Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

Spiral Fiction Note’s 日記(2023年5月16日〜2023年5月31日)

5月上旬の日記(2023年5月1日から5月15日分)


5月16日
目が覚めると肩甲骨や二の腕あたりに違和感、ちょっとした筋肉痛のような感じ。昨日整骨院に行った際に普段動かさない、動かせないで固まっている部分を動かしてもらったからだろうか。
可動域が狭くて体が固く、肩甲骨がガチガチなので前にその影響で腰に負担がですぎて動けなくなったことがあって、それ以降整骨院にずっと通っている。たまにこういう痛みがある時の前日はしっかり動かせてもらった時の翌朝の場合が多いと感じる。
起きてからペットボトルを集積所に出しに行ってから天気予報を見る。今日から気温がかなり上がるらしい。ということは洗濯日和だ。執筆作業を初めて8時過ぎに洗濯機を回してたまっていた洗濯物を干した。これはすぐに乾きそう。

10時過ぎに家を出て渋谷に向かう。銀座線に乗るのでスクランブル交差点を越えてヒカリエ方面へ。銀座線だけ田園都市線半蔵門線と入り口が一緒ではないというのはちょっとめんどくさい。表参道駅でわざわざ乗り換えるのもなあ、と思って銀座線の始発の渋谷駅から京橋駅まで乗った。
お昼のオフィス街はサラリーマンやOLさんたちが人気店らしい飲食店の前に列を作っていた。早めについたので久しぶりにはなまるうどんに入ってざるうどんとゲソ天ととり天を食べたが10分もかからずに完食してしまった。さすがにもっと噛んで時間をかけねばと思うのだが、僕みたいな客が多ければ回転率が早くなるのもわかる気がする。そもそもオフィス街にあると長居はしないような回転率の早くて価格帯が安めの店かそこそこ値段がするが並んで食べるような人気店のどちらかなんだろう。最近はそば派に転向しつつあるので久しぶりのうどんだったが、こういう時にもうちょっと落ち着いた蕎麦屋に入るようにならないとなと思ったりもする。まあ、そういう粋な人生を歩んでないのでどうしても二の足を踏んでしまう。


久しぶりにやってきた京橋テアトル試写室で山下敦弘監督×宮藤官九郎脚本『1秒先の彼』の試写を鑑賞。
台湾映画『1秒先の彼女』を京都に舞台を移して主人公の男女を逆転にしてリメイクしたラブストーリーとなっていた。満席でなかなかの盛況だった。しかし、宣伝会社の人もなんで試写上を送ってくれたのか、知り合いの人もおらず試写に来た人の中にも知り合いがいなかった。誰か試写状くれたのか最後までわからないけど、前に名刺を宣伝会社の人と交換していて、そのままの流れで案内が自動的に来ているんだと思う、たぶん。

監督・山下敦弘と脚本家・宮藤官九郎が初タッグを組み、2020年製作の台湾映画「1秒先の彼女」をリメイクしたラブストーリー。原作の舞台を京都に移して男女のキャラクター設定を逆転し、周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性の“消えた1日”をめぐる物語を描く。

郵便局の窓口で働くハジメは、何をするにも人よりワンテンポ早い。ある日、彼は路上ミュージシャンの桜子に出会い、彼女のまっすぐな歌声にひかれて恋に落ちる。必死のアプローチの末にどうにか花火大会デートの約束を取りつけたものの、目覚めるとなぜか翌日になっていた。やがてハジメは、郵便局に毎日やって来るワンテンポ遅いレイカが“消えた1日”の鍵を握っていることを知る。

「ドライブ・マイ・カー」の岡田将生ハジメ役、「護られなかった者たちへ」の清原果耶がレイカ役で主演を務めた。(映画.comより)

山下監督と岡田将生の組み合わせという夏帆主演『天然コケッコー』以来で16年ぶりらしい。舞台となっている京都に住んでいる(住んでいた)人からするとどう思うんだろうか、京都の地形がわからないからリアリティあるのかないのか僕にはわからないところはあった。洛中か洛外かみたいな話が冒頭からあり、洛中だけが京都だと主人公のハジメが言っていたが彼は宇治の出身。ああ、なんかそういうの聞いたことある、京都あるあるなんだろう。彼はいろいろと口が悪いというかちょっといけすかない京都男のハジメ岡田将生が演じているが、その京都弁とかの言い方とかすごくよかった。
バス運転手で物語の重要な人物を演じている荒川良々さんの見せ場が後半にあった。『木更津キャッツアイ』好きはおそらく好きであろうという展開。伏線の回収の仕方がね、木更津っぽいというかあのパターンなので、さすがにクドカンはあれをやるとうまいし見せ方もいい。それもあって、物語は前半と後半で見ている位置の違いからなぜこんなことが起きてしまったのを明かしていく。そこの好き嫌いはあるかもしれないが、元になった台湾映画もそういう感じだったのだろうか。
あとはラジオパーソナリティーで声だけではなく写真屋の主人として笑福亭笑瓶さんが出演されていて、この不思議な物語と共に笑瓶さんが帰ってきたような気がして、物語の内容とともに彼がいなくなった現実が創作を越えたなにかを僕に思わせた。

京橋駅から表参道駅まで乗って、半蔵門線に乗り換えて池尻大橋駅で降りる。駅直結の書店で本日発売となった古泉迦十著『火蛾』(講談社文庫)を購入。

12世紀の中東。
聖者たちの伝記録編纂を志す詩人のファリードは、伝説の聖者の教派につらなるという男を訪ねる。
男が語ったのは、アリーのという若き行者の《物語》──姿を顕さぬ導師と四人の修行者だけが住まう《山》の、
閉ざされた穹盧(きゅうろ)の中で起きた連続殺人だった!
未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する、第17回メフィスト賞受賞作がついに文庫化。

Twitterで先月ぐらいから見ていたので気になっていた。講談社ノベルスで発売されてから23年後にようやく文庫化されたという本作。
古泉さんが2冊目を書かなかったらしいのだが、今年その2冊目が今年星海社から出ると解説に書かれていて、そういう流れもあって文庫化されたっぽい。23年って四半世紀!




19時から親友のイゴっちと久しぶりのご飯と飲み。今回の場所は三茶ということになったので候補をいくつか出した中で、マルコに決まった。イゴっちが飲食系のニュースサイトでマルコのことを知っていて興味があったみたいだったのでこちらにしたが、オープンした頃に一度訪れていたので数年ぶりに僕は来店した。
三茶にはこのマルコ系列がいくつか展開されていて、本当に人気があるんだなって思う。写真以外のものも食べたけど料理も美味しいし、お酒もすぐに出してくれるし、お店の雰囲気もよくて若いカップルや女性同士のお客さんなどで賑わっていた。いつもは外から見ているだけだったけど、確かにここなら外さないだろうなって思う。
二件目はすずらん通りのところのバーに入って0時近くまで飲んでいた。ほんとうにいっぱい飲んで食べて楽しかった。本音とか他の人には言わないようなことを話せる数少ない友人との時間は精神的なデトックスみたいなものもあって、お互いにこうやって飲めるがうれしいという関係性が続いているのは本当にありがたい。

 

5月17日
二日酔いとまではいかなかったけど、ちょっと酔いが残っていたので執筆作業はしないで湯船にお湯をためて朝から入浴してたくさん水を飲んだ。
8時ぐらいからリモートワークの作業を開始した。溜まりそうな作業があるので早めに処理して、来週以降がスムーズに仕事ができるように進めた。けっこう集中していろんな作品を読んだので疲れた。長いものをずっと読む方が疲れは心地いいけど、短いものを一気にたくさん読むのと脳が疲弊していく感じがする。作品の内容というより数の問題なんだろうけど。

――今、日本では「論破ブーム」が来ていると言われています。小学生が「エビデンスを出せ」とか、「それってあなたの感想ですよね」とか、ひろゆきさんの真似をして親や先生たちを困らせているそうなんですけど、その風潮について、呂布さんはどう思われますか?

呂布 全然、良いことだとは思いません。

――ははは!

