Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『凹村戦争』note2014


 誕生日にもらった上巻を深夜に読み終えたので力道山刺されし町・赤坂で『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』下巻を休憩中に買った。 今日の朝ぐらいに樋口毅宏さんがこの本の著者である増田俊也さんの『七帝柔道記』を一気に読み終わって絶賛されていた。
 で、『木村政彦はなぜ〜』なら貸してあげたのにと言ってもらったので『七帝柔道記』を含めもろもろ小説とか貸してもらった。家が近いっていいね、積読本の数がハンパないがその時々興味あるものや読めるものを少しずつ消化していかねば。でも、新しく買っちゃうから読まないものは読まないままで眠ってることもあるんだけど、借りたものは優先順位があがるからわりと早めに読めると思う。でもその前に下巻を読まねば。



凹村戦争」シナリオ版全13話(100円)[DJMN019]|西島大介:DJまほうつかいのお店|note(ノート)
https://note.mu/dbp65/n/nc2b12d481e8d
 ↑昨日西島さんが言ってた『凹村戦争』のレアなものは漫画を書く前のネームというかシナリオだった。さきほど通して読んだが現在書籍になっている『凹村戦争』と所々違う箇所もあり東浩紀さんをはじめとする人に読んでもらっていける!という手応えからネームを作って漫画を書き始めたそうだ。凹村の唯一の文化的な場所がTATSUYA(TSUTAYAをもじったお店)だけどこのシナリオだと漫画喫茶になっているとか。後半の東京行くまでの道中があったりとか、漫画を読んでいるとその差が反映されていたりされてなかったりしてかなり興味深い。



 『凹村戦争』は大盛堂書店で開催中の碇本学選書フェアの一冊に選んでます。高校でて東京に上京し震災後に家族で広島に戻った西島さんに今、僕は『水道橋博士のメルマ旬報』連載の「碇のむきだし」で広島を舞台にした『夢幻ガール』という小説のイラストを西島さんに書いてもらってる。
 初めてお会いしたのは↑の『凹村戦争』文庫にサインしていただいた2.5Dでの『ひらマン』講義イベントだったのでサインの日付は震災の10月だから西島さんはもう広島に移住されている。


 だから、『夢幻ガール』のイラストを去年末にお願いしたのはワタリウム美術館内のオンサンデーズでの西島さんのイベントによく行っていたりとかした流れももちろんあった。小説は広島が舞台で震災後の原発の問題が解決されていない世界をもはや日常として受け入れて生活している僕らのリーマンショック前のモラトリアムな時期を過ごした僕と同年代のやつらの二十代前半の話でありながら主人公の一人の楓が音が鳴ると色彩が舞うという設定は彼女の祖父祖母が原爆の被害にあっている。楓の片目の視力がどんどんおちていくという設定があったから。
 震災後に広島に移住した西島さんは『ヤング・アライブ・イン・ラブ』という巨大な湯沸かし器が爆発したある町を舞台に目に見えるものと目に見えないもの漫画で書いた。目に見えない放射能と幽霊を。僕は西島さんの漫画のファンの一人でもあるのでその流れから『夢幻ガール』の装幀イラストを西島さんに書いてもらう事で物語性が増すしわかる人にはわかるようにしたいのだ。だから、やっぱり『夢幻ガール』はなんとか一冊の本という形にしたい。



凹村戦争』文庫版あとがき


 誰にとっても処女作、一番初めに書き上げ形を得た本というのは、忘れられないものだ。その一冊きりで世から消えるとしても、その一冊以降何十冊何百冊、数えきれないほどの本を出版するとしても、初めての本というのはやはり特別。一冊の本がその人を「作家」にするなら、最初の本を執筆している時、彼はまだ「作家」ではないのだから。


凹村戦争』は、僕にとって初めての本。僕は今どうやら「漫画家」になることができたらしいけれど、この最初の本を描いている時、まだ漫画家じゃなかった。


 西島さんのあとがきは師匠筋の大塚英志さん同様に僕は作品本体同様にとても好きだ。僕はずっと最初になるかもしれない本を書いていて、ダメになってはまた想像して次なる最初を書いている。僕はまだ小説家でもないしまだ「作家」でもない。

七帝柔道記

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凹村戦争 (ハヤカワ文庫 JA ニ 2-1)

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Young,Alive,in Love 1 (ヤングジャンプコミックス)

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