Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『街』


バンクシーおそ松さんが同列に存在する街、それが東京、狂った街。




『街』
すれ違う人たちの多さに立ち尽くす
自分とは関わりのない人たちの世界が同時に動いている
もう誰も彼もが己の生を全うしようと足掻いている
街の風が吹く方にあるのが幸せなのか不幸なのか
なんて誰にもわからない
ただ、できれば誰もが幸せな世界を望むのだけど
どうやらそれも無理らしい
僕の幸福だってどうなるかわからない
あなたの哀しみを引き受けるほどの覚悟もない
なにも言わずに聞いてあげれたらいいのに
でも、僕はきっとなにかを言ってしまうだろう
君の求めるものを持っていないから
通り過ぎる人たちの背中に孤独と勇気を感じて
いつだってみんなひとりで立っている
時には誰かに寄り添いながら笑っていたい
街の風景の中に溶け込んでしまった僕や君は
いつか笑って出会って別れるだろう