呂布 論破という言葉のキャッチーさだけが独り歩きしている。でも、ある程度大人だったら、論破なんてしないほうがいいとわかるじゃないですか。幼稚なんですよ、論破って。SNS上で顔が見えない相手に対して、「はい、論破」みたいに吐き捨てるのも。あんなの大人が顔合わせてやったら、マジでめちゃくちゃ馬鹿にされることですから。

 実際ひろゆきさんも「論破しましたよ」なんて言いません。ちゃんと相手に逃げ道を残してあげる、それがディベートの正しいやり方だと思うんですよ。論破をありがたがるのは、幼稚な流行だと思います。

「論破なんてしないほうがいい、幼稚なんですよ」ひろゆきを言い負かしたラッパー・呂布カルマ(40)が「空前の論破ブーム」に警鐘を鳴らす理由

知り合いのライターである神田さんが呂布カルマさんにインタビューをしていた。思いのほか、記事が短かったんだけどダメな部分があってカットしたのかな。論破なんてしないほうがいいに決まってる、それがわからないのは本当にただのバカだろう。

DOMMUNE RADIOPEDIAの94-1【菊地成孔大谷能生の「XXX et XXX」【第3巻/第1章】「刑事コロンボ高橋幸宏」】〜DOMMUNISM的接続 ■講師:菊地成孔大谷能生


DOMMUNE RADIOPEDIAの94-2【菊地成孔大谷能生の「XXX et XXX」【第3巻/第2章】「刑事コロンボ高橋幸宏」】〜DOMMUNISM的接続 ■講師:菊地成孔大谷能生


夜執筆作業をしようと思ったがリモートワークが思いのほか長引いたので今日はしないことにして、金曜日にトークイベントに行くので多和田さんの『地球にちりばめられて』の続きを【菊地成孔大谷能生の「XXX et XXX」【第3巻/第2章】「刑事コロンボ高橋幸宏」】を流しながら読んだ。

 

5月18日
起きてから執筆作業を開始。10時前に一旦終了して銀行に行ったり、ドラッグストアに寄って買い物をする。すでに外はかなり暑く、正午には30℃越えるとの天気予想があったがもうこれは30℃越えてるんじゃないかなって感じた。
家に戻ってきてドアを開けようとしたら佐川の人が荷物を持ってきてくれたタイミングだったので受け取ると前に頼んでいたジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』のポスターだった。
3月からはヴィム・ヴェンダース監督のレトロスペクティヴ上映の時に買っていた『アメリカの友人』ポスターにしていたのでこちらに衣替え的に変えてみた。ポスターのデザインは最高にいいと思うのだが黒字に紫の文字のたちょっと部屋の感じが黒みがかって暗さが増したような気がするのは、『アメリカの友人』が白地を基調にしたものだったからなのだろう。たった一枚のポスターだけでも部屋の雰囲気は大きく変わる。

THE YELLOW MONKEY – バラ色の日々


週末に行われる『THE SECOND~漫才トーナメント~』のTVerにアップされた決勝一試合目の「金属バット&マシンガンズの軌跡」の宣伝動画で『バラ色の日々』が流れていて、

このツイートを前に見ていたのだと思うけど、本当に歌詞が今回の大会のコンセプトや趣旨とそして決勝進出者のコンビたちの軌跡とも絶妙にリンクしていて、涙が出そうになってしまった。このあと渋谷に行く間も数回聴いたし、電車内でも帰りにも聴くことになり、その度に涙腺が緩んでしまった。


11時過ぎには家を出て渋谷に向かったがやはりかなり気温が高くてすぐに汗ばんできた。田園都市線乗り場のユニクロの地下と繋がっている通路に人だかりができていた。ももいろクローバーZとTravisJapanの壁広告が左右に展開されていて、どちらのファンも記念撮影をしていたりした。電車に乗って永田町で降りてから、赤坂見附駅の出口から待ち合わせ場所のお店に向かおうとしたら、赤坂Bizタワーの前辺りで見取り図とかが屋が『ラヴィット!』のロケしていた。
いつも見ている番組なので見取り図とゲストが待ちゆく人にいろんな国の聞いたことのあまりない料理名を聞いてその店を尋ねるというものだと思う。近くを歩いていたOLさんらしき女性が手を振っていたら盛山さんが笑顔で返していて、さすがだなと思った。二組ともコンビのどちらかが岡山県出身者なので同郷としてはちょっとうれしい。


先々週にリモートで久しぶりに話した園組などを手伝っていたこともある映像関係の仕事をしている小泉くんが予約してくれていたエッセドゥエ赤坂店で、今は大島新さんの「ネツゲン」で編集などをしている船木さんと3人でランチ。
ピザとサラダとドリンクのランチセットで1200円とかなりリーズナブルだったけど、味は具の量もかなりあるし生地はふわふわしているけど弾力もあって美味しかった。このピザがなんていう名前かは忘れてしまったのだが。
終わってから「ネツゲン」のオフィスにお邪魔させてもらった。大島さんもいらしたのでご挨拶だけさせてもらった。3人で船木さんが普段いる編集部屋の中で近況とか園監督のこととかそれにまつわる映像業界のこととかを話していたらあっという間に3時間経っていた。
二人とも去年よりも何年も前に園さんの元から離れているし、みんな関わっている時期とか違ったり重なっているところもあるから知らないこととか、誰のことを知っているのか知らないのかとかそういうことも含めて、話せる関係性というのもあるし、話していくとやっぱり報道されていることに関わっていたのはごく一部の限られた人なのだろうなともわかった。それでもいろいろと人間関係だからこそ個人に関わってくることもあるし、考えたりすることもある。だけど、それを話せる相手というのもそこまで多くもないという状況も去年の春ぐらいからあったりもする。
赤坂見附駅に戻ってから渋谷駅まで戻って歩いて家に帰った。そこでも『バラ色の日々』をYouTubeで聴いて感動していた。

子どもが本と仲良くなる最初の一冊を書いてみませんか?|「ポプラキミノベル小説大賞」 門田奈穂子&斉藤尚美&松田拓也

先月インタビューに行った記事が12時に公開。ジュニア文庫に興味ある人に読んでもらいたい&コンテスト応募してほしい。読み応えもあるし、今のジュニア文庫がどういう感じなのかもちゃんとわかるものとなっている。

二階堂ふみ西川美和が目指す、映画業界の健全で明るい未来

二人の表情がすごくよくて、撮影は誰かなと思ったら兎丸愛美さんの写真集などを撮影されていた塩原洋さんだった。

 

5月19日

ももクロのライブに行くといつも思うことがあって、こちらはファンなので推しに行くのですが、結果ファンがももクロに推されて帰ってくるんです。ちょっとこいつ大丈夫かとみなさん思うと思いますが、いや、やっぱりそうなんです。ももクロに限らず、誰かを推している方にはこの感覚は伝わるはずだと信じて書いています。これって、お店側が食べ物飲み物を提供してお客さんからお金を頂いたうえで、さらにお客さんから「ありがとうございます。元気がでました」と言っていただくことと本当に似ていると思います。ももクロには及ばないのは承知の上ですが、それでも信念を持ってカフェを続けることができているのは、お客さんに笑顔を、元気を渡せていると実感させてもらえているからです。

最後に。
カフェは職業ではなくて生き方です。カフェは、人生の目標です。
これはももクロの受け売りですが、そう思えるに至るまで、背中を“推して”くれたももクロに、ほんとうに感謝しています。ありがとう。

Nicolasブログ『茶番も15年、続ければ王道。』

寝付けないままスマホで時間を見たら2時を過ぎていた。Twitterでニコラのツイートがあり、ブログを更新したことが書かれていたので読んだ。
僕がニコラに行き始めたのは2013年ぐらいだったので、ブログにあるように今の二人でお店を回す前のパティシエと彼の妻の四人でお店を回しているのを知っている。それから彼らが独立して二人になってからはほんとうに大変だったのを見てきた。
今でもネットでニコラを検索すると当時のパフェが出てきたりしてそれがまだ出されていると思って来店する人もいるかもしれない(だいぶ減ったと思うけど)。そういう過去と現在進行形の今のお店は違っているのにネットでしか調べないような人から「なんでないんですか?」みたいなことを数えきれないくらい言われてきたと思う。
僕にとってカフェというとニコラだし、曽根さんと由賀さんがいるから会いに行っているし、美味しいコーヒーやデザートに料理を楽しみに通っている。
個人的には自分の大切な人や関係性を続けていきたい人だったらニコラに一緒に行きたいと思っているし誘う。オープンが16時だから時間帯的に一緒に行けていない友人もいるのでいつか誘えたらいいなと思っている。
数日前に渋谷駅の地下でももクロの看板広告を見てニコラの二人のことが浮かんだ。ブログにはちゃんと全部入る構図で撮った写真がアップされていた。「茶番も15年、続ければ王道」というキャッチコピーはほんとうに素敵だ。


先日、『ミステリー・トレイン』ポスターが届いたのに今日は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のものが届いた。注文日が違ったからか別日に発送されたのかな。こちらは白地なので部屋が明るくなるし、落ち着いた感じの写真なのもいい。


