずに持ち込んでいるバカに限って、飲食店とかで平気で文句言うんだよね。で、自分が食には詳しいとかお店の人に好かれてるとか勘違いしてる奴が多い印象がある。マイ水筒を持ち込んでる人はまたタイプが違う気がする)。
映画は美しくて少し残酷で画(ショット)と物語が素晴らしかった。奥山大史監督の兄の奥山由之さんや石田真澄さんというフォトグラファーが撮った写真を見た時に感じる澄んでるなにか(これが世代的な感覚なのかどうかはわからないけど)や、ヴィム・ヴェンダース監督のロードムービーに通ずるものがあるように思えた。北海道で撮影しているんだけど、車での移動シーンとかはちょっと昔のアメリカの映画も彷彿させるものがあった。
雪が積もっている外の景色は明るく、室内は少し暗いという対比が登場人物たちの心理描写のようであり、雪が溶けたあとの三人の変化と景色、最後のシーンもあれだからよかった。
タクヤを演じた越山敬達は青木柚みたいにその成長を映画で観ていくような俳優になっていくかもしれない。
さくら演じた中西希亜はパッと見は清原果耶系統の正統派美少女だが、角度によっては能年玲奈にも似ている。
二人のコーチである元フィギュアスケーターの荒川演じた池松壮亮は言わずと知れた俳優なんだけど、教える役だからスケートできないといけないわけで、違和感もなかったし。先生として子どもたちに対する視線もよかったし、パートナーの若葉竜也演じる五十嵐とのシーンも仕草やちょっとした言葉でわかる感じで素の自分として先生ではない個人の部分がよく出ていた。
タクヤとさくらがアイスダンスをすることになるのが中盤以降の大きな展開で物語の終盤に向かう部分になっていた。ここでのさくらの言動が中学一年生の思春期に入った女の子っぽいし、タクヤは小学六年生でまだ思春期に入っていなくて感じるというか考えることもないことだなって思うし、あのどうしようもないだろうなって展開もほろ苦さがあってよかった。さくらが何年かして大人になった時にそのことを思い出して、あの頃の自分の言動をどう感じるのだろうとか勝手に思ってしまった。
家に帰って夕方までちょっと作業をした後に散歩に行こうと思って家を出て、BOOKOFFに寄ったらジョン・アーヴィング著、村上春樹訳『熊を放つ』単行本の初版が200円だったので買った。ほとんど劣化していなくて美品と言えるぐらい。『熊を放つ』は村上春樹翻訳ライブラリーシリーズで上下巻で持っているけど、この単行本版は和田誠さんのイラストが表紙にあって、それがいいなって思ったし、昨今の書籍のイラスト使いすぎじゃないっていう気持ちとは違って、イラストレーターの作家性を出しているシリーズとかは大事だ。
村上さんが翻訳したレイモンド・カーヴァーも村上春樹翻訳ライブラリーに入る前の箱入りのものとかも和田誠さんのイラストだったりと、中央公論社での村上春樹翻訳作品というのは和田誠さんのイラストとセットだったはずだ。
夜はライティング作業を進める。まだ登場人物や設定とかで悩んだりしている。でも、散歩の時に浮かんできたアイデアは使えそう。僕は散歩の時に出てくるアイデアとかを信じることにしている。
9月15日
7時前に起きてからウトウトしていたけど、午前中のルーティンは午後にスライドして半前には家を出た。
日差しは強くないけど、気温自体はそこそこ高くて湿度がないのが救いだが、まだ十分に暑くて夏という感じがする。できるだけ日差しを避けて陰になっているところを歩いていても二十分も経てば額が汗ばんでくる。
サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン | ニッポン放送 | 2024/09/14/土 25:00-27:00
目的地まではradikoでこちらを。鬱になってお休みしていたサカナクションの山口さんのことをNHKでドキュメンタリー番組として放送したのは見ようと思いつつ、結局見れなかった。
少し自虐的にトークもしていたけど、放送後にSNSでの誹謗中傷が一気に増えたらしい。そんなに知り合いでもないし、普段から彼らの音楽を聴いているわけでもなく、下手したらその番組をやるというので知ったような人が平気でDMで直接誹謗中傷を送るという神経がわからない。
複数アカウントとか匿名アカウントというのを僕はやったこともないし、やっても仕方ないと思うのだけど、自分の抱えているストレスや痛みをそういう世間的に知られている人やそうではない人にも、自分が気に入らないからといって簡単に言葉で攻撃するような人ってそれ自体が病んでるし、何ら解決策にもならないのになとしか思えない。
