Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ケンとカズ』




 

 小路監督『ケンとカズ』凱旋記念上映を新宿ピカデリーにて。一番大きなスクリーンで。客席も8、9割型埋まっていた。
 上映後には監督と出演者の舞台挨拶付き。


 ケンの部屋に阿部和重さんの『ピストルズ』があって、そこから中上健次が浮かんだら、『青春の殺人者』になるから長谷川和彦監督って連想ゲーム。母についても同じようなものを感じる。ケンではなくカズの方がだけども。
 デカいスクリーンで面構えのいい役者陣、それより下には落ちれない足掻いてるやつらの物語。あいつらどうしてんのかな? あいつらに会いたいなって思わせたら勝ちで、そういう作品だった。上映の最後の辺りのマイクアクシデントがいつか笑い話になれば、と思う。だけども、ここまでインディ映画でブレイクしていった要因は色々あるんだろうけども、まずは作品。そして大きな流れができる時には、様々な人たちが巻き込まれて、巻き込んで、いいも悪いも増えていくから渦になって多くの人に届いていく。
 注目されてしまうことは素晴らしいことで、同時にプレッシャーもすごいのだろう、それはほとんどの人が経験できないことだからこそ、監督や出演者の人たちが何年後かに大活躍して、あの伝説の『ケンとカズ』と呼ばれるようになったら本当にすごいし、これが始まりだったとなってほしい。