COTOGOTOBOOKSで注文していた町田康著『口訳 古事記』が届いた。インパクトのある装丁イラストと帯文。


twililightで行われた多和田葉子+倉本さおり『読むこと、書くこと』に仕事が終わってから行ってきた。多和田さんのトークが徒歩数分の場所であったら行くでしょってのもあるけど、来店チケットは発売した日の夕方にイベントあるって気づいて取ったらほぼラストだったので取れてラッキー。
書評家の倉本さおりさんが毎回ゲストを読んでトークとその作家さんの選書を合わせたフェアを組みわせたシリーズで、前は町屋良平さんゲストの時に行ったけど、お客さんの層がまったく違う感じだった。
ほんとうにたのしいおしゃべりという感じで倉本さんの大きな笑いが空間をあたためてほんわかとした空間にしていた。多和田さんは話す時にしっかり考えた上で、条件反射的に何かを言うということをしない語り口調でとても真面目な部分も感じたし、でもお茶目というかものの見方とか状況を観客的に見ながらもおもしろさを探されているのだなと思えた。
終わってから多和田葉子著『星に仄めかされて』(講談社文庫版)にサインをいただいた。文庫版はこのシリーズでちょっとポップな感じで、単行本はシックなデザインになっているので、多和田さんに聞いたら出版社が単行本と文庫で買う層が違うので文庫版はポップな方に寄せたデザインにしたとのことだった。なんかそれすごくわかる。

帰ってから本日中に提出予定だったライティング作業の続きをして日付が変わる前に送信して完了。
明日のミーティングで先方がどういう反応になるか、今やっているのは手探りな状態で作業をしているから意見を聞いた方が自分の考えの方向性がわかりやすくなる。意見を聞くのは怖いところもあるが考えがしっかりするので明日のミーティングが楽しみ。

 

5月20日
8時過ぎに目が覚めて洗濯機を回したりしてから、散歩がてら代官山蔦屋書店まで歩いていく。夜のミーティングまで予定はないので執筆作業と他のライティング作業は昼からにした。
新刊コーナーを見てもあまりピンとくるものはなかったが、アート関連のフロアで『BRUTUS』の珍奇鉱物特集の展示があった。
鉱石っていうのはほんとうに不思議な色と形をしていて、時間が濃縮されて形が歪でありながら人間の作れない創作物だから信仰の対象になったり、飾られたりするんだなって実物を見るとより感じる。

 2021年2月13日、福島県沖を震源とするM7・3(震度6強)の地震が起きました。
 フルハウスを含む我が家も「一部損壊」となり、家具、電化製品、食器——、家財という家財がことごとく壊れました。わたしたち家族は軽トラックをレンタルし、自宅と隣町にあるクリーンセンターを何往復もして、家財を廃棄し、借金をして建物を補修し、様々なものを購入し直しました。
 しかし、1年後の2022年3月16日、同じ震源域でM7・4(震度6強)の地震が起こり、我が家及びフルハウスは再び「一部損壊」となってしまったのです。
 全国的な報道量は極めて少ないですが、1年以上が経った現在でも、雨漏りを防ぐために自宅の屋根をブルーシートで覆う応急処置でしのいでいるお宅がまだたくさんあります。特に被害の大きかった相馬市では、業者の人手不足が深刻で、半壊以上と判定され公費で解体されると決まった建物1169棟のうち、解体工事が完了したのは43%にあたる500棟だということです(2023年3月現在)。

プログラム・ディレクター 柳美里からのメッセージ「わたしが手にした糸の端」

常磐線舞台芸術祭のプログラムが発表された日に3年前の『ゼロエフ』国道6号線取材初日に泊まったホテルを予約した。チケットは取れるだろうけど、問題は泊まるところだろうなと思った。
1日の夜に観て日帰りするのも時間的に余裕がないのはちょっときつい(余韻もありゃしない)し、夜の常磐線で仙台に行くのも風情はありそうだけど、せっかく行くなら1日ぐらいは泊まってその地でお金を使うべきだとも思う。僕は震災後からずっと観光客として福島に行っている。だからこそ、少しでもお金は使うべきだし、それが復興には大事な要素だと考えている。
『ザ・レディオ・ミルキー・ウェイ ラジオ朗読劇『銀河鉄道の夜』舞台版』が上演されるのは新地町文化交流センターだった。ホテルから目と鼻の先にある。3年前そのホテルに泊まった時に浸かった露天風呂は上記で柳美里さんが書かれている地震の被害で壊れて使えないままだということも古川さんに少し前に聞いていた。ホテルのサイトにもそう書かれている。
晩秋の阿武隈川取材の最終日は鳥の海から常磐線沿いに下って歩いていき新地駅が最終地点だった。だから、僕が今の所福島に行った最後の場所が新地駅だったりする。だから、久しぶりの福島は新地に行くのがいいなとも思うし、県境の宮城県の坂元駅から新地駅まで歩いても6キロぐらいしかないから雨でも降ってなかったら、坂元駅近くの山元町震災遺構 中浜小学校に寄ってから歩いていくのもいい。

19時から『THE SECOND』決勝トーナメントをTVerで視聴。マシンガンズが一回戦一試合目を勝ち抜き、二試合目で三四郎が勝った。昨日深夜に放送した『三四郎オールナイトニッポン0』でマシンガンズの西堀さんと超新塾のアイクぬあらさんがゲストだったのを朝散歩の時に聞いていたのだけど、その中でお互いに勝ったら2回戦目で当たるなって話をしていたのが実現した。そのまま見ていて囲碁将棋の漫才中に21時になったのでライティング作業のミーティングへ。
提出したものも問題はなく、次にやることなんかを話をしていて終わったら22時半過ぎでTVerの画面を見たらマシンガンズギャロップの決勝戦になっていた。そこからは見れたが、マシンガンズの最高に笑える負け方がカッコよかった。

 

5月21日
Cornelius - 火花 - Sparks 



この数日ジャニーズ事務所の亡くなったジャーニー喜多川前社長の性加害の問題をネットでも見るようになった。テレビのニュースなどでも触れるようになっているようだがそちらはテレビがないので見ていない。
去年の性加害でニュースになった園子温監督のことをやはり思い出す。僕は園子温監督のファンでかなり影響も受けていた。現場にはエキストラぐらいでしか行ったことはなかったがアトリエでお酒をご一緒したり、ノベライズや脚本を書かせてもらったりした。しかし、文春砲で取り上げられていた『ヒミズ』のプロデューサーは会ったこともないし知らないし、とかニュースなどで取り上げられることでも知らないことはたくさんあった。それぞれの関係者がグラデーション的に知っていることも違うし、関わっていることといないこともかなりわかれていたのだと後々わかってきたけど、やっぱり自分の心の中ではいろんなモヤモヤが残った。それは今でも残っている。
今回のジャーニーズ事務所問題で思うのはファンである人たちのことだった。ジャーニー喜多川前社長の慧眼によって見出されたタレントたちは大活躍してきた。彼は長い時代いろんなグループを世に出して日本の芸能界を牽引してきた。そういう意味では彼はやはり特別な才能を持った天才だったのだと思う。同時にそういう天才性によって見出されたタレントに一般大衆である多くの人たちが引き寄せられてファンとなって応援していって時代が作られていった。
天才というのは性的なことではなく、ある種の変態(異常者)であり、その過剰さみたいなものが世の中が求めているものを嗅ぎ分けてなにかの形にできてしまうのだろう。それをファンは意識的であろうが無自覚的であろうがどんどん消費していく。
僕もずっと園子温監督作品のファンであり、同時に消費者だったといえる。園監督が作り出す映画やドラマにはある種の暴力性や性的なものが描かれていて、僕はそれを求めていたのだ。だからこそファンというのは共犯者的な部分がどうしても出てきてしまう。僕もそのことは感じている。
どう考えてもジャニーズ事務所という名前は消滅すると思う。性加害、故人だとしても未成年への性犯罪を何度も繰り返してきた人の名前をつけたままの事務所というのは普通に考えても難しいだろう。今までジャニーズ事務所のアイドルのファンだった人たち、おばあさんお母さん孫と三世代でずっとという家族もいるだろう。そのぐらい日本の芸能史においてジャニーズ事務所というのは圧倒的だった。それが瓦解していくのを僕らは見ることになる。その時にいろんなアイドルのファンだった人たちがどんなふうにこのことを受け止めるのか、アイドルという存在における問題を突きつけられることは人生がまったく違うものになるほどのインパクトがあると思う。
性犯罪や性加害においてこれで日本という国のおかしい部分が露わになった以上、同じようなことが起こらないように法整備も含めて、僕らの認識も大きく変わらないとダメだと思うけど、ほんとうに変わるのか?とも思ってしまう。東日本大震災での原発問題も含めて、この国はダメだとわかっても止めないし、誰かの利害を優先することだけは止めないことで諦めがどうしても先にきてしまう。

