Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『アクト・オブ・キリング』


1960年代インドネシアで行われた大量虐殺を加害者側の視点から描いたドキュメンタリー。60年代、秘密裏に100万人規模の大虐殺を行っていた実行者は、現在でも国民的英雄として暮らしている。その事実を取材していた米テキサス出身の映像作家ジョシュア・オッペンハイマー監督は、当局から被害者への接触を禁止されたことをきっかけに、取材対象を加害者側に切り替えた。映画製作に喜ぶ加害者は、オッペンハイマー監督の「カメラの前で自ら演じてみないか」という提案に応じ、意気揚々と過去の行為を再現していく。やがて、過去を演じることを通じて、加害者たちに変化が訪れる。エロール・モリス、ベルナー・ヘルツォークが製作総指揮として名を連ねている。山形国際ドキュメンタリー映画祭2013インターナショナル・コンペティションで「殺人という行為」のタイトルで上映され、最優秀賞を受賞。14年、「アクト・オブ・キリング」の邦題で劇場公開。(映画.comより)



 渋谷のイメージフォーラムにて鑑賞。だいぶ前から2014年のベストだみたいな話は聞いていて今週土曜日の『タマフル』でのムービーウォッチマンの作品でもあるので観に行く。10時半からチケット販売だったが10時20分ぐらいに着いたらもう二十人弱並んでいた。実際は他の映画もしていたのでそのお客さんもいたんだけど11時15分からの上映はほとんど埋っていた。






 イメージフォーラムは『選挙2』観に来て以来だろうか。『タマフル』で『選挙2』ハスラーでして観ようときたら同様にハスラー聴いて郷太さんも同じ回を観にいらしていて帰り道途中までご一緒させていただいたのもよい想い出。
 『アクト・オブ・キリング』はなんかとんでもない現実がブハッと押し寄せてくる映画で『ディエンビエンフー』に引用されていたティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』みたいな内容だった。

 

多くの場合、本当の戦争の話というものは信じてもらえっこない。すんなりと信じられるような話を聞いたら、眉に唾をつけたほうがいい。真実というのはそういうものなのだ。往々にして馬鹿みたいな話が真実であり、まともな話が嘘である。何故なら本当に信じがたいほどの狂気を信じさせるにはまともな話というものが必要であるからだ。
ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』(村上春樹訳)


 正直な所だと途中ぐらいで眠くなってしまった。後半の家を焼いたりとかのシーンとかは胸くそ悪いし最後でアンワル・コンゴが自分がしていたことについて後悔というか正しくなったのかという感じになる所とか孫に映画を観せての独白というか監督に言うシーンとかはこの映画で現実の虐殺があったこと同様に衝撃的というか殺された人たちはもう何もできずに彼らは復讐もされないような力とかを持っている、ほんとうにくそったれだと思う。共産主義者だからといってひたすら殺して自分たちは金と権力を持ったのだから。


 『テレクラキャノンボール2014 劇場版』『アクト・オブ・キリング』の二本のドキュメンタリーは今年映画好きの上位に食い込んでくるんだろうなあと思う、僕は『テレクラキャノンボール2014 劇場版』ぐらいに笑える映画ってどのくらいあるんだろうかなって思う。今公開中の『ワールズ・エンド』はしたコメ映画祭で観て爆笑だったけどあの開場とお客さんだったからという意味では爆笑し手を叩く程の面白さって共有出来る同じようなお客さんがいないと難しい。普通の日に映画を観に行ってそうなることはおそらくない。

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本当の戦争の話をしよう (文春文庫)

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