前から買おう、買おうと思い、さらにその前にはアミューズCQNで一週間の特別レイトショーのチケを買いながらも寝過ごして観に行けなかった映画でもある作品、伊坂幸太郎×山下敦弘の新作小説と新作映画のコラボ「実験4号」を買う。小説とDVDで2800円(税別)、うーむ、高いよっ!おかげでお金がわりとしんどい。
でも、この二人ならその価値はあると思う、どっちもファンだから、そして双方の今までの作品を読んで観ていて彼らの作品は毎回次がみたいものだから。
Theピーズの「実験4号」という曲を元に作られた作品で二つの作品は場所やキャラクターがリンクしている。とりあえず、伊坂さんのほうの「後藤を待ちながら」を読んだ。伊坂さんらしいという話の流れだった。
今から100年後、火星に住む人の方が多くなっている時代、ロックは滅んで「ジャカジャカ」という音楽が主流になっている時に未だにロックを鳴らしていた三人組バンド、ギターの一人が火星へ行ってしまってギターの帰りを待つベースとドラムのお話。
昨日バイトに行くまで寝ていて起きたら「余命1ヶ月の花嫁」がまたゴールデンでスペシャルでしてた。
最初に見たのは前のスペシャルの前の夕方のニュースで二回に分けられて放送された時、普通に見ながら泣いた。
その時の放送の反響が大きく、スペシャルになったのが前回、なぜ今回またやったのか?
「余命1ヶ月の花嫁」の本が売れたからまたやろうってことなのか?
TBSが女性に乳がんの検診を受けてというのを促進したいわけでもないだろう。あってもそれは建前で視聴率は取れるからする、だって視聴率取れないとスポンサー付かないだろうし。
「性」と「死」に人は興味があり知りたいと思う、それは「生」きることに直結していることだから。そこからは逃れられない。
今回はさすがに泣くことはなかったけど、前々回と前回で泣いてるし、内容一緒だしね。最近身内が亡くなったので泣くかなと思ったが泣かなかったなあ、他人の死よりは身近な人間の方の死の方が悲しい。
これがさらに反響を呼ぶとなるとだ、美談が成立してしまう。いやあ、これはこれでもう美談なのだがそれに酔う人が出てくるといかがなものか。
お父さんや彼氏の献身的な介護や思いやりとかそれはたぶん日本語にはないっていうか表現にはないものだし、すごいやわらかなあたたかい気持ちだと思う。
それを簡単に「愛」っていうのは簡単すぎてなんか安い、「愛」って宗教みたいな気がする、崇高なフリして中身がないような、言ってるうちはその言葉に捕らえられて酔うけどいつかは覚める。
でも、生きてる側の日々は進んで行くんだよね。
彼氏がずっと彼女のことを思い続けて生きていくのを望む人がいないことを祈るが・・・、そうやって第三者が美談を当事者に求めてしまうことだけはしないほうがいい。
それは美談だけど生きている人をがんじがらめにして閉じ込めてしまう。
これは「スコットランドヤードゲーム」を読んですごく感じたこと。「スコットランドヤードゲーム」は死んだ恋人のことを忘れられずに新しい恋に踏み出せない女性を好きになってしまった男が主人公の野島さんの小説。この流れは少しだけ月9「薔薇のない花屋」にも引き継がれていた。
「相手が死んでしまったのなら恋も死んだのさ」というニュアンスの台詞が出てくる。
想い続けることを否定しているのではなく、それを周りが無意識に求めてしまうことで当事者が新しい恋に踏み出せないことは不幸だと言い放つ。
きっとうちのばあちゃんもじいちゃんが死んで恋が終わって想い出だけが残ったんだ、二人だけのやさしくてあたたかい温もりが。
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