Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『多年草たちの南フランス』


『すばる』五月号
http://subaru.shueisha.co.jp


 お昼休みに出ているのを書店で見かけてあっ、古川さんの作品が掲載されていると思って立ち読み。そういえば先月古川さんにメールした時に来月は文芸誌にふたつ載るので大変ですということが言われていたなって思い出した。
 『すばる』掲載の『多年草たちの南フランス』と『新潮』で連載中の『女たち三百人の裏切りの書』の二話があるだ、文量も凄いが内容も『多年草たちの南フランス』も古川さんだっって感じで全速力で次のOSに移行してる感じだ。


 先月『新潮』掲載の古川さんの連載開始『女たち三百人の裏切りの書』読んだ時にツイートしたのは『アラビアの夜の種族』を読んでいた時に似た幻惑的な雰囲気があるということ。語り部としての物語る感じとかも近いものもあって、これから先書かれている登場人物たちがいかに関わり大きな物語としてどこに辿り着くのか見届けたい。 
 『新潮』はたまに購読していたけど古川日出男さんの新連載『女たち三百人の裏切りの書』があるので連載が終わるまで追うことにした。『黒いアジアたち』のように途中で書籍になるからって目を離すと形にならずにという体験があるので、好きな作家さんの連載はできるだけ読む。ちょっと祈りに似ている。


 『多年草たちの南フランス』読んだ。『一つめの修羅』に連なるおそらくネクストメガノベルになる作品のピースだろう。『多年草たちの南フランス』や『一つめの修羅』からなるサーガは『サウンドトラック』に近い感触がある、大地震東京オリンピックが過ぎたあとの世界が舞台。茸に関することが出てくるのは古川さんの実家が椎茸栽培してるからかなあっと思った。
 南フランスと鷺ノ宮舞台っていうのもいいなって。
 前に掲載された『一つめの修羅』では江戸時代に迷い込んだ鯨、太古の巨大な鯨、鯨から始まる文明という鯨の胎内みたいな湾岸部としての「東京」で巨大な長編の冒頭だと思った。十五周年に二十周年に向けて始動している、そんな気がする。


 明日とかには『新潮』買って『女たち三百人の裏切りの書』二話を読まねば。古川さんの速度はやはり凄まじいが、園子温監督同様に作品を世に出すスピードが多を圧倒しているように思える。園さんは質よりも量だと言われるが、園さんも古川さんも量も凄いが質も同時に園子温映画としかいえないものであり、古川日出男文学としかいえない自分自身がすでにジャンルになっているという共通項があると二人に影響され続けている僕は思う。そういえば『文藝』最新号に園さんの小説が載るはずだ。

すばる 2014年 05月号 [雑誌]

すばる 2014年 05月号 [雑誌]

新潮 2014年 05月号 [雑誌]

新潮 2014年 05月号 [雑誌]

文藝 2014年 05月号 [雑誌]

文藝 2014年 05月号 [雑誌]