Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『スパイダーマン:ホームカミング』


 日曜にオススメされた『スパイダーマン:ホームカミング』をTOHOシネマズ渋谷で観た。舐めててほんとうにすみませんでした。最高か、と。
 なんでアメリカであんな奴が大統領で、日本はあんな奴が総理大臣やってるのにさ、アメリカは『スパイダーマン』ていう繰り返し描いてきたヒーローものできちんと少年が「大人」になるというテーマを掲げて描ける。今の時代だからやるべきことを大作できちんと表現としていてめちゃくちゃ正しいなと思った。
 主人公のピーターに対する境遇の違うふたつの「父性」、「家族」を守るために逸脱してしまうこと。富むものと貧しいもの。ピーターは典型的なイジめられっ子ではなく、彼の同級生たちの人種も様々。友人のギークぽいぽっちゃり椅子の人はアジア系、金持ちのイヤな奴はインド系か、好きになる彼女はアフリカ系(ダブルだからどこ系かわかんない)とか、異なる出自のバラエティのある人種の中で生活することはそれぞれの歴史とアイデンティティをわかりあい認めるし、きちんと自分の意見を主張する。
 主張されない意見はないものと同じだから。アメリカでバスとか電車乗ったときにすげえみんなフランクに話をしてて、「個」を出さないといけないわけじゃないんだろうけど、自分をわかってほしいみたいなことがダイレクトで自然なんだなあと思った。
 今までなにもないのに自分達が優位だと勘違いしてた連中が騒ぎだしてレイシズムに走り出すのはアメリカも日本も同じだよなあ。「わたし」がないから怖くて仕方がない、その「わたし」を担保してくれるのが人種や国家だなんてクソダサい。それが担保だからフェイクヒストリーを信じて歴修正主義者にならないと「わたし」が壊れてしまうから、そんな「わたし」なんていらないよ。ピーターみたいに自分で考えて行動していくから空っぽな「わたし」を誰かが馴れ合いじゃなく認めて求めてくれるんだよ。