山口さんがスタジオに行こうとして部屋から中々出られないという場面が放送されたらしいのだけど、その際に服装が上下マルジェラ着ていて、車が(ベンツの)ゲレンデだから、「二年間仕事休んでいて、マルジェラで仕事行けるからあんた大丈夫でしょう」というのがいくつもあって、自分でもそれだとそうだなってツッコミながら言っていた。
あとは見た目とかの中傷、病気で飲んでいた薬でむくんだり太ったりしているのを、攻撃するのもよくわからない。一番おかったのはYouTubeの生配信をやりすぎでミュージシャンは音楽だけやってろというもの。僕は知らなかったけど、山口さんは生配信をかなりやっているらしい。でも、言葉にしていくことで整理されたり、心身的にいい面があるのならほっとけばいいのに。そもそもミュージシャンが音楽を作るために音楽だけに向き合って作れるというのが間違いというか、人間ってのはまず自分や家族の生活があって、日常があってそこが土台で仕事なり趣味なりをしていく、創作する人だって創作だけしようとしても無理だし、それだけしていてもどうせ行き詰まる。
何々(職業)だからその何々(仕事)だけをしてろっていうのを他人がいうのは傲慢だし、余計すぎるお世話でしかない。実際にそれだけやってたらもっと早く精神が病むし、肉体もやられると思う。
山口さんのトークを聞いていると「どっかで聞いたことある声だな」って思っていたんだけど、たぶん燃え殻さんだ。単語の最後の音の切り方とか話すテンポやリズム、笑うときの感じが似てる気がする。
顔はそんなに似てないけど、僕の自説では声が似ていれば顔が似ている、骨格というスピーカーで声は出るから、顔が似ていれば声も似ているし、逆も然り。今度確かめてみよう。
一時間二十分もしないうちに六本木ヒルズにあるTOHOシネマズ六本木に到着。公開した翌日に観ていた塚本あゆ子監督&野木亜紀子脚本『ラストマイル』二回目を朝一の回で。着実にお客さんが入っていて興行収入も好調のようだ。
9月第2週の動員ランキングは、『ラストマイル』が週末3日間で動員31万7000人、興収4億7500万円をあげて3週連続1位。公開から17日間の動員は213万4000人、興収は30億2700万円。外国映画を含め、実写作品では『キングダム 大将軍の帰還』、『変な家』に続いて2024年に公開された作品では3作目の興収30億円超え。言い換えるなら、今年に入ってから実写の外国映画は1作品も興収30億円を超えていない。
宇野維正の映画興行分析 『エイリアン:ロムルス』意外な健闘? 評価と興収が連動してこなかったシリーズの歩み
もう一度観たくなる!!映画『ラストマイル』解説 考察 伏線 共犯者は(××) 2.7ms→0 真意 サラ プレゼントの意味 佐野親子爆弾 桃太郎 金太郎 のり弁当 唐揚げ弁当 五十嵐と孔最後 悪い羊感想
今作は「アンナチュラル」「MIU404」の主要人物を活躍させながら、あくまで主役は「ラストマイル」で初登場した人物たちであると思わせ、それでいて本筋の物語内で完璧な伏線回収を行い、社会的メッセージを発信するという、ものすごいことをやってのけています
(中略)
主要人物が全員登場して重要な役割も果たす今回の展開はいい意味で驚きました
具体的には、
「MIU404」のメンバーは当初犯人だと思われた人物(××)を発見していて
「アンナチュラル」のメンバーは真犯人である人物(××)の解剖を担当している
対比構造を持たせつつ、「これがなければ真相に辿り着かなかった」というピースを、二つのドラマの主要キャラに持たせているんですね
【ネタバレ有】『ラストマイル』感想と考察
上記の(××)は僕があえて伏せていますが、映画を観たあと考察動画や考察ブログを読んだこともあって、最初に見たときにこんなにも気づいていないことがあったのか!と驚きもありつつ、考察を見たり読んだことでやはり自分でも確かめたいという気持ちになっていた。
初見と同じで基本的には塚本監督とか脚本家の野木さんが組んだドラマ『アンナチュラル』『MIU404』のラインにあるので、僕はあまり映画らしい映画の画には感じなかった。
今回観終わってからパンフも買って読んでいて、確かになって思ったのが野木さんのインタビューのところで、満島ひかりさんが演じた主人公であるショッピングサイトの関東センター長の舟渡エレナは中盤で、岡田将生さんが演じた同じくチームマネージャーの梨本孔に真犯人ではないか?と疑われるシーンがある。これってドラマだとほとんどできないものらしい。そうなってしまうとドラマの視聴者は見るのをやめることが多いようだ。
主人公がどちらかわからないと見れなくなるというのは不思議だけど、そういうこともあってドラマでは主人公に疑いがあるようにはほとんどしない。だけど、映画なら二時間という時間で観にきている人はそこから基本的に最後までは観るのでそれがやれることが大きかったらしい。