執筆作業をしてから昼前に散歩をする。とりあえず、渋谷方面に歩いて行くがマスクをしている人がどんどん減っているなという印象。Radikoで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いていると昨日の『THE SECOND』準優勝のマシンガンズの話を若林さんが冒頭からしていてすごくよかった。
長く続けていて、なにかのターニングポイントが来たときに爆発するのは後輩や下の世代に慕われているかどうかが大きい気がする。もちろん先輩に可愛がられているというのも大事なことではあるが、やはり下に好かれている方がどんなジャンルでも仕事は続くと思う。
今日の『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』ではマシンガンズの西堀さん月アシスタントだし、滝沢さんもツイッターで有吉さんから業務連絡で呼ばれているから賑やかになりそう。竜兵会も有吉さんたち下の世代が竜平さんを慕っていて集まってたみたいだし、先輩が面倒見てたのが今に繋がってるのかなって思う。まあ、上にも下にも好かれたり、可愛がられたり、慕われているっていうのは結局人間性がいいってことだろう。それが一番難しいのかもしれない。

帰ってからお米を炊いたら3回やっても固くならず、水が残っていたりしてあれ炊飯器壊れたのかなって思う感じになっていて、諦めて今年最初の冷やし中華をコンビニで買って食べた。そのあと執筆やライティング作業をやる気が起きないのでのんびりながらリアルタイムで『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』を聴いた。

 

5月22日
なんだか一日中お腹がゆるかった。起きてからリモートワーク始めるまでは特になにもなかったが、お昼前ぐらいから下痢っぽい感じだなとトイレに行くとほぼ水が出るような状態でそれが長い時間続いた。
昨日コーヒーとか水分を摂りすぎたせいなのか、それにしても下痢ですらなくて、いやこれも下痢でいいのか、ほぼ水分が小便のように出るとほんとうに気が抜けない。おならも怖くて出せないからその感じになったらトイレに行って大便の格好で座る。あとは気持ちガスが溜まっている感じもあったが、これは水分の摂りすぎだったのか、何らかの下痢なのかわからない。

STUTS - Expressions (Live at LINE CUBE SHIBUYA 2022) 


STUTSのライブ映像がYouTubeにアップされていた。そういえば、武道館ライブは来月の6月23日なのでほぼ一ヶ月後。
ゲストの数がこんなにいるライブはこの先たぶんないだろうし、観てみたいアーティストばっかり。STUTSのライブは一回しか観たことがないけど本当に楽しかったので、武道館というキャパでどんなライブを繰り広げてくれるのか期待しかない。


仕事が終わってからニコラに行ってアアルトブレンドとそら豆と木苺のモンブランをいただく。先日のニコラブログのことを話したりできた。コーヒーもデザートも美味しくて心がホッとした。

 

5月23日

起きてから作業をしようと思ったがちょっと怠さがあったので、9時過ぎまで再び二度寝。雨はずっと降っているし、最近は地震も多い。雨降りで気圧が関係しているのか、起きようと思って着替えて家を出る。傘はあったほうがいいけど、なくてもそこまで濡れない程度の降り。帰りに雨が降っている可能性も高いのでとりあえず傘を。
渋谷方面まで歩いて道玄坂からPARCO方面に向かってから坂を下っていきヒューマントラスト渋谷へ。気になっていたベス・デ・アラウージョ監督『ソフト/クワイエット』を鑑賞。お客さんは平日だけどそこそこ入っていた感じだった。年齢層は高め。

マイノリティへの偏見を持つ白人女性たちがあるトラブルをきっかけに取り返しのつかない事態に陥っていく様子を全編ワンショット&リアルタイム進行で描いたクライムスリラー。

郊外の幼稚園に勤めるエミリーは、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義グループを結成する。教会の談話室で開かれた初会合には、多文化主義や多様性を重んじる現代の風潮に不満を抱える6人の女性が集まる。日頃の鬱憤や過激な思想を共有して盛りあがった彼女たちは2次会のためエミリーの家へ向かうが、その途中に立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹と口論になってしまう。腹を立てたエミリーたちは、悪戯半分で姉妹の家を荒らしに行くが……。

ゲット・アウト」のジェイソン・ブラムが製作総指揮を手がけ、これが長編デビュー作となるベス・デ・アラウージョがオリジナル脚本・監督を務めた。(映画.comより)

白人至上主義を掲げる女性とアジア系の女性の『昭和歌謡大全集』みたい対決になるのかとなと思いきや、かなり一方的な展開になっていく。悪戯半分でとは説明にあるが、明らかに常軌を逸する行動になっていく。白人至上主義の女性たちが日常や法を簡単に踏み越えて人間ではなくなっていく姿を描いているので、胸糞悪くなる映画だった。だけど、嫌な現実としてこういうことは起きている。
観ながら連合赤軍内ゲバのことを考えていた。集団でいると人は個人の尊厳や自由を簡単に奪い、蔑ろにする、できてしまう。そして、最終的には内部で揉めて疑心暗鬼となり、内側でさらなる悲劇が起きるというのがよくわかる映画だった。ワンショットのみなのでドキュメンタリー風味も強い。

エミリーは冒頭で妊娠検査薬を使って、妊娠できていなかったということに落胆しているシーンから始まる。美男美女の夫婦というふうに周りにも見られていて、あとは子供だねと言われているのも作中でわかる。それだけが足りずに彼女には彼女にとっての完璧な家庭が手に入れることができない。そのことが引き金になっていくのも描かれている。
夫の方は途中でアジア系の姉妹の家に行くまで途中出てくるが彼の方が常識人であるし、彼女たちを止めようともしている。エミリーは古い慣習というか良妻賢母的なかつての世界におけるものに捉われているのがよくわかる。
確かに多様化する社会では今までのルールや常識は通じなくなったり、思いもしないハプニングや衝突が起きる。彼女たちは白人であることで言いたいことも言えないという風に今の現状に不満をいただいている。自分たちがなにかをいうと差別だと言われる、それは逆差別であると集会で話している。

見れば見るほどにこうやって人は差別していく自分を肯定し、レイシストになっていくのだなとわかる。途中でエミリーの兄がアジア系姉妹の一人をレイプした罪で刑務所に入っていることがわかり、彼女からすればアジア系の女性が兄を逆にハメたのだということになっている。そのことでエミリーは彼女たちに対して憎しみをそもそも持っている。そのことがきっかけでエミリーたち四人と彼女の夫はアジア系女性の家に車で向かっていくことになる。そこで度を越した行動を彼女たちが起こしていく。夫は早々にそこから出ていき彼女たちは暴れていって常識の外に出てしまう。そのことで決定的なことが起きたことで物事は本当に救いのない展開になってしまう。
最後の最後に彼女たちに傷みつけられた姉妹の姉のほうが死なないで生きていたことだけがわかるシーンで終わる。この先の描かれていない部分は簡単に想像ができる。彼女たちは姉に報復されるか、警察によって逮捕されて檻の中で過ごすことになる。だが、エミリーたちは自分たちが悪いとは思わないのだろうし、四人は四人で誰かのせいにして自分の非を認めないようにも思える。
人が一線を簡単に越えてしまうこと、集団になると人は個人の時とは違う論理で動いたり、暴力性をむきだしにしてしまうのがよくわかる。集団でいたくないなと思うのはこういう時に自分が暴力的になったりしてしまうのかもしれないという恐怖が僕にはあるから。

今週末からなお楽しみシャーロット・ウェルズ監督『aftersun/アフターサン』のポスターが階と階の間の部分に飾られていた。同じA24の『mid90s ミッドナインティーズ』ぽさもあり、90年代の少年少女たちがディレクターになっている感じがする。
家庭用ビデオカメラの普及からスマホで動画を撮るのが当たり前になる間の物語ではビデオテープが記憶や過去を思い出させるフックになるし、テープは劣化するし目に見えるってのが感傷的になりやすい。画像や動画が劣化しない世界になってるの不思議。

