Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『アニー・ホール』

 午前十時の映画祭8のこの2週間で上映されているのがウディ・アレン監督『アニー・ホール』で、そういえばきちんと観たことがなかったので劇場で観るチャンスもあまりないのでTOHOシネマズ新宿で観てきた。

 観客に話しかけたり、話しながら過去のシーンに現在の主人公たちがいたりしてリアリティのラインが突破されているけど、心地よくて、それは会話のリズムとかがそうさせているのだろうし、アルビー・シンガーの「死」に対しての人格形成とユダヤ人であること、皮肉屋みたいな部分と真反対であるであろうヒロインのアニー・ホールのキャラクターが心地いい。だからこそ、二人は惹かれあったのだし、やはり別れてしまう。この恋愛という出来事を芝居として物語として昇華することでアルビー・シンガーはのちに別れた後に出会う彼女との関係もうまくいく、というかきちんと別れて話ができるのも感覚としてわかる。
 このアルビー・シンガーの語り口調を真似して小説を書くと、リズムとテンポ、文体の問題もあるけど過去の出来事をうまく消化できる流れになるのかなって思ったりした。とても好きな映画だし、多くの人に愛されているのもわかる。人間ってめんどくさくて愛おしい、同時にその反対のことも含まれているから感情とタイミングで人生は動いていく。