Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『逆流気管支炎』


なにかが口を閉ざさせ
紫と藍色のはざまにある感情のようなものへ
たどたどしく足元を引きずる音のみがあり
バックするトラックの点滅するライトの明かりは儚く確かで
夜のうちに逃げ出した世界は夢の中で密やかに死ぬる
朝は来るのだけれども今はたゆたゆ中でわらう
なにもかもがどうでもよくて
逆流気管支炎で吐き戻されたものはもう部外者の臭い
寝ていた子猫はリボンの舞う夢の中で爪を出して気づいてしまった