 よく日本のアニメ産業は何故かくも隆盛したのかという問いに、『信貴山縁起』などの絵巻物の伝統があるからだという人がいるが、そういう答えを喜ぶのはジャポニズム好きのフランス人ぐらいのもので、「まんがというチープなデベロップメント」がそれを支えていると考えるのが正しい。実際、中国では映像などで多メディア展開できる題材をIPと呼ぶが、webコミックはもっぱらIPの開発手段として位置づけられている印象だ。
 本書は、今まで評価されなかった、そういうまんがの見えにくい役割を明確にさせるため、敢えて、「デベロップメント」という言い方をする。企業も、ビジネスとして、そういう考え方をし、まんが制作の予算組みを考え直すべきではないか。まんが家は1コマ1コマ「まんが」を描きながら、同時にIPのデベロップメントをしているのだ。
 などと書くと、「まんが」は「表現」だ、ビジネスとして語るなという声もあろうが、まんがの作り手を含めた物書きが、いったい、表現することに真摯でないことがあるのか。

大塚英志著『まんが原作・原論 理論と実践』あとがきより

帰りに書店によって本日発売の大塚さんの新刊を購入。いつも通り最初に読むのはあとがきから。あとがきがあるかないかでけっこう印象は変わる。
小説とかは文庫版とかであとがきがあることもたまにあるけど、たいていは解説。新書とかサブカル関連のものなんかはあとがきとかわりとある。大塚さんの書籍はほとんどあとがきがあると思うし、それを楽しみにもしているところがある。

日置 いま配信全盛期で、M-1(グランプリ)の準決勝も生配信にして、さらにアーカイブも残していますが、THE SECONDの予選は生配信のみ。アーカイブは残さなかったんです。理由としては、決勝の生放送では、優勝するまでに3ネタやらなきゃいけないんですが、アーカイブに残すと、芸人さんのネタをすり減らしてしまうことになるんですよね(視聴する人が増えてネタバレになる)。
あとは16年目以上の芸人さんが持ってくるネタって、基本は寄席でやっているネタで、商売する道具だから、それを僕たちがコンテンツにして、オープンにしてしまうのは気が引けたんです。もし、来年以降もやる場合でも「これが自分たちの中での鉄板ネタで、これで優勝したいんだ」と同じネタで臨みたい芸人さんもいると思うんですよ。

『THE SECOND』総合演出が語る大会への想い「芸人ファーストにしたい」

Twitterで流れてきた記事。これを読むとほんとうにこの『THE SECOND』は考えられているし、できれば続いていってほしいと応援したい気持ちになる。

昨日からNHK夜ドラ『おとなりに銀河』を見始めた。この帯シリーズは長くても二ヶ月ほどと放送期間が短い。朝ドラや大河ドラマをやるようになる役者と脚本家と演出家を育てる、見出すという部分があるように感じる。
次世代を育てるのはほんとうに大事なこと。わりと放置プレイされた感じのある80年代生まれは身に染みていると思うし、同世代と話とそういう話にもなる。だけど、僕らは力もないので才能ある下の世代の邪魔だけはしないようにしようという話に最終的にはなっていく。
帰ってからライティング作業の続きを、別の〆切もあるから今週中に大きなものを二つは終わらしておきたい。

 

5月24日

肌寒さで目が覚めてから執筆を少ししてからリモートワークを開始。10時ぐらいにクロネコヤマトさんが来てカクバリズムデリヴァリーで予約していた本日発売のceroニューアルバム『e o』が届いた。とりあえず、自分のMacBook Airに外付けのCDドライブを繋いでiTunesに読み込んだ。
『e o』はCDを予約していると『Are We On The Same Page?』というデモ曲のCDもついていたのでそちらも読み込んでから一回目通して聴いた時は7曲目『Evening news』の終わりから8曲目『Fdf』に入っていく流れがすごく気持ちよかった。ツアーの終盤のZepp Shinjukuのチケットは取っているのでライブで聴くのが非常に楽しみ。



cero『e o』ジャケ見て思い浮かんだのがパトリック・シャモワゾー著『カリブ海偽典』だった。

 こうして書き進めてくると、本作『e o』は、2018年の前作『POLY LIFE MULTI SOUL』で取り組まれていたポリリズミック/ポリフォニックなcero流ポップソングの「完成形」である、と表現してみたくなる。その見取り図もある程度は正しいのかも知れない。けれども、繰り返しになるが、このアルバムには「完成」という表現を拒むなにか強い力が脈打っているということも、ますますはっきりと浮かび上がってくる。
 前もって公開されている髙城自身の言葉によれば、このアルバムの制作は、約5年間をかけて、髙城晶平、橋本翼、荒内佑のメンバー3人で同じ空間に集まりじっくりと進められたという(あくまで各曲に都度取り組んでいったというのが実態で、あらかじめアルバムのための「青写真」が設定されることはなかったという)。コミュニケーションを重ね、様々なトライ&エラーを重ねながら、長い時間を経て音の潜在性と対峙し、その生成の様を記録してく。この『e o』のサウンドに、そのようなプロセスそれ自体=音楽が生まれ変化していく様がはっきりと映し出されていると理解してみれば、なぜこのアルバムが旧来的な意味における「完成」という概念からすり抜けてしまうように感じられるのかも理解できるはずだ。

「非完成」の音楽とは何か ―生まれ、変化する『e o』 text: 柴崎祐二

『e o』を仕事中に一回しか通してしか聴けなかったのはradikoで『アルコ&ピース D.C.GARAGE』『JUNK 爆笑問題カーボーイ』『星野源オールナイトニッポン』『あののオールナイトニッポン0』『BEFORE DAWN』と仕事以外に休憩中もずっとラジオを聴いていたからだった。火曜深夜は聴きたいものが集中しているから水曜日の仕事は捗る。

あののオールナイトニッポン0(ZERO) |  2023/05/23/火  27:00-28:30 

『THE SECOND』決勝進出者たちはパンクス、三四郎相田周二だけはメルヘンっていうあのちゃんの発言はすごいし、三四郎のラジオとか聴いているとそれがすごくよくわかる。最後にsyrup16g『生活』が選曲で流れたのもうれしい。
燃え殻さんがMCを務める『BEFORE DAWN』は、燃え殻さんが原作を書いてAmazon audibleで配信中の作品『湯布院奇行』で朗読をしている安藤政信さんがゲストだった。僕は15、6歳からずっと安藤さんファンなので、燃え殻さんめっちゃ羨ましいと思ってたんだけどトークを聴いたら二人の温度感というかその声の質感みたいなものも似ているような、近い感じがしてだから引き寄せれるというか一緒に仕事をすることになったんだろうなって思うようなものだった。

リモートが終わってからゆっくりとリラックスした気分で『e o』を最初から最後まで聴いた。そのあとそろそろ今週中には終わらせないといけないライティング仕事を寝る前までやった。

 

5月25日
夢を見たが今となっては思い出せない。だが、夢の中で何かの作業を僕は繰り返していた。そこで僕はその作業に飽きていた。もういやだなと思っていると目が覚めた。数日前の暑さはどこかにいってしまい、寒さが戻ってきていた。
起きると部屋の寒さと尿意を感じてトイレで小便をしてもう一度布団に戻った。もう少しだけ寝ようと思って目覚ましを1時間後にセットして目を閉じた。その時にも夢の続きか、似たようなものを見たはずなのだが、もう思い出せない。

目覚ましで起きてから執筆はしないで渋谷方面に散歩に行く。給料も入金されているので銀行に行って家賃を振り込み。自分が使っている銀行のアプリもあるのだが、家賃はなんか銀行に行ってCDで振り込みしたい。渋谷駅近くの銀行は混んでなかったので並ばずにすぐに振り込み。
明日観ようと思っている映画のチケットをそのまま買おうと思ってヒューマントラストシネマ渋谷まで。チケット買ったので家に帰る。行って帰る間はずっと『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』を聴いていた。『THE SECOND』のことを話していたけど、高校か大学時代の友人とホテルで酒や食べ物をデリバリーして番組を見たという話はなんかすごくよかった。こういう大人の楽しみ方があるんだなって思うし、羨ましい。

BOOKSTAND映画部!」のレビューコーナー「月刊予告編妄想かわら版」2023年06月号が公開されました。6月は『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『水は海に向かって流れる』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』『小説家の映画』を取り上げました。

この記事がアップされてSNSに挙げていたら、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の試写の連絡をもらったのですぐに試写予約をお願いした。
帰ってからは週明けにある打ち合わせ前までに終わらせないといけないライティング作業をずっと。

 

5月26日
前日に引き続き寒さで目覚ましが鳴る前に起きる。執筆作業をしてからリモートワークをやっていたが、どうも軽い頭痛があった。
気圧のせいなのか、なんなんかよくわからないけど気になるのでロキソニンを飲んだらしっかり効いて痛みは感じなくなった。
夕方過ぎに千葉で震度5地震があり、東京23区も震度3の揺れだったらしい、頭痛とはたぶん関係ないとは思うのだけど、地震の前になにか気圧とか変化はあるのだろうか。

