Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『若い女』


 ユーロスペースにて鑑賞。何度か予告編を見ていて気になっていた作品だったが、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』や『アントマン&ワスプ』を観ようかなと思ったがどうも観る気がしないのでこちらを観たという感じ。


フランスの若手女性監督レオノール・セライユがフランス国立映画学校の卒業制作として書いた脚本をもとにメガホンをとり、2017年・第70回カンヌ国際映画祭で新人監督賞にあたるカメラドールを受賞した人間ドラマ。パリで暮らす31歳の女性ポーラは、10年付き合った恋人に捨てられてしまう。お金も家も仕事もない彼女は途方に暮れ、恋人の飼い猫ムチャチャを盗み出す。猫を連れてきたことで居候先の友人宅からも安宿からも追い出され、実家に戻ろうとしても母親から拒絶されてしまうポーラ。やがて住み込みのベビーシッターのバイトを見つけた彼女は、ショッピングモールの下着店でも働きはじめ、ようやく自分の居場所を見つけたかに思えたが……。主演のレティシア・ドッシュが何者にも媚びない新たなヒロイン像を体当たりで演じ、リュミエール賞最有望女優賞を受賞した。(映画.comより)

 
 冒頭の怒り狂って、尚且つめっちゃ早口に話す主人公のポーラを見て、ああ、これDQN的な感じなのかなと思う。絶対に近くにいてほしくないし、関わりたくない女性だ。カメラマンの彼氏に追い出されて知人友人の家を訪ねるが、自分のことしか考えていない彼女はそこでも自分の気持ちに正直に他者を思いやらないので出て行く羽目になる。ポーラみたいな人はたくさんいるだろう。しかし、隣にいたらムカつくと思う。彼女が住み込みでベビーシッターみたいなことや下着屋で働き始めると知らない間に嫌だった印象の彼女への気持ちが次第に変化していく。
 と言っても後半にある大きな出来事とそれに関する元カレとの関係性などでの彼女の行動はそんなに感情移入はできずにただこういう人もいるだろうなって思いだけがあった。
 等身大なのかもしれない。年上のカメラマンのミューズだった彼女は男の言いなりになるとか彼が与えたようなものや自由に似たものなんか要らないという意思表示をしている。現代性は強く日本でもアラーキーのことで思い当たるようなこともあって、昨今のme too運動にも連動するものがあるのだと思う。
 ある種のオープンエンドは主人公に感情移入できていないと作品があまり印象深く観客には残らないのかもしれない。