Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「目覚めよと人魚は歌う」

 あと2日ですね、今年も終わりますね、ゼロ年代。このディケイド(十年期)は00年は大阪で大学、翌年の一月の後期試験前には大学辞めて、01年は実家に帰ってセブンイレブンの弁当工場で上京資金を貯めてたまの休みには高速バスに乗って大阪に行って単館映画を観て、休憩中には畳の部屋で寝転んで小説ばかりを読んでいた。村上春樹村上龍も読み始めたのはその頃だった。僕は村上龍の方が未だにしっくり来る。
 

 大阪に行って単館映画を観た中には岩井俊二監督「リリイ・シュシュのすべて」があって、隣の県の福山の映画館でも何ヶ月か遅れて公開したけど公開してすぐに観に行きたかった。僕が初めて岩井俊二映画を劇場で観たのはそれが初めてだった。
 その頃に買った岩井俊二×庵野秀明「マジック・ランチャー」という本に「文化系トークラジオ Life」のサブパーソナリティーでもありお世話になっている仲俣さんが本文構成に関わっていらした。


Lily Chou-Chou - Tobenai Tsubasa (Original Video)


 岩井さんには未だに会ってないけど主宰のプレイワークスメンバーでは一応あるし、HPをリニューアルするそうだからそれから大きな動きがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。企画なんて何年も前から動いているのだから、水面下で。
 僕が知る頃には撮影が始まっているんだろうか、監督として作品を撮るのなら観たい。最後の監督作品が「花とアリス」ではやっぱり違う気がするから。


 02年の二十歳から東京で過ごしたからゼロ年代って東京の景色がずっとあって、二十代はずっとこっちにいるし、東京には帰るって感覚になっている。帰郷は帰京になってきている。いろんな人に会ったなっていうのが大きいし生活が面白くなったのはそれが一番だったな。
 専門卒業してフリーターになってからの方がいろんな人に会ったり、学校の友達と仲間意識が強くなったりした。僕がわりと須藤元気さんのエッセイの中で出てきたシンクロニシティを意識するようになってから物事が繋がりだしたのがこの五年とかかな。


 世界は繋がると狭いって事を知った。知り合いの知り合いはやっぱり知り合いで狭い世界の中では繋がっていく。人と人を繋げる人もいるし、そういう力はまだ僕にはないし、いつかそういう繋げる力を持てるといいんだけど。


 昨日は星野智幸「目覚めよと人魚は歌う」を読了。三島由紀夫賞受賞作で130ページぐらいだからすぐに読み終わった。タイトルからするにファンタジーかと思えばそうではなかった。読んだ感じとしては空気感と言うか雰囲気は山田詠美「ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨」に似ている気がした。性的な描写が漂わす匂いみたいな肌触りみたいな読み触りが。


 あらすじ・大きな目は少し緑がかって睫毛が長く肌は薄いシナモン色をした日系ペルー人の青年ヒヨヒトは、暴走族との乱闘事件に巻き込まれ伊豆高原の家に逃げ込んだ。そこでは恋人との夢のような想い出に生きる女・糖子が疑似家族を作って暮らしていた。自分の居場所が見つからないふたりが出逢い触れ合った数日間を、サルサのリズムにのせて濃密に鮮やかに艶かしく描く。三島由紀夫賞受賞作。


 といった事をアマゾンのとこには書かれている。こないだ買った佐藤友哉「1000の小説とバックベアード」が今年の読み納めになりそう、こちらも三島由紀夫賞受賞作。だが、今日は幕張メッセで毎年の恒例行事のカウントダウンジャパンで、さっき五時に終わったバイトがバイト収めで寝たら無理っぽいからこのまま起きて新宿待ち合わせして最後までぶっ通しで帰ってから死んだように眠るとなると明日読めるのか、どうか。


 今日のCDJは「フジファブリック」のいないアースに最初に行く。渋谷のおっさん(ロッキンオン社長)の朝礼を聴いて彼がなんと言うのかを聞こうと思う。毎年最初はアースステージ行くからおっさん毎年観てるわけだが。それから「凛として時雨」「チーム紅卍(松尾スズキ河井克夫)」「ZAZEN BOYS」「東京事変」「サカナクション」という予定。


 なんだかんだ言っても最初から最後までビール飲んで豚串喰らっておみくじ引いてを挟んでというオヤジ化してきているが、RIJとCDJにずっと一緒に行ってる友人は今年本当に父親になり、今年は初サンタをしたそうな、僕らも年を取るわけだ。


 人生初めての生林檎です、椎名林檎をやっとライブで観れる。という楽しみ、ZAZEN BOYSは今年ライブで凄さがさらに増しているのを目撃しているので楽しみ。林檎が乱入して「KIMOCHI」をするサプライズがあれば最高だけど。最後はグループ魂ではなくサカナクションで締め。


 「文化系トークラジオ Life」の2009年12月27日「文化系大忘年会2009」Part1が配信。最初の一曲目はフジファブリック「虹」でした。


 追記


 今日は渋谷 O-nestで「エクス・ポナイト VOL.5 【ポ祭2009!!!テン年代まであと2日!?】」があるよ。僕はCDJと被っていけないけど。


時間:open 16:00/ start 17:00〜 
料金:\ 3,000(drink別)
●LIVE
空間現代 featuring ECD
虫博士(インセクト・タブー
ヘア・スタイリスティクス & 渋谷慶一郎
TALK
飴屋法水×松井周+佐々木敦動物化した社会、演劇化する世界」
宇多丸(佐々木士郎)×佐々木中×佐々木敦 「第一回佐々木サミット」
菊地成孔×佐々木敦ゼロ年代!からテン年代?へ」


 「第一回佐々木サミット」すげえ面白そう。

呼吸

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限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

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スプートニクの恋人 (講談社文庫)

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リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]

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目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)

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ベッド タイム アイズ指の戯れ・ジェシーの背骨 (新潮文庫)

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1000の小説とバックベアード (新潮文庫)

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文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド

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