朝日新聞の「文芸時評」は最終金曜日に掲載となったので、もしかしたら何度かに1度はこの「現在地」のアップと重なる。今日(2023/05/26)もそうだ。今回の時評では5作品を取りあげた。つまり、それに数倍する作品に目を通した……と言える。なんでそういう大変なことをやっているのかというと、〈文学〉の土壌を豊かにしたい、少しでも肥沃にしたいと願っているからだ。自分自身、よい作品と思う小説を発表したのに、誰にも読んでもらえていないのではないか、と呻吟する場合がある。もしかしたら結構ある。こういう時、自分はこの〈文学〉の大地から芽を出して花を咲かせたいのに、どうも大地自体が痩せていた、みたいに感じることが多い。で、大地って何かと言ったら「植物たちに養分を授けてくれるもの」だろう。自分は無力な存在だけれども、この自覚は間違っていて、自分は「『微力』な存在」なのかもしれないと思い直して、だから、それだったら栄養をちょっとは他の作家に、他の作品群に与えられるかな、とか思って(それは思いあがりかもしれないけれども)、いま、頑張っている。いま、無理して読んで頑張っているし、ここから長めのスパンでも、やっぱり踏ん張ろうと考えている。

無力と微力の相違 2023.05.13 – 2023.05.26 東京・埼玉


古川日出男の現在地」が更新されているのを読んでから夕刊を買いに行った。先日、ロロを一緒に観に行ったパン生地くんが教えてくれて気になっていた『文學界』に掲載されていた乗代雄介著『それは誠』、古川さんも朝日新聞の月一の文芸時評で取り上げていた。
芥川賞候補ギリギリになる6月号に掲載しているからたぶん候補になるのだろうし、乗代さんは野間文芸新人賞三島由紀夫賞を取ってるから、候補になって芥川賞を受賞したら男性ではじめて三冠取るんじゃないかな、たぶん。
三冠受賞しているのは笙野頼子鹿島田真希本谷有希子村田沙耶香、今村夏子と男性作家はいないみたいだし、乗代さんはその流れに連なる作家さんだと思う。


ヒューマントラスト渋谷にてシャーロット・ウェルズ監督『aftersun アフターサン』初日を鑑賞。何度も予告編を観ていたしA 24配給作品なので気になっていた。
ポスターやパンフレットのデザインを大島依提亜さんが手がけられているのも自分的には大きい。彼のポスターなどをデザインした映画は期待度が上がるし観たいと思わせるものが多い。たまに書籍の装丁デザインも手がけられているので、そこも気になっている。

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。

11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらせてゆく。

テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。(映画.comより)

R.E.M. - Losing My Religion (Official Music Video)



正直、期待していたほど僕には響かなかった。これはなんなんだろう、娘と父親の関係性の話であるバカンスの間だけの短い時間を描いているし、監督の個人的な経験や記憶が作品に入り込んでいるはずなんだが、眠くはならないもののどこかうまく気持ちがハマらなかった。
薬が切れたのかちょっと頭痛もしていたのも関係していたのかもしれないけど、描かないことで父親の抱えていたものなんかを観客に委ねている感じもあったけど、今の僕にはそれがハマらなかったし、なんかそういうことじゃないんだよなって気持ち。ノスタルジーぽいけどそうではないのは世代の問題なのか、どうなのだろう。

宮崎大祐の新作「PLASTIC」尾野真千子とよた真帆小泉今日子ら捉えた新写真

ニコラ友達の藤江くんがメインキャスト、このままブレイクしちゃってほしい。

 

5月27日

深夜1時過ぎまでライティング作業をして7時前に肌寒さで目が覚める。もともと8時半ぐらいには家を出る予定だったが、ちょっと早いし寒いから目覚ましを7時半にして二度寝。このところ暇があったら数十分ぐらいでも横になって寝ていると脳がすっきりする。眠りの季節みたいに思える。なにかからの逃避行というか逃げのような気もしなくもないが。
歩いて30分ちょっとで道玄坂を下ったところにあるTOHOシネマズ渋谷に行って、地下にあるスクリーン6へ。
もともとドラマシリーズも全部見ていて、映画化発表から楽しみにしていた『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は昨日から公開開始。
どこかのタイミングで観ようと思っていたが、ここ渋谷だとスクリーン1とか小さなところばっかりで大きめのスクリーンではあまり上映しない感じだった。TOHOシネマズ六本木にて舞台挨拶が行われ、それが全国のスクリーンでも同時中継される回では渋谷でも中ぐらいのスクリーン6でやるということだったのでこの時間帯にした。

今回の映画版では好きな俳優である安藤政信さんも出てるし、ドラマから引き続き音楽は菊地成孔さんと新音楽制作工房だというだけでも僕はスクリーンで観たい理由になった。エンディング曲『大空位時代』は菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのおチャードホールでのコンサートで一度聴いた。色気や情緒たっぷりでほんとうに素晴らしいのだけど、この曲は音源化されていない。菊地さんが歯などの手術をしていて、今年上半期に予定されていたライブや音源リリースなどは秋以降にスライドしているので、その時にリリースされるであろうペペの次のアルバムには入るはず。
お客さんは高橋一生さんとなにわ男子の長尾謙杜さんのファンらしき女性が8割ぐらいいた感じだった。

荒木飛呂彦の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品で、高橋一生の主演でテレビドラマ化されて2020年にNHKで放送された「岸辺露伴は動かない」の劇場版。

相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を備えた漫画家・岸辺露伴。青年時代、露伴は淡い思いを抱いていた女性から、この世で最も邪悪な「最も黒い絵」の噂を聞いた。それから時がたち、その絵がフランスのルーブル美術館に所蔵されていることを知った露伴は新作執筆の取材と、かつてのかすかな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、美術館職員に「黒い絵」の存在を知る者はなく、データベースによってヒットしたその保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。

ドラマ版から続投となる露伴役の高橋、担当編集者・泉京香役の飯豊まりえのほか、木村文乃、長尾謙杜、安藤政信、美波らが顔をそろえる。監督・渡辺一貴、脚本・小林靖子、音楽・菊地成孔、人物デザイン監修・柘植伊佐夫と、ドラマ版のスタッフが再結集した。(映画.comより)

日本を舞台に物語は始まるが、現在の露伴から過去の漫画家デビュー直後の青年期の露伴が出会った女性と彼女から聞かされた「最も黒い絵」の回想、そこからフランスのルーブルにその絵を求めて露伴と担当編集者の泉京香が取材で訪れる。
普通にルーヴル美術館モナ・リザの絵の前で高橋一生さんは岸辺露伴として演技をしているのを撮影していて、ほんとうにすごいことしてるなって思った。荘厳な佇まいのルーヴル美術館に観ているうちにどんどん行きたくなってくる。
こういう時のレギュラーでやっていた作品にゲスト的に安藤さんが出るとたいていの場合は敵キャラや何かを企んでいる&最終的には死ぬみたいな役どころが多いのだけど、今回もそっちだった。いかにも胡散臭い役柄という感じで演じていた。
ルーヴル美術館での「最も黒い絵」をめぐる物語のあとに舞台が日本に戻ると、青年期の露伴が出会った謎の女性との関係がある種さらに過去編として描かれる。
そこに関してはなんというか、フランス人とかが好きそうなジャポニズムみたいな感じでちょっと安易だなとは思ったんだけど、でも、きっとそういうことをあえてやっている。それが高橋さんが最後に舞台挨拶した時に言われた「娯楽」ということに繋がっているのだと思う。

「この作品は娯楽です、当然のこと。娯楽作品というのは、人の心を動かし得るものだと思っています。現実的な作品、写実的な作品は僕も好きですしすごく必要だなと思いますが、時代によってはそれがすごく身につまされてしまったり、夢を見れなくなってしまったりすることもあるんじゃないかなと」

「『皆さん何度も足を運んでください』なんていう月並みなことは言いません。ですが作品というものがすごく消費されやすくなっていて、俳優はもちろん、作品も忘れ去られていくスピードがどんどん速まっていっているように思います」
「この作品が楽しいとか素敵だなと思っていただけたのだったら、作品というものも俳優というものも、スタッフワークというものももしかしたら儚いものなのかもしれません。それを大事にしていただけたらと思います」

高橋一生岸辺露伴」集大成で真摯な思い「何度も足を運んでくださいなんて月並みなことは言いません」<岸辺露伴 ルーヴルへ行く>

高橋一生さんが今の時代に娯楽が必要な意味、作品や俳優が消費されてすぐに忘れられてしまうことについて思うことをしっかり自分の言葉で話された。その真摯な姿勢というか気持ちがこちらに届いたと思えたし、役者としての責任感やもの作りのこだわりがしっかりと感じられた。高橋さんが出演する野田地図新作もチケットは取れているので、彼を舞台で観るのがより楽しみになった。

