「ハーモニー」 - Spiral Fiction Note’s diary

　どうも体の調子がいまひとつ。頭痛みたいな感じ。昨日はダルかったので昼間から寝てたのだが、低いとこから高いとこに行ったときの圧による軽めの頭痛みたいな感じが深夜になってぐらいから。ダルさはなくなったのだけど頭痛。

　昨日は本屋で伊藤計劃「ハーモニー」を後ろのあらすじを読んで気になって購入。「自殺を試みて死ねなかった少女」というのがなんだか惹かれて。どこかへ旅立つとかあるいは神隠しに遭ってしまうんだけど、戻ってきたり、取り残された少年や少女の物語って大事というか興味深くて。
　旅立った、そこから出て行った少年や少女ではなく、その場に留まった、行くことができなかった者の物語は普遍性があるというか。物語としてはどうしても気になってしまう、なんでだろう。ここではない何処かへ行こうとしても行けない、ということに起因するのか、しないのか。

　今ブログ書こうとしてwiki見て知ったんだが、著者の伊藤計劃さんは去年肺ガンで34歳の若さで亡くなられていた。「ハーモニー」って第30回日本SF大賞を死後受賞した作品で、故人が大賞を受賞するのは初めてだったらしい。そう言えば前に故人が受賞ってどこかで見たと思ってたが。

　Webディレクターのかたわら執筆した『虐殺器官』が、2007年第7回小松左京賞最終候補となり、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションより刊行され、作家デビュー。同作は『SFが読みたい! 2008年版』1位、月刊プレイボーイミステリー大賞1位、日本SF作家クラブ主催の第28回日本SF大賞候補となる。全く同じ経緯でデビューした円城塔と共に、期待の新人として脚光を浴びるも2009年3月、肺ガンのため死去。

　円城塔著「Self‐Reference ENGINE」は一度読んだけどSF的教養がなさすぎて難解に感じた部分があったけど、今度佐々木敦さんが解説書いてる文庫が出るらしいので改めて読み直そう。

　サリンジャーが亡くなったらしい。というかまだ生きてたのか、亡くなってる作家さんだと勝手に思い込んでた。サリンジャーの「ナインストリーズ」を柴田元幸氏が新訳がしてるのが載っている「モンキービジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号」を再読しようかな、最後まで読み切ってないし。
　サリンジャーは「ライ麦」を途中まで読んで、合わないと思って読んでないや。大塚英志「リヴァイアサン」の文庫の「小麦畑のキャッチャー」で「ライ麦」が元ネタ、「多重人格探偵サイコ」の文庫の「渡久地菊夫の失敗」では渡久地が「ライ麦」を読んだりと引用してたのは覚えてる。大塚英志は自身の作品にサリンジャーや大江健三郎などの作家を引用したり、取り込む事で自身の読者を小説と出会わそうとしてた。

　08年に古川日出男さんの刊行されている作品を一気に読んでから小説熱は高まった。この二年ぐらいはわりと小説読んでるけど昔の作家とかあんまり読まないなあ、映画も昔の作品基本的に観ないし、今の、現在進行形の作品にしか興味が沸かないんだよなあ。

「文化系トークラジオ Life」「今、聞きたい名言」Part3配信。

　ガールズに訊く「人生を変えた音楽」。ボーカルのクリストファー・オウエンスが初めて買ったアルバムはスマッシング・パンプキンズの『メロンコリーそして終りのない悲しみ』だったらしい。

　クリストファー・オウエンス：初めて買ったアルバムだったし、僕は宗教音楽を聴きながら育ったから、それと全く違った音楽を聴くのが初めてだったんだ。あれが僕にとってどれほど驚くべきものだったかを説明するのは不可能だな。あんなにすごいものは聴いたことがなかった。「バンドに入りたい！」って思ったよ。「僕に必要なのはこれなんだ」ってね。僕は音楽の大ファンになった。それである時点で自分の宗教的な生い立ちから離れて、「よし、これからこういうバンドを聴きにいくぞ」って思った。『メロンコリーそして終りのない悲しみ』が最初に聴いたアルバムだったのは幸運なことだったね。

　スマパン大好きっ子としてはおお、クリストファー、ナイスみたいな。僕は「Siamese Dream」が一番好きだけど。

The Smashing Pumpkins - 1979 (Live)