Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ふがいない僕は空を見た』

 金曜日にバイト先の飲み会があり阿呆のように瓶ビールをひたすら飲んで帰って土曜日はいつも通り八時前に職場に行ったけど気持ち悪さで耐え切れずに吐いたりして最終的に胃液のみになったままあっつい中で仕事してたから超グロッキーでした。


 で、今日は起きてから散歩代わりに渋谷まで歩いて行ってタワレコcinema staffThurston Mooreのアルバムを買って溜まったポイントでThe Vaccinesのアルバムをゲットしてパルコの地下にあるロゴスギャラリーで前にやった田島昭宇さんの展示会で予約してた複製画と画集を取りに行った。
 画集は発売したんだけどサインを入れるために田島さんのとこにあるらしくいつ来るかわからないとのこと。けっこうの数らしいので仕方ない。展示会とかしないからファンがけっこう買っただろうし、きっと田島さん『多重人格探偵サイコ』の連載落としそうな気がする。



↑部屋に飾ったけどよって撮ったので絵のみだけど。


Thurston Moore - Benediction (produced by Beck)


 Beckの『Sea Change』好きなのでこういう感じは読書する時に聞きやすいアルバムっぽいなって思ってサーストン・ムーアのバンド『ソニックユース』にはあんまり聞いた事ないけど。
 『交響詩篇エウレカセブン』の主人公・レントン・サーストンの名前の由来に小説および映画『トレインスポッティング』の主人公、マーク・レントンから。姓の「サーストン」はロックバンド、ソニック・ユースのサーストン・ムーアからってのがあっててなんでか覚えてた。


 最近の読書は渡辺浩弐『iKILL』、殊能将之ハサミ男』、川本三郎『マイバックページ』、森下くるみ『すべては「裸に」なるから始まって』、窪美澄ふがいない僕は空を見た』かな、小説系だと。


 『iKILL』は殺し屋の話の短編集。女子高生に依頼費用代わりに風呂場に置かれている死体の処理を殺し屋がさせるんだけどその描写は園子温監督『冷たい熱帯魚』での遺体を透明にしてしまうやり方に近い。この本自体は他の出版社で昔出ているので渡辺さんも『愛犬家殺人事件』の本を読んで参考にしたんじゃないかなって思ったりしながら読んだ。


 タイトルでいうと中村一義さんがやっているデジタルマガジン『K.O.M』に送った僕の作品のタイトルも『Ikill』だった。まあ言葉遊び的な事をするとそうなりますよね、1号に続き2号でも掲載されて地味にポイントを稼いでおります。


 『ハサミ男』はメフィスト賞受賞作品でかなり前に出ていて読もうと思ってずっと読んでなかったけど面白かったというかやられた。叙述トリックが巧い。僕は単純に読んでしまうのでミステリーとかあんまり読まないので余計にトリックにひっかかる。
 タイトルと言い文章の構成というか読むとやられたって感じがします。トヨエツと麻生久美子さんで映画化もされてたけど原作に忠実にやってなさげな気がする。叙述トリック系の小説って映像化難しいんだよな、伊坂幸太郎アヒルと鴨のコインロッカー』みたいに上手くやらないと物語が成り立たない。


 『マイバックページ』は同名映画の原作本の川本さんの体験したノンフィクションですね、これ読んでると映画も世界観深まってよかったです。
 投稿してきた文章を送って来たピンク映画の女優に会いに行ったらのちの鈴木いづみさんだったり、著者の家の近所で朝からシーツ干したり猫を玄関先で撫でていた雰囲気のある男が大森南朋さんの父である舞踏家の麿赤児さんだったりと中央沿線のアングラでサブカルな当時の時代感も出ていて面白かったですね。


 映画の最後ではキネ旬に主人公がライターとして書いていて彼(妻夫木)が試写で観ていたのは『十九歳の地図』だったので中上健次の小説の映画化のやつみたいだとか時代背景が六十年代後半から七十年代前半な感じだった。


 僕はそんなに中上健次作品読んでないけど、映画監督の青山真治さんの小説は中上健次の影響下だしサーガ的なものに、それは中上がフォークナーの影響あってみたいな脈々と繋がっているラインで、阿部和重さんもそういう影響下だとか自分が影響を受けている人が影響を受けた人をしるのも知的な興奮がある。誰にも何にも影響されないでものなんか作れるはずもないから。


 『すべては「裸に」なるから始まって』は元AVクィーンとして活躍した森下くるみのエッセイ。彼女がAV女優になりその世界をどう見ていたのかという感じでこの人はすごく客観視して物事を見てるし考えてる人みたいできっとこれから小説とかでその感性を出していい作家さんになるんだろうなって。『劇場 神聖かまってちゃん』に出てるみたいだしいろんなフィールドで活躍されてるみたい。AV女優のその後についての物語書きたいなって思って資料な感じで読もうと思って買った中の一冊。


 『ふがいない僕は空を見た』は前から評判高くて第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位だった作品。これも連作短編集で最初に収録されている『ミクマリ』がR-18文学賞を取っている。


R-18文学賞(アールじゅうはちぶんがくしょう)は、新潮社が主催する公募新人文学賞である。性について描かれた小説全般を対象とするが、応募者は女性に限られており、また選考委員の作家や下読みにあたる編集者も女性のみとし、女性のためのエロティックな小説の発掘を目指している。


そういう賞から出てきている作品なので基本的には性についての物語ですね。連作短編集なので章ごとに主人公の目線は変わりますが、同じ世界というかフィールドの中で展開している。セックスと団地とかの話です。


 第一章で人妻とコスプレしてセックスをする主人公を軸に、彼の母親は自然分娩の産婦人科をしていて、彼に恋している同級生の女の子に、彼らの同級生の団地育ちの男女、結婚しこどもが出来ないで義理の母から人工授精を迫られたりするその人妻など章ごとに主人公の目線が変わる事で一つに見える世界が各人の世界の見え方の総称でしかない、見え方の違いや想いの行き先なんかが丁寧に書かれていてそこに性的な表現もあってそりゃあ評価高いなって思う。女性の方がぐっさりと刺さるのかもしれないなあ、何か読みたいもの探してる女性はどうですかね。


The Vaccines - Post Break-Up Sex

 わりと新世代ロックバンドとして取り上げれてますね。クッキーシーンでもインタビューやってた。

cinema staff

cinema staff

デモリッシュド・ソウツ

デモリッシュド・ソウツ

WHAT DID YOU EXPECT FR

WHAT DID YOU EXPECT FR

ロザリオイエティ 田島昭宇ラフmix画集

ロザリオイエティ 田島昭宇ラフmix画集

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た