その揺さぶりが実はこの映画の考察を盛り上げている部分でもあったと思う。正直最初に観終わった時にはあまり感じていなかった箇所は満島ひかりの演技によってけむに巻かれている可能性があり、考察を見ていくといくつかの不自然な部分は辻褄があってしまうことになる。物語において爆発することになる1ダース12個の爆弾をめぐることにも関連しており、たぶん普段からミステリーとかサスペンスが好きで真犯人やトリックを最初から全部疑って見るような見方をしていないと気づきにくいものが作品の中に散りばめられている。
故に一回目でお仕事映画でもあり、僕たちがいる社会の問題を暴くというか可視化しながらもエンターテイメントをやっていてすごいなという感想の向こう側が待っていた。配送業界の問題点や大手流通サイト(名前は変えられているがAmazonとか)との力関係など、配達員の人たちはギリギリのところでやっているし、彼らが何かを変えようとしても正直難しい。
今作で言えばホワイトカラーのような立場にあるエレナや孔やショッピングサイトを運営している役職があるような人間が動かない限り何も末端にいる人たちの待遇は改善はされない、というのも実際のところであり、最後にセンター長をエレナから引き渡されることになる孔は重く受け止めて、どうすべきかという色んな感情が混じった顔になる。
だが、それまでは責任もなく基本的には傍観者のような立場(当事者ではあるものの)で観客に一番近い彼が、その責任を持つことになる。それは当然ながら孔に引き渡されたバトンだが、観客への「あなたはどうする?」という問いかけになっている。
あとはショッピングサイト側の人間が着ている服の色、犯人が着ている服の色、傍観者が着ている服の色など実は服の色でわかりやすくなっていることや、最終的にはそれが重ねられていてある色がほとんど見えなくなるとか手が込んでいるなって。つまり立場や思惑が変わっていくことに連動している。確かにドラマでやってしまうと凝縮したものを一つずつ説明というか組み込んでいないといけなくなっておもしろさの質が変わってしまうかもしれない。
映画でやるなら、映画だからできることをした作品であることは間違いがなく、最初の時よりも色んなことを知った上で観るとさらに評価は上がるし、もっと観られてほしいと思える一作でした。改めてだけど、すごいことをやっているし、ここで書いたようなホワイトカラー側の人が一番喰らうだろうなと思うし、喰らってほしい。
千葉雄喜のオールナイトニッポン0(ZERO) | ニッポン放送 | 2024/09/14/土 27:00-29:00
帰っているとすぐに「山口ANN」を聴き終えたので、その後に放送されたこちらを。元KOHHことラッパーの千葉雄喜さんがパーソナリティーを務める番組だが、ゲストでモデルの水原希子さんは冒頭から普通に登場してトークが開始。同じ年でギャルサー出身で共通の友人もいて、自分のジャンルでは海外で勝負して戦っているという共通項もあるということで初対面だけど、組み合わせとしては良いものになっていた。
僕はKOHHの曲を知ったのは漫画家の西島大介さんがある時期に彼にハマっていて、よくリリックを口ずさんでいて、会った時にも曲をライミングしていたので存在を知ったところがある。
途中、二人ともちょっとスピリチュアルぽい話があるけど、自分たちでも「スピって言われるだろうけど」と言っていた内容のものは、不思議な体験ということでいいんだろうな。
たまたまだけど昨日読んでいた中上健次著『地の果て 至上の時』にも水に関するものが出てくるので、水原さんが話していたことと小説に出てくるものは真逆というか、こっちはカルトっぽいやつだが、気持ちシンクロした。あと水原さんの話し方とかテンポがその前に観ていた『ラストマイル』の満島ひかりさんにちょっと似ていた。
KOHH時代の楽曲はちょっと聴いたことがある程度で、千葉雄喜になってからも曲は聴いたりしているけど、どういう人かはほとんど知らずにトークを聴いていたけど、千葉さんという人は前のめりにならずに自分のペースでちゃんと話す人で、ゲストの水原さんの話をちゃんと聞いてからそれに対して自分のことをいう感じだった。波長が合ってるんだろうなと思える内容で聴き心地がよかった。
家に帰ったら汗だくになっていた。昼過ぎちょうどの日差しはやっぱり強くなっていて、まだまだ夏満開みたいな気温だし、来週末ぐらいに関東でも気温が下がって秋らしくなるというのをニュースで見たけど、ちょっと信じにくい。
夕方までちょっと昼寝したりしてから、夜はライティング作業をやっていく。そこまで時間の余裕はないけど、気持ちの上ではちょっと前向きになっているのでプラスに作用すればいいのだけど。
今回はこの曲でおわかれです。
Geordie Greep - Holy, Holy