Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『ア・ゴースト・ストーリー』


シネクイントで『ア・ゴースト・ストーリー』初日の上映を観る。
ゴーストは基本的には「過去」であり、そのメタファ。突如交通事故に遭い死んでしまった男はゴーストとして恋人と住んでいた家に帰ってくる。そして、彼女の側にいる。ここまではありふれたゴースト・ストーリー。
大切な人が死んでしまっていなくなった現実を受け入れるまでの期間を喪に伏す時間とも言えるけど、それは実際のところ人それぞれ違う。現在を生きているものはやがてそれを経て違う未来を歩き出す。しかし、この話は喪に伏される側のゴーストの大切だった場所と時間を巡る構造になり、場所や時間すらも越えて、やがて死んでしまった側の彼=ゴーストが知りたかったものを見つけるまでの『ア・ゴースト・ストーリー』になっていた。肉体を失い意識だけが残された者がその意識を失うための。
だから、とてもわかりやすい20世紀的な映像の想像力で作られてもいる。わたしたちが理解しやすい時間と空間を用いて。これに更なる次元を加えて物語るとクリストファー・ノーラン監督『インターステラー』になる。