Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『夜の浜辺でひとり』



 『夜の浜辺でひとり』鑑賞。私生活で付き合っている、不倫していたホン・サンス監督とキム・ミニ主演なんだが、物語事態も不倫がバレてフランスへ行っていた女優がまた韓国に戻ってくるというメタな構造を持ちつつ、キム・ミニが不倫について話したり、笑ったり泣いたり酒飲んで知り合いに絡んだりして、笑えないけど笑ってしまうシーンがあったり、関係があった監督も中には出てきて感情を吐露するから、観てる人はたいてい不倫していたスキャンダルを知っているわけだから、微妙に居心地が悪くはなるんだけど、実話なのか創作なのかもはやわからなくなっていく。『デッドプール2』では平気で第四の壁を越えてくる構造になっていたが、もはやそれに近い。
 キム・ミニが監督にいっつも個人的なことばっかり描いてんじゃねえよ(意訳)みたいなセリフを言った時にわりとみんな笑ってた。それを自分の作品でやっちゃうホン・サンス監督の度量というか、もう開き直りはお見事。あとはキム・ミニがずっとタバコ吸ってんだけどこれがいいんだわ。