 

ドラマの制作チームからのオファーは、「“ペペ・トルメント・アスカラール”(菊地が主宰するバンド)の作風でお願いします」という内容だったんですよ。それで、こういうのは本当に偶然で、僕は偶然によってしか動かないんですけど(笑)、ドラマのエンディングテーマ曲の方向性を示す締め切りの日に、たまたま「BM&C」の授業があって。その日に生徒が提出してくれた楽曲をドラマの映像に合わせてみたら、何曲か「ピッタリだな」という曲があって。そのなかの1曲が、『岸辺露伴は動かない』のエンディング曲のリファレンス(参考音源)になったんですよね。

年寄りというのは、才能のある若い世代が登場したときに、厳しく当たって潰してしまうようなタイプと「俺はいいから、どんどんやって」というタイプがいると思うんですが、僕は完全に後者なので。というか、どうやったら前者になれるのかすら分かりません(笑)。この記事が出るころには還暦ですからね。チャーリー・パーカージョン・コルトレーンはとっくに亡くなっている年齢ですし、自分が尊敬しているクリエイターが60歳のときになにをやっていたか調べてみると、やってもやらなくても良いようなことをして時間を潰してるか(笑)、後進のために活動しているかのどちらかなんです。流れに身を任せているうちに「あ、オレ、ギルドを作るんだ」と思いましたね(笑)。

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の劇伴で話題に 菊地成孔率いるギルド的なクリエイター集団とは?

菊地さんは歯の手術もうまく完治して秋以降にはライブやリリースをしてほしい。最近は『ビュロー菊地チャンネル』のコンテンツ「大恐慌のラジオデイズ」ではずっと『刑事コロンボ』の話をしている気がする。聞いていておもしろいんだけど、もっと音楽の話も聞きたい。

高城:1枚目、2枚目はインナーワークっていうか、スタジオワークよりも家で、というテンションだったから、今回はその点も少しデジャブがあったりするんですけど。それもまたトラックとのなじみのよさにつながったのかな、とか思いますね。あと小森(雅仁)さんの歌の出し方がこれまでのエンジニアさんとちょっと違うアプローチだったんです。

ーエンジニアワークは具体的にはどんなところに違いが?

高城:『Nemesis』が皮切りになったんですけど、これまでのceroは「僕たちは歌を中心にするようなグループじゃないんですよ」みたいなエクスキューズがつねにあって、「どっちかというと全体の構造を見てほしいバンドなんで」みたいなことをエンジニアさんに感じとってもらっていたところがあって。

それが自分たちのスタイルだと思ってやってきたんだけど、不思議と小森さんと初めて『Nemesis』をつくったときに、うちのバンドはこういう感じなんです、みたいな指示が特になかったんですよね。何となく好きにやってみてくださいみたいな感じでやったら、ぐんと歌が前に出て。その感覚がすごく新鮮で。

ー1曲ずつ完成していって、アルバムとして形にするにはもう一段階あったんでしょうか? それとも曲が貯まっていったら自ずと完成した?

高城:シングル4枚配信で出していってるときはアルバムのサイズ感では全然考えられなくて、とりあえず「一曲入魂」みたいな感じでした。

3人で集まって何かするっていうことに可能性だけは感じているから、プロセスを繰り返したんですね。ただ、このテンションでやり続けたら、アルバムにできるなと思ったけど、それでいくとベストアルバムみたいな、脂っこい感じのアルバムになりそうな気がしてきて。そこで初めてアルバムに考えが及んできた。

いろんなBPMでいろんな音色の曲があるけど、「静けさ」みたいなものがシングル4曲になぜか通底してあるから、それを引き継ぐようにしてほかのアルバム曲をつくっていこうと。ほかにも「フラクタル(※)な楽曲構造」っていう共通点があって、ハーフで刻んでゆったりたおやかなパートと、ものすごく刻んで性急で切羽詰まったパートが、同時に流れてる感じ。

ここがceroの本当の始まり――高城晶平&荒内佑が語る『e o』。真新しいものがなくなり、音楽はどこへ?

写真を撮影しているのが三田村さんだった。三田さんが撮影するアーティストは信用できるというか、撮っている人たちがやっている音楽が一様にいいなと思える人が多い。最近cero『e o』を何度も聴いているのでこの記事の内容もすごく作品について深掘りされているし、写真もカッコよくて勝手に嬉しくなってしまった。

夕方に数十分仮眠してから30分ほど散歩に出た。渋谷の行き帰りで『三四郎オールナイトニッポン0』を聴いていたが後半はあんまり覚えていなかったのでそこをもう一度繰り返して聴いた。『THE SECOND』の裏話であり、『ハライチのターン』でも澤部さんが話していたことと繋がった感じの内容を小宮さんが話していた。
帰ってきてからは『Zガンダム』をネトフリで流しながら作業を寝るまでやった。

 

5月28日
起きてからすぐ8時から〆切が近いライティング作業を開始。執筆する時間を取るのは今週は難しそう。昼過ぎぐらいに目処がたったので一旦作業を止めて昼ごはんを買うことと体を動かすためにオオゼキに向かう。買い物をして家に帰ると30分も経っていないので、買い物袋を家に置いてから駅前に向かう。その間はずっとradikoで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いていた。
若林さんの野球観戦とユニフォームの話と自転車に乗り始めたことで体が鍛えられていることについて春日さんに肉体作りのことを聞いていて、野球というお互いに好きなものと肉体作りについての話題で二人の会話が心地よく進んでいた。春日さんはNONSTYLEの石田さんの家に家族で行ったことについて話をしていた。もう、ラジオを聴くために散歩している感じもする。


浅田弘幸著『完全版 I’ll』4巻が出ていたので購入。『月刊ジャンプ』で連載されていた漫画が小学館クリエイティブから出ていることに、流れた時間を思う。毎回このシリーズを買う時に思うんだけど。

帰って買ってきたバジル風味に味付けされた鶏肉を焼いて食べる。それから午後のライティング作業をしていた。その際にずっとノートパソコンのWordを出している画面ともう半分はネトフリで『Zガンダム』を流して見ている。
きちんとこのアニメを最初からここまで(今は40話を過ぎてクライマックスに近づいている)見たのは初めてだが、ファーストガンダムも同じように流して全部見てから自作の『Z』を見ているので、そりゃあ、シャアとアムロの話を入れ込みたいよなって思った。
最初『Z』の企画案でのタイトルが「逆襲のシャア」であり、のちに二人の戦いの完結編となる映画のタイトルはここで出ていたわけだから、富野さんは構想ではこのアニメシリーズで二人の決着をつけたかったのかなとか思いながら見ると不思議な気持ちになる。
一作目がヒットしてプラモデルを売らないといけないというスポンサーからの圧もあっただろうし、いろいろと思い通りにはいかない中でこれを作って、さらに続編『ZZ』があり、映画『逆襲のシャア』へと繋がる。
僕は『逆襲のシャア』をちゃんと観ていないのにその時系列で繋がっている『閃光のハサウェイ』は映画館で観たのだけどすごくおもしろかった。僕が初めて映画館で観たガンダム作品になったわけだけど、富野さんが原作となる小説を書いたのは30年近く前というのを知るとここまで育った巨大なコンテンツにはもう新興の新しいコンテンツはそうそう立ち向かえないなと思ったりもする。
夕方に最後まで作業が終わったので、また30分ほど散歩がてら外に出た。曇り空でちょっと天気が崩れそうだなって思う色合いだった。
晩御飯を食べてからとりあえず最後まで終わったライティング作業のものを見直しながら、最終的な仕上げにかかった。余裕ぶっこいて今日まで時間がかかってしまったことはよくないけど、このタイミングで作業ができたことは明日の仕事の復習にもなるのでいい。でも、余裕を持ってやっていかないと夏頃にやられそうな予感もある。

 

5月29日

早めに起床して昨日の夜にしていたライティング作業を見直して修正をしていたら、11時近くになっていたので家を出た。少し蒸していて雨は降っていなかったが夕方から雨との予報だったので傘を持っていった。渋谷駅から永田町駅まで乗って有楽町線江戸川橋駅まで。一ヶ月に一回のお仕事で護国寺に来ているが、神田川を見ると季節の移り変わりを感じる。
13時から15時過ぎまで作業をしてから帰ったが、雨らしい雨はほとんど降っていなかった。傘がいらなかったと思いつつも、MacBook Airを作業用に持ってきていたのでもし雨が強くなったらと思うと仕方ないなって。関東はまだ梅雨入りはしていないようだけど、もう6月前だし他の地域は梅雨入りしてると電車のモニターでニュースが出ていたので関東も梅雨入りにしちゃえばいいのに。どうせ天候はしばらくよくないだろうからなし崩しに梅雨入りすると思う。


