Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『キングスマン』


監督/マシュー・ボーン
キャスト/コリン・ファース(ハリー・ハート/ガラハッド)、マイケル・ケイン(アーサー)、タロン・エガートン(ゲイリー・“エグジー”・アンウィン)、マーク・ストロング(マーリン)、ソフィア・ブテラ(ガゼル)、サミュエル・L・ジャクソンリッチモンド・ヴァレンタイン)、マーク・ハミル(アーノルド教授)、ソフィー・クックソンロキシー)、エドワード・ホルクロフト(チャーリー)、サマンサ・ウォーマック(ミシェル)、ジェフ・ベル(ディーン)、ビョルン・フローバルグ(スウェーデン首相)、ハンナ・アルストロム(スウェーデン王女)、ジャック・ダベンポート(ランスロット)ほか






英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したコリン・ファース主演、「キック・アス」のマシュー・ボーン監督&マーク・ミラー原作によるスパイアクション。表向きは高級スーツ店だが実は世界最強のスパイ組織「キングスマン」で活躍する主人公ハリー・ハートをファースが演じ、ハリーに教えをこう若きスパイのエグジーに、新星タロン・エガートンが扮する。その他、マイケル・ケインマーク・ストロングサミュエル・L・ジャクソンらが共演。ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その代わりに新人をスカウトすることになる。ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーキングスマンの候補生に抜擢する。一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた。(映画.comより)



 観た人が楽しかった、面白かったとSNSで書いていてこの間お茶した知人にもオススメされていたので休みの朝一でtohoシネマズ新宿にて鑑賞。大きめのスクリーンでお客さんも10時からだがシルバーウィークなのもあるのかかなり入っていた様に見えた。口コミで広がっているのか、スパイ映画が大好き!という年配な感じでもないし様々な世代が観に来ていた。
 まず、物語の世界観としてイギリス紳士とはなにかというテーマというか主軸がある。これは生まれや育ちではない、学んでなるものだというもので、主人公のエグジーは労働階級の育ちでありそのためにライバルなどが上流階級が出てくる。彼らはもちろん皮肉的で嫌なやつだ。つまり人を見下している。だが、エグジーキングスマン候補に指名したガラハッドによって彼は生まれ持った資質、身体能力や状況判断などで最終候補まで残る。
 この辺りの階級の問題は日本でもこれから今よりも目に見えてわかるほどの差、格差は広がっていくと考えられている。お金がなければ教育が受けれずに給料の良い仕事ややりたい仕事につける可能性は低くなっていきそれが世代を越えながら引き継がれて一部の富裕層と大多数の貧民層になっていく。
 イギリスは労働階級と上流階級が分かれているし、労働階級がのし上がるにはロックスターになるかサッカー選手として成功するしかない。バンドのオアシスがいい例だ。
 エグジーが活躍して成長していくのを見るとワクワクする、そこには希望がある。そしてこのキングスマンの武器やスーツ、メガネや小道具がワクワクするものばかりで一気にこの世界観の住民にしてくる。そして、この物語の敵とでもいえる相手が起こそうとしているもの、そしてそれをどうやって行うかということについては監督の今のこの世界の現状についての揶揄も非常に感じられるものになっている。
 もう圧倒的におもしろい、たのしい!という作品になっていてこりゃあ、去年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観終わった時の多幸感を感じた。つべこべ言わずにスクリーンで観たらいいと思う作品。