Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『50/50』


監督 ジョナサン・レヴィン
脚本 ウィル・レイサー

出演・ジョセフ・ゴードン=レヴィットセス・ローゲンアナ・ケンドリック


物語・シアトルの公営ラジオ局で番組制作の仕事をしているアダムは、現在27歳。彼自身は几帳面な性格だが、ガールフレンドで画家のレイチェルは整理ができないし、同僚で友人のカイルは女好きのお気楽人間と、周りは彼とは正反対。しかしそんな生活がアダムには心地よかった。そんなアダムに思いもよらぬことが。検査によればガン。ネットで調べると、5年後に生きている確率は「50/50」! その日からアダムの生活は一変する。




 昨日木曜日は月初め1日というわけで映画の日。リニューアルしたTOHOシネマズ渋谷で木曜から初日公開な『50/50』を観に行った。映画はフィクションみたいだけど物語のベースとなっているのは、脚本家のウィル・レイサーがガンを宣告され、それを克服した実際の体験らしい。


 初めてこの作品の事を知ったのは『キラ☆キラ』での映画評論家の町山さんがこの作品に触れていて気になったからだった。


2011年11月04日(金) 映画評論家 町山智浩さん
http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20111104_machiyama_kora.mp3
↑最後の1分30秒ぐらいの町山さんの言ってる事はすげえ響く。


 ガンに侵されている主人公(アダム)をダシに使ってナンパする親友(カイル)っていうのがあって難病ものの重い話で終わらないでユーモアで語られている。そういう部分がとても気になった。


 深刻な事ほどユーモアを交えて語らなければならないと書いていたのは伊坂幸太郎作品だったろうか。


Radiohead - High & Dry

↑途中で劇中歌で使われてた。


 主役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは『(500)日のサマー』や『インセプション』で知られる俳優さん。坊主頭にした彼は限りなくARATAと似ている! 友人のカイルもガンで坊主にしたのを売りにしてそれで気を誘えと、あるいは一緒に女の子を口説く時に使おうとする。このバイタリティさが時に彼を苛立たせるが彼は彼なりにアダムの事を考えている。
 アダムと母親の関係も書かれていくんだけど、これは友情の物語だと思う。こういう奴(カイル)がいたらやっぱり嬉しいと思う。


 同棲してたアーティストの恋人は彼がガンであることを告げると一緒にいるというがそれでも・・・。カイルとその彼女のやりとりは面白かった。


 坊主にする時に「マイケル・スタイプみたいにならない?」みたいな台詞をアダムが言うんだけどそれで笑ってたのは場内で僕だけだった。有名だよね?


 会話のテンポもいいしアメリカジョーク的な笑い飛ばしてしまう台詞もよくてガンの難病ものにありがちな重さはあまり感じられない。面白く観える。


 そういう意味ではオススメな映画だと思う。ただひとつ引っかかったのはガンになったアダムのセラピストが24歳ぐらいの博士号を取る直前の女性のキャサリン。彼女とアダムの関係性というか仲良くなってちょっといいなって思ったりするのはいいと思う。


 だけど、最後の方のある意味ではハッピーエンドな感じは当たり障りないし途中でそうなるんだろうなって思う。だけどセラピストよ、それは患者に逆依存みたいなことになってないか!
 あれはセラピストとして失格だと思うんだよなあ。『(500)日のサマー』の終わりでサマーの次に出会う女の子(名前は想像の範囲内でほぼ当てられる)と知り合う終わり方の方がよほどマシ。それ以外はよかったと思う。


25日
・最近レンタルした映画が僕の生まれた82年ぐらいに公開されたカルトだったりSFものなんだけどその頃に見えた2000年とかってまさしくSF的な発展をしてたけど現実はそこまでならずにネットによる外部というよりは内部やうちに潜るSF的な発展をしたんだなあって思う。
フィリップ・K・ディックが幻視した未来とはだいぶ違うけど、彼の幻視者としての物語は今でも面白いし興味深い。多重人格化する世界、彼の場合はドラッグによる所が大きかったけど、現在はネットが一人の人間を多重にできるわけだし。


