Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ビューティー・インサイド』


眠りから覚めると外見が変わってしまう主人公の恋愛を描いた韓国製ファンタジックラブストーリー。男性、女性、老人、子ども、外国人など、目が覚めるたびに外見が変わるため、人に会う仕事ができないウジンは、インターネットを生かして家具デザイナーとして働いていた。ある日、家具屋で働くイスに恋をしたウジンは、彼女をデートに誘い、同じ顔を保つために3日連続で寝ずにイスと会う。しかし、眠気に勝てずに眠ってしまい……。目覚める度に外見が変わるウジンを、ユ・ヨンソク、イ・ジヌク、パク・シネ、コ・アソンら韓国の人気俳優、女優たちが演じ、上野樹里もウジン役のひとりとして韓国映画に初出演。イス役は「王になった男」「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」のハン・ヒョジュ。2013年のカンヌ国際広告祭でグランプリを受賞した、インテル東芝によるソーシャルフィルム「The Beauty Inside」を原案に、CMディレクター出身のペク監督が長編映画化。(映画.comより)






 すごくよかった。ハン・ヒョジュ上野樹里が似てると勝手に言い続けていたが二人が共演してた。極めて映像向きな作品。窪美澄さんの新連載『すこやかなるときも、やめるときも』も主人公が家具職人だから次読むときに映像がイメージしやすくなった。
 『ビューティーインサイド』の監督は広告畑かMVとか作ってた人な気がしたんだよなあ、観てて、で当たってた。
 そういえば今日観た韓国映画の『ビューティーインサイド』で日本の女優の名前が出てきたときに「蒼井そら」って出てきた。四年前にロンドン行って泊まったユースホテルで一緒になった上海の人にも「蒼井そら」だけは通じたものな。実はそれってすごいことなんだよな、簡単に越境してる。


 『ビューティーインサイド』は主人公が眠りから覚めると外見が変わってしまう、好きになった女性とのちょっとファンタジーな恋愛ものだった。姿形も年齢も性別も国籍も変わる人、外見か中身かという話を映像的やるとこうなるといった映画。外見は見れば確かめられる。内面は自分だって実際のとこよくわかんない。恋人が交通事故に遭って脳みそだけ違う体に移植しても愛せるかみたいなものがあるけど僕はたぶん姿形が変わったら無理だと思う、外見と中身の両方ありき。どちらかが欠けたらもうその人は自分の求めていた人ではなくなる。
 加齢によって姿は変わっていくし、経験によって考えも変わっていく。変わらないほうが怖い。でも、それはずっと同じ時間を共していたらゆっくりと身近にわかる可能性の高い変化。たぶん、時間っていう概念が大事だし、今のこの瞬間はもう戻らないって刹那しかない。
 『摩陀羅』でずっといろんな時代を転生してマダラに会おうとしていたユダヤもキリンも、何度も転生してはすれ違っていく中で彼らは自分たちが会いたかったのは最初に一緒に冒険をしてたあのマダラであって、転生した彼だった者ではなかった。たぶん、そういうことに近いんだろうなって思う。



『幻影』
もういない、君も僕もいない。
あの時の姿は風に舞って、火で炙られて、土に埋められて
新しい自分しかない
会いたかった君も、僕もいない
しかし、どうだこの現在進行形の僕たちは
いなくなったはずは幻影の世にまとわりついている
たまに陽炎のように揺らめいて見えることがある
実態はない、あるのは脳裏にだけだ
もういないのだ、と思うとすべてがどうでもいいとすら感じる
だけど毎日は続いていってしまう
もう君も僕の今日は舞って炙られて埋められた
なにかが違うのかよくわからないんだ