Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『パーティで女の子に話しかけるには』


 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督の最新作『パーティで女の子に話しかけるには』の初日、ヒューマントラスト渋谷にて鑑賞。予告編を観ている時からジョン・キャメロン・ミッチェル監督だし、パンクロックの時代の音楽についてのボーイ・ミーツ・ガールものだってのはわかっていたので期待大だった。
 実際観た感じは、異星人であるエル・ファニング演じるゼンとパンクロックのライブハウスとか時代背景がうまく溶け込んでいなくて、どこか乖離したまま、それが意図的なのかそうなってしまったのか。そのせいで絵的にはすごくいいのに物語自体としてはそんなにボーイ・ミーツ・ガールもので恋愛ものなのに、彼らに憧れたり感情移入できないでいる。ちょっとニューウェーブ的な感じというか二人が性行為をしなくても結びつきあうイメージみたいな映像とかちょっとノレない。
 なんだか消化不良というか、二人が一緒に歌うパンクロックもカッコよくないし、あれで本当にライブハウスでノレるだろうか、あの頃ならそうなのかもしれない。だけど、現在公開するような作品ならばそういう部分も少しは磨いた方が良かったような、パンクロックは練習しないとかうまいとかじゃなくて衝動とか感情を吐露させるものだとしても、あの二人のシャウトは響かなかった。