Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『浮かんでる』

アパートの壁をコンコンと叩く
薄い壁の向こう
空洞みたいな音がする
コンコンと叩き続けると違う音がする
何かがある 
空洞ではなくコンクリートかなにかで塞がれている
鈍い音の反響があってその感触に
コンクリートみたいなもので隠されているのは白骨死体
イメージがあふれる
突如、白骨死体がコンクリートと壁をぶち破って
こちら側にやってくる
砕けるコンクリート破片と薄い壁だったもの
白骨死体は、そう僕だ
過去の僕の面影だけを残している骸
壁の向こうは過去
戻ることはない時間軸に無数にある白骨死体の僕
今だって僕は白骨死体になろうとしている
羽化して現在進行形の僕になる
羽化してる、浮かしてる、浮かんでる?