29日
山岸凉子日出処の天子 第1巻 完全版』が出てて欲しいんだけどただ全七巻揃えたら軽く一万超えるっていう・・・。ただ一度貸してもらって読んですげえなって思ってるから欲しい。これってBLの元祖的なものなのかなあ。
・さっきmixiオザケンコミュ見たんだけどmixiだけやってる人にはUstは馴染みがないんだなって感じがした。twitterしてるとわりとUst見たりする、TLで流れてくるから気になれば見たりする環境にあるから。まあ、そんなもんだよね。
大塚英志さんと宮台真司さん(@miyadai)の共著『愚民社会』 http://amzn.to/v4WQPQ っていうのが来月14日に出るみたい。これは読みたい。
・園さん年に二本から三本ペースで撮ってる!! RT 【園子温×坂口拓】新感覚アクション映画『剣狂 -KENKICHI-(仮)』エキストラ募集![特に12/11大募集] http://bit.ly/sCUdL6
・なんかすいません( TДT) RT @Life954: フリッパーズキンクス。 RT 長谷川さん秋と冬に何が来たらフルコンプですか? RT @Life954 春はオザケン、夏はローゼズ。来年はいい年になりそうだ。
・この所の『カーネーション』は結婚・出産・出産をわりとスピーディに飛ばしてて、もう一度出産で旦那が招集され戦死までを一気に持って行こうとしてる気がする。


30日
芥川賞夫婦…川上未映子さんと阿部和重さん結婚 http://bit.ly/s7y9XOピストルズ』刊行時のABCでの阿部和重×市川真人トーク(http://bit.ly/azdwWT)で阿部さんの奥さんが逃げたor出て行った話をしてたんだが、別れて川上さんと結婚ね。
・最新号『SWITCH』の古川日出男さん連載『小説のデーモン』を読んだ。『ドッグマザー』を産み出すために古川さんは戦ってる。本当に読みたい小説。古川さんが宮沢賢治を朗読した朗読CDが出るのだが一緒にされる菅啓次郎さんの『コロンブスの犬』という河出から出てる文庫のことを知った。
・バイト先の後輩が飲みに行こうと思う女の子が数人いてどこかいいですかって言い出して、誰かに決めれないんですよみたいな発言しやがったから「オリンピックで金メダル取るって言ってるのに種目決まってねえのにどうやって取れるんだ?」って上手い事言っといた。


1日
・『50/50』で出てる人ほとんどスマフォ使ってた。携帯以前の世界を描くのには公衆電話やポケベルのシーンとかを映画で使うと時代がわかるんだけど、これからはスマフォが大多数になると90年代からゼロ年代を描く時にはガラパゴス携帯がその光景のひとつになるんだろうなって観ながら思った。
・『50/50』の主人公たちはラジオ局で働いているのでTBSラジオの長谷川さん(@life954)とか知っている人に置き換えて観てみたりした。坊主な主人公は宇多丸さん+黒幕で友人のカイルは橋本名誉P。劇中歌にはradiohead『High&Dry』とかかかってた。サントラもいい。
・隣の部屋から爆音で聞こえてくるジャズにキレてもいいのか悩む。ジャズというのが微妙だ。
・西島さんのイラストに樋口さん(@takehirohiguchi)の解説なんだ。絶対に買う。 RT @hiramekimanga 【ご報告】町山さんの文庫「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか」帯付きどうぞ!

・今日の『キラ☆キラ』で水道橋博士さん(@s_hakase)が園子温監督『ヒミズ』について語っている。 ポッドキャストhttp://bit.ly/w1oXqT 博士が実はキャスティングされていたっ!(過去形)

インセプション [DVD]

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日出処の天子 第1巻 完全版 (MFコミックス)

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愚民社会

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コロンブスの犬 (河出文庫)

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キャプテン・アメリカはなぜ死んだか (文春文庫)

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