最寄駅で降りて書店を見ていたら『ユリイカ』2023年6月号「特集=A24とアメリカ映画の現在」が出ていたので購入。いいね、この表紙。A24というブランドの強さはこの何年かで証明してきていたわけだが、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のアカデミー賞席巻したことで世界中に改めて知らしめることになった。だから、この特集はするべきだし、今やらないといつやるのよって感じでもある。

家に帰ってから別のライティング作業をしなければと思いつつも、移動して人と会ってそこで作業するとやっぱり自分でもなぜだかわからないけどなにかドッと疲れる。
家ではずっと一人だし人と長い時間一緒にいるということがない普段ないというのも影響しているかもしれない。その仕事は楽しくやっているし、一緒にいた人たちも尊敬できるし一緒に作業をさせてもらってありがたいと思う、だけど人といると疲れるというのは当たり前のことだろう。
風呂に浸かってから読みかけだった本を読みながら寝落ちした。

 

5月30日
普段は休みにしている日に朝早く起きて仕事をやろうと思うとなんだかとても損した気になる。昨日は普段通りの朝から夜までのリモートワークをしなかったが、お昼からはしっかりライティング仕事をしたこともあって自分の中のルーティンがちょっと崩れたのもあって帰ってからは作業をしなかった。なんとも不思議なものだ。
昨日休んだので代わりに今日は出勤モードでリモートワークをする。その前に少しだけ執筆関係の資料を読んだ。できないときは資料とかを読んでみたりして少しでもその時間を使ったという状態にしておきたい。それがいいのか悪いのかはよくわからないけど。

僕たちは自分たちを人間と呼んでいるよね。でも、僕らは動物的なことをお互いにやっているんだ。僕らは人から人間らしさを奪うことで、不道徳を正当化する。"彼は動物だから、そうやって扱ってもいいんだ” この作品の中に出てくるさまざまな種類の小さな疑問は、すべて人間に当てはまる疑問だ。自分は自由なのか?それとも、サーカスに登場する動物なのだろうか?これらの問いは、僕が人種について考える方法と交わっているんだ。 - Kassa Overall

昼休み休憩で蔦屋代官山書店まで散歩。Tシャツだとなあって思っていつもの軽めの上着を着ているとちょっと汗ばむ、気温というよりも湿度のせいか。数日前から気になっていて、YouTubeでも曲を聴いていたKassa Overallのニューアルバム『ANIMALS』があったらいいなと思って二階の音楽フロアに行ったらしっかりコーナーというかエリアができていた。購入すると音楽評論家の柳樂光隆さん監修のハンドブックが購入特典でもらえた。

帰りの途中でニコラでたまにカウンターでご一緒する瑞穂さんとばったりお会いしたのでちょっと立ち話。ヴィム・ヴェンダースの新作の話から昔の映画館とか諸々。
なんかこうやって歩いていると知っている人に会えてなんでもないような話ができるっていうのが地元というか住んでいる町(エリア)だなって思う。
実家に帰ってもこういうことはまずない。そもそも田舎で歩いている人は老人ぐらいで僕ぐらいの年齢の中年は車に乗って移動しているし、地元に残っている人もほぼいないから会うことがない。
そういう意味でもやっぱり人生の半分以上は東京で生活しているし、今の町にも12年ぐらい住んでいる。仕事柄引越しする必要はないし、わざわざ知らない町で生活をしたいとも感じない。そのためにここでこのままずっと生活できるような基盤というか経済力みたいなものは持っておかないといけないなあ。
家に戻ってからリモートワークを再開して、iTunesに読み込んだ『ANIMALS』をずっと流しながら作業をしていた。


柳樂さんが『ANIMALS』の日本版購入特典のハンドブックのために作った『ANIMALS』をより深く聴くためのプレイリストがあった。

 

5月31日
あと一ヶ月で上半期が終わる。たぶん週末には梅雨入りをする。あっという間に夏が来て秋を感じに冬になる。心地よい春先の時期は桜が散るよりも早く過ぎてしまう、そのことだけが残念だ。
〆切間近の原稿を起きてから進める。文字数も決まっているのでその枠内でやるということが楽な人とそうではない人がいるのだと思う。僕今まで続けさせてもらったライター仕事での連載で文字数が定まっていたのは紙媒体だった『週刊ポスト』の「予告編妄想かわら版」ぐらい、単発のライティング仕事で紙媒体なら文字数は言われていた。
長年連載させてもらっていた『水道橋博士のメルマ旬報』は文字数の決まりはなかった。1000文字であろうが50000文字であろうが原稿料は変わらない。今思えば青田買いをしてもらっていて無名の素人だからたくさん書こうと思っていてそれを最後まで続けたが、文字数を決めてその縛りの中で書くということをちゃんとしておいたほうがよかったと思う。こういう文字数の縛りがある時になにを排除するのかをちょっと悩んでしまうのは書きたい分だけ書いてしまうことが多かったからだ。結局のところ、何を削るのかということは何を残すかということなので、テーマや対象について何が書きたいのかという芯をはっきりさせてそこから枝葉を伸ばすようにしていく。最終的にその文字数の枠内に入るように余分なものは伐採していく形になる。今日は終わらなかったので明日の休みで最後まで仕上げる。そのために仕事終わりにもう一度原稿に関係する自分が以前に書いた文章を読み直すことにした。
朝から夕方までリモートワークをする。一気に溜まっていた仕事がアップされたり、手を離れたのでちょっと余裕ができた。こういう時って気を抜くと一気に忙しくなる場合が多いから6月はちょっと気を引き締めていこうと思った。余裕がなくなるといろんなことに優しくなくなったり、気が回らなくなってしまう。それは個人的に一番嫌だから、そうならないようにスケジュールを組んでちょっと構えておく。

夕方ごろに大家さん親子がやっていた。浴槽について聞かれた。前にユニットバスの浴槽の足の裏つく部分が力を入れて体を起こそうとした際にわずかにヒビが入ってしまったことがあった。水に強い浴槽などの修理に使えるボンドで補修をしてから水が抜けるようなことは起きていないが、ヒビが入ってすぐに大家さんには報告していた。それで今は浴槽問題ありませんかと娘さんのほうに言われたので、今んとこは大丈夫ですと答えた。
もしユニットバスがダメそうなら交換をしたほうがいいのだが、そうなると壁を壊したりしないといけないので二週間ほど普通に生活するのは無理になる。うちのアパート前にある一昨年ぐらいに立て直したばかりのキレイめな物件の一室が引越しで空いたのでそこに工事期間中にいてもらってはどうかなと思ったのですが、と提案された。とてもありがたく、気にしてもらって嬉しかったのだが、今のところユニットバスのヒビは問題がないということを伝えた。
そして、数ヶ月に一回しか会社には行かないリモートワークなため工事が始まるときつい&キレイめな物件の部屋は気になるのだが大問題として我が家にあるネット回線(Wi-Fi)はその部屋には移動できないので、そちらにいる間は結局リモートができない。となれると出社するしかなくなるという問題があった。また、リモートワーク以外のライティング作業でもオンラインミーティングもあったりするので、ネット回線がないと基本的に生活ができなくなってしまうことを伝えた。
だが、ヒビが今後ひどくなってユニットバスを交換することになったら僕は二週間ほどどこかで暮らさないといけないみたい。その時に部屋が空いてないとどこに行けばいいのか。現在はネット環境というものは電気水道と同じぐらいない生活には欠かせないものだということを改めて考えることになった。いやあ、ユニットバス交換ってやっぱり壁壊すんだなとも思ったけど。


仕事が終わってからニコラに行こうと思ったけど、先に三階のトワイライライトに寄った。店主の熊谷くんがSNSでアカウントで紹介していて気になった岡本真帆・丸山るい著『奇遇』を購入した。この装幀はいいよね、岡本真帆さんは第一歌集『水上バス浅草行き』で名前は知っていたけど、そちらは読んでいないので今回が読むのは初めて。


そのあとにニコラでアルヴァーブレンドアメリカンチェリーとマスカルポーネのタルトをいただく。今月はニコラの周年記念の月だったけど一ヶ月があっという間に過ぎていったねと話をした。

今回はこの曲でおわかれです。
Kassa Overall - Going Up (feat. Lil B, Shabazz Palaces & Francis and the Lights) [Official Audio]