Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』


 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』観た。観ながら浮かんできたのは『AKIRA』を彷彿させた『クロニクル』で、飛ぶとかそういうニュアンスがあるから。前者はある意味で飛べなくなった(全能感を失った)のに対して後者は飛べる全能感から暴走する若者の物語だった。『バードマン』はかつてスターだった男が年老いて再起をかけた舞台に挑むがという話だけどところどころ笑えるしカメラワークがすごいなって思った。あとレイモンド・カーヴァー作品を舞台の原案にしてるけどエドワード・ノートンが言った台詞(ジンのところのやりとりで)で爆笑した。
 『バードマン』っていうヒーローもので一世を風靡した役者の今、まあ『バットマン』をモジってだろうけど『ダークナイト』をやってしまうアメリカではヒーローを演じた男のその後すらもこんな風に映画にしちゃうのかなって思ってなんつう複雑な自意識と批評性を持ち込むんだろうかと思った。エドワード・ノートンの演技も最高だったしバードマンとかの存在とかすげえ好きだけどこれは日本ではウケる気がしない。こういうタイプの作品を観たがる観客を日本はもうずっと育ててない気がするから。



 『ルック・バック・イン・アンガー』文庫とハードカバー。『四畳半のシェークスピア』は『パピルス』で連載してた『アクシデント・レポート』への布石だよね?




 『藝人春秋』ハードカバーと文庫版。ハードカバーが出る前にゲラを読ませてもらってどんな順番がいいかと博士さんに聞かれた。いち読者として。あのときやりとりさせていただいたメアドにメルマ旬報で書かせてくださいと直訴したのはこの本が世に出る少し前のこと。
 博士さんの『藝人春秋』文庫版のオードリー・若林さんの解説を読んでいるとなぜか泣きそうになった。世代もかなり近いから『ごっつええ感じ』SPが野球中継で無くなりマジでムカついたこと番組が終わったことに対しての想いが近いのもあるから。凡人であることを思い知り戦うことについての話。ロスジェネ≒ごっつ世代=ダウンタウンの祝福と呪縛だと僕は認識してますが。




 『水道橋博士のメルマ旬報』vol.59配信されました。連載『碇のむきだし』は短編『ハチミツ』。これから半年間は短編でヌードモデルの兎丸愛美さんの写真を使わせていただきます。
 メルマ旬報で使わせてもらっている兎丸愛美さんの写真は小さいのでもっと見たいって方は彼女のインスタグラムタンブラーなんかをチェックしてみてください。裸ももちろん素敵だと思うんですが目がすごくいいなと思って写真を使わせてもらえたらと思いました。交渉してくださったのは編集の原さんでした。ありがとうございました。
 兎丸さんの目というか視線は一度すべてを諦めたというか終わりをあることをきちんと受け入れた上で先を見ているような哀しげな感じが素敵だなっと思ってます。だからこの今、瞬間という刹那を閉じ込めるためにヌードモデルというか自分で被写体になっているのかなと勝手に想像してます。あと今号のメルマ旬報の表紙の伊賀大介さんの写真撮ったの僕です!