TOHOシネマズ新宿にて先行上映の『万引き家族』を鑑賞。正式な公開日は8日だが、パルム・ドールということもありこの土日のみの先行。
タイトル通り「家族」についての物語、「家族」は最小単位の社会。そこから現在の社会が抱えているものを繊細に鮮明に照射していく。役者陣の顔つきと生々しさがよすぎた。
嘘と秘密を隠しながら、彼らを家族にしたのは絆と信頼。他者と他者が一緒に居るということの物語。
リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林の顔つきが圧倒的な画力、松岡茉優のこと監督めっちゃ好きになったに違いないと思わずにいられないかわいさで撮られてる。
子役二人もいいけど、みんなが住んでるあの家がもうよすぎますよ。
5月24日に是枝監督の『映画を撮りながら考えたこと』を読み終わったことについてのツイートをしていたので、ここに。
これは映画やテレビ以外のジャンルにも通じることがたくさん書かれていた。是枝監督の視線、見ること批評すること、社会やお金とか人とか関わること、育てられたこと育てることについての本でとてもよかった。分厚さもいい。
『映画を撮りながら考えたこと』の中で是枝監督が『そして父になる』のリメイクについてスピルバーグに会った時に、「リリー・フランキーというのはいったい何者なのだ? 役者なのか?」って聞かれたって書いてあって、『万引き家族』にもリリーさん出てるし、世界でそう思われてるのかな。
「人とつながっている実感がない人がネットへこぼれ落ちたときに、彼らを回収するいちばんわかりやすい唯一の価値観が「国家」というものでしかなかった」ってほんとうにそうだと思う。