Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『犬の日』


 昨日、ヘイデンブックスに山田くんのピアノを聴きに行った。
 初めての場所、見慣れない建物、の中の半地下のように沈んだスペースにピアノと観客のイス。
 打ちっぱなしのコンクリートの壁、ピアノを正面に見て、右側の観葉植物よりは奥の壁に飾られていた額縁。そこに納められていた写真に見覚えがあった。

 管啓次郎さんの『コロンブスの犬』の装丁に使われているものだったから、ずっと気になっていた。『コロンブスの犬』は表紙のそれだけではなく、文中に使われているものも港千尋さんによる写真だ。ということを文庫を探し出して、先ほど確認した。
 その写真が頭の片隅に残っていたのか、昼間に20日に『朗読劇 銀河鉄道の夜南相馬公演に行くときの宿を探して予約した。僕は今まで一度も南相馬には行ったことがない。郡山のように大きな街ではないので早めに宿を確保しておかないと地元や車で来れない僕のような人間は宿なしになってしまうだろう。出演者や銀河チームや東京とかから駆けつける関係者の数を考えたら、すぐになくなりそうだしというのもあった。

 その後に、『群像』で古川日出男さん連載中の『おおきな森』二話を読んだ感想を古川さんにメールをした。『おおきな森』に出てくるヨワンという少年について思ったことを書いた。彼のことを考えたら、『ゴッドスター』のカリヲのことを思い出したのでそのことなんかについて感想を。
 夜になって古川さんから返信が来た。空間現代の『通過』に関してのことや少年のことを。それから久しぶりに『ゴッドスター』文庫を取り出して冒頭を読んだ。巻末の解説は管さんだというのを思い出した。

 『コロンブスの犬』文庫版の解説は古川さんだった。お互いに文通をしているような解説だと思った。『ゴッドスター』は『ドッグマザー』という作品に繋がっている。これらに共通する(言葉や存在)は「犬」だ。僕は戌年だ、という共通項がふと脳裏で一連の流れとしてピタッと嵌まった。

空間現代 - 通過 [Remixed by 蓮沼執太 / feat. 古川日出男]

 ↑の朗読を聞いていたら『おおきな森』と通じる「森」の話が出てくる。


Hemisphere新年一発目です。
http://www.hemisphere.world/2018/01/post-6f3f.html