Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ラブ&ピース』初日舞台あいさつ


 昨日は高円寺に行って園さんの個展『ひそひそ星』を観て帰ってからはTOKYO MXの『ニッポン・ダンディ』にそのまんまの格好で園さんが出てた。『ラブ&ピース』と『リアル鬼ごっこ』映画公開のプロモーションで。
 朝起きてから新宿へ向かう。13年の年末に人形遣いのお手伝いに行った『ラブ&ピース』の初日公開日。少し前にスタッフ試写に行かせてもらって一度観ているのだがやはり大きなスクリーンで観たかった。TOHOシネマズ新宿のシアター9にて。
 舞台あいさつの登壇者は園子温監督、長谷川博己麻生久美子西田敏行マキタスポーツの五名。お客さんの感じだと長谷川さんのファンの方がたくさんいる感じだったなあ。ということは同じく長谷川さんが出ている『地獄でなぜ悪い』もけっこう観てる人が多いかったのかも。




監督・脚本/園子温
出演/長谷川博己(鈴木良一)、麻生久美子(寺島裕子)、西田敏行(謎の老人)、渋川清彦(マネージャー/稲川さとる)、マキタスポーツ(良一の会社の課長)、深水元基(田中透)、手塚とおる(科学者)、奥野瑛太(Revolution Q)、長谷川大(Revolution Q)、谷本幸優(Revolution Q)、IZUMI(Revolution Q)、小倉一郎(良一の会社の同僚A)、真野恵里菜(女子高生)、神楽坂恵(ユリの母)、菅原大吉(記者)、波岡一喜(良一のアパートの隣人)、松田美由紀(レコード会社のプロデューサー/松井)、田原総一郎(司会者)、水道橋博士(コメンテーター)、宮台真司(コメンテーター)、茂木健一郎(コメンテーター)、津田大介(コメンテーター)、星野源(PC-300(声))、中川翔子(マリア(声))、犬山イヌコ(スネ公(声))、大谷育江大谷育江(声))、横尾和則(スーツアクター)ほか







愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」といった問題作を数多く手がける園子温監督が、愛をテーマに自身初となる怪獣特撮映画の要素を取り入れて描いたオリジナル作品。ロックミュージシャンの夢に破れ、楽器の部品会社で働くサラリーマン鈴木良一。想いを寄せる同僚の寺島裕子にもまともに声をかけることもできず、うだつのあがらない日々を過ごしていた。ある日、良一がデパートの屋上で出会った一匹のミドリガメ。その亀に運命的なものを感じ、ピカドンと名前をつけてかわいがる良一だったが、会社で同僚にからかわれピカドンをトイレに流してしまう。しかし、下水道を流れていったピカドンが地下に住む謎の老人に拾われたことにより、良一とピカドンに思いもよらない展開が待っていた。主演のサラリーマン良一に長谷川博己、同僚の裕子に麻生久美子、謎の老人を西田敏行がそれぞれ演じている。(映画.comより)



『ラブ&ピース』×『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM 〜#1 入門編〜』コラボ「スローバラード」MV



 25年前に書かれ忌野清志郎さんにオファーしたが叶わず、『地獄でなぜ悪い』のプロデューサー大月さんともう一本やりたいと言われて眠りから醒めた作品。歌詞に出てくるピカドンはラブ&ピースと変えられて歌われる。いま、公開されたことの意味の大きさを考えるとこの作品はやはり今だったのだ。
 謎の老人役の西田敏行さんは園さんからのオファーをすぐに快諾したのは園さんがご自身が福島出身である、そんな中で園さんが『希望の国』を作ってくれたことに対しての恩義が、義理がありいつかお返ししたいと思っていた時に『ラブ&ピース』のオファーがあったとお話されていた。
 ピカドンってなに? そんな言葉が聞かれる時代だ。作品の中でも街頭インタビューという感じで日本に原爆を落とした国はっていうのに女の子がアメリカは友達だしなって答えるシーンがある、それは園さんが実際にテレビで見たか聞いたことを元にされている。


 僕らはなんだかすぐに忘れてしまうのだ。70年前の敗戦も、安保闘争も、95年に起きたことも、最近の3・11だって。忘れたふりしてなんとかやりすごして後の世代にツケをひたすら回してきたのが戦後の日本社会だ。問題は解決もせずに偉い人たちは責任を取ることなく逃げていく。
 主人公の鈴木良一の願望とラブちゃんであるカメ、ピカドンという歌詞がラブ&ピースに置き換えられて歌われること。園作品でも珍しく子供でも観れる作品だが、そのファンタジーさとは裏腹に突きつけてくるメッセージとアイロニーがある。主人公の鈴木良一はどこか園さん自身とダブる。
 僕は07年ぐらいから園さんのファンで、普通のファンよりは近い場所にいたが、こんなにブレイクしていくんだ!というか園さんがどんどん知られるようになっていく過程を見ていたのもあって、そういう流れでこの『ラブ&ピース』も作れたりとか自分の作りたい作品も作れるようになったけど、同時にわずらわしいことも当然増えていくわけで。
 その中で自分の大切なものをいかに守るかとかそうじゃないものから大事なものや自分を支配されないようにするかとか、ロックスターになっていく鈴木良一とどこかダブるのは園さんを知ってる人ならそう感じるんじゃないだろうか。
 だから、ちょっとメタなものも感じる。だから園さん自身に一番近しい作品になっていると思う。それは試写観たときから変わらない。
 今日の初日のほうがスクリーンもデカいし音楽も大きいから余計に感情が持って行かれて何度か泣きそうになった。最後のスローバラードはどうしたって泣けてしまう、ズルいけどねあれはw


 





 園さんが最後にお客さんも写真撮っていいから拡散して宣伝してください〜と撮影オッケーに。『新宿スワン』みたいに大ヒットしてほしい。園さんに水道橋博士さんにマキタスポーツさん、僕もお手伝いでクレジットしてもらってるからメルマ旬報チーム四人の名前があったので僕としてはすごく嬉しい。


愛とは「オムツを替えること」マキタスポーツ、カメのラブちゃんに育児要請
http://natalie.mu/owarai/news/152120




 舞台挨拶が終わってから京橋に向かって八重洲ブックセンター本店さんに。なんと二回目な『リアル鬼ごっこJK』のサイン本を作らせていただきました。園監督『ラブ&ピース』公開の日に。このノベライズの原案である『リアル鬼ごっこ』は7月11日より公開です!
 二週連続八重洲ブックセンターに行ってサイン本を作らせていただいて、内田さんに昼飯をおごってもらってる気が。いやあ、本当にありがたいです。ノベライズも読んでもいただいてるし。
 大盛堂の山本さんにも呼んでもらってサイン本作らせてもらったしありがたいです。
 さて、二週間後には『リアル鬼ごっこ』公開だし次へ次へ、夏から秋にかけてやることはいっぱいだ。とりあえず新人賞取りに行くしかないねって話なんだけどね。


 今日ふと浮かんできたのは西島大介さんの『世界の終わりの魔法使い』のセリフ。
『世界がわれわれを無視続けるのと同じように われわれもまた世界を無視しつづけているわけだ しかし例えば一冊の本を読むことはそれに抗うことだよ 一冊の本を著すこと 一篇の詩を詠むことは 世界に無視され消えてしまうことこばむ行為だとわたしは思う 広大すぎる世界に圧倒されないようにふんばっているんだな』

ラブ&ピース

ラブ&ピース

リアル鬼ごっこJK

リアル鬼ごっこJK

世界の終わりの魔法使い (九龍COMICS)

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