Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

 ヒューマントラスト渋谷に行こうと思って歩いていたら渋谷タワレコ横の線路脇にアトムがいた。描かれているというかドット柄みたいに一点ずつ色のパーツを貼ってるみたい。こういうの他にも渋谷にありそうだな。意図はわからないがなんかいいな、見つけたら楽しいみたいな。




監督/ダグ・リーマン
出演/トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ)、エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)、ビル・パクストン(ファレウ軍曹)、ブレンダン・グリーソン(ブリガム将軍)、ノア・テイラー(カーター博士)ほか



桜坂洋のSFライトノベルAll You Need Is Kill」(集英社スーパーダッシュ文庫刊)を、トム・クルーズ主演でハリウッド実写化。「ギタイ」と呼ばれる謎の侵略者と人類の戦いが続く近未来を舞台に、同じ時間を何度も繰り返すはめになった兵士が、幾度もの死を経験し、成長していく姿を描く。戦闘に対して逃げ腰な軍の広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐は、戦闘経験が全くないにもかかわらず最前線に送り込まれてしまい、あえなく戦死。しかし、死んだはずのケイジが意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる前に戻っていた。再び戦死するとまた同じ時間に巻き戻り、不可解なタイムループから抜け出せなくなったケイジは、同様にタイムループの経験を持つ軍最強の女性兵士リタ・ヴラタスキに訓練を施され、次第に戦士として成長していく。戦いと死を何度も繰り返し、経験を積んで戦闘技術を磨きあげていくケイジは、やがてギタイを滅ぼす方法の糸口をつかみはじめる。リタ役でエミリー・ブラントが共演。監督は「ボーン・アイデンティティー」「Mr.&Mrs.スミス」のダグ・リーマン。(映画.comより)



 元々ループものが大好きな編集者の友人に薦められて文庫で読んでいた作品。原作者の桜坂洋さんは東浩紀さんとの著書『キャラクターズ』
を最初に読んでいたがこちらはかぎりなくメタフィクションの作りで面白いし実験的な作品だなと思った。
 原作の設定や要素をうまく使って映像化してた。原作がループものとして秀逸だったけど映画はSF映画としてもかなり楽しい。ホドロフスキー監督が言ってたみたいに原作に愛をもってレイプしたみたいな。トム・クルーズ戸田奈津子のループw


 ループしていることがわかってもう一人かつてループを体験したことのあるリタと話をすることでどうやったらこの無限ループから抜け出せるかとトム・クルーズ扮するケイジと二人が限られた時間の中で幾通りもの繰り返しの中で戦いではどこか敵が来るからどう動いて前線していくかや、戦闘が始まる明日(全滅フラグなので)までに二人で動いて必要なものや場所に行く事でこのループを終わらすために動いていく。
 原作もそうだがこの無限ループにいる彼が死ねばまた手錠をされて脱走兵として広報なのに(原作とはこの辺りが改変されているがこれは確かにうまく機能している)二等兵として最前線で戦うことになるのだが、ミスったらヤバめの傷を受けたらケイジが死ねば、あるいはリタが訓練の時にあかんわと思ったら殺すことでまたそこからループが開始される。
 が、ケイジの記憶は生きているし訓練によって得た戦闘能力はあるので次第に物語は動き出してく。このケイジの死というリセット機能は極めてファミコンゲーム的な要素をうまく映像の中で使っているのでふと笑ってしまうこともある。
 だが、この物語は中盤でこのループの原因が明かされるがとある事をきっかけにループする力を失ってしまう。つまりこのループは終わるが死ねば本当の死に繋がってしまうという最終局面を迎える。
 繰り返される時間の中でどう動いていくのか考えて繋げていくのかというのはボクらの日常も近いものがある。いつかは終わるがどうも同じような日々の繰り返しだ、いつか突然、急に終わるのだから。


 SF映画としても楽しめるし『第九地区』みたいなバトルスーツもワクワクするし、『パシフィック・リム』みたいな最終戦みたいな感じもサイコーでした。今週の『タマフル』で宇多丸さんがどう評価するのかな。


オール・ユー・ニード・イズ・キル』観たらずっと今日脳内で流れてた。 ↓
RHYMESTER 『It's A New Day』

キャラクターズ (河出文庫)

キャラクターズ (河出文庫)