朝走る、最初の十分から十数分は体が軽い、一日休んだけどいい疲労回復になったと思いながら、耳に入るBGMはPeople In The Box「Ghost Apple」を最初から聞きながら緑道沿いを越えて、世田谷区の範疇から246を越えて目黒川沿いを、目黒区に侵入して、実りのない桜色ではない、灰色のような期を熟していない桜並木が冬空の下に連なっている。その横を走りながら次第に汗ばんで軽やかだった体はすぐに重くなって重力が一気にひっぱるみたいに足が進むのが遅くなる。
高架下、辿り着くまでにすでに足が止まる。東急東横線中目黒駅の線路は地上にはなくて、4、5メートル上にあって見上げると隙間から電車が走っていくのが見える。曲がるとハトが十数羽たかっている、近寄るとバッと一斉に飛び立つ。音が聞こえないのに、ヘッドフォンをしているから聞こえないのに羽ばたく羽の振動が体に伝わって、音ではない音が僕に伝わって、生き物の躍動が、鼓動が一斉に集団の意志みたいにバッて入ってくる。
「Ghost Apple」は「月曜日 / 無菌室」「火曜日 / 空室」「水曜日 / 密室」「木曜日 / 寝室」「金曜日 / 集中治療室」「土曜日 / 待合室」「日曜日 / 浴室」と月曜から日曜の七曲。聴き終わる頃には山手通りを再度越えて246の方へ。とても聞きやすい声と時に激しく一気に加速する音が心地よい。歌詞がなにかひっかかるものがあって、かなり好きな歌詞の文体なんだと思う。一度はライブに行ってみてみたいと思うバンド。
People In The Box - 月曜日 / 無菌室
時間は遡って前日はA・E・ヴァン・ヴォークト「スラン」を読了。仲俣さんにお借りした本もようやく四冊目。あと九冊、今の所読んでる作品が古典的なSFというのもあるんだけど火星とか木星が出てきたり、する。「スラン」の最後は「えっ? これで終わるの?」という続きあるだろみたいな終わりで、ある意味ビックリする終わり方。
いろんなことが解決してないけど終わったぜみたいな、書きたい事書いたら終了みたいな、作家の強さが出ている。古典SFなんだなあ、こういうのが。今ってSFが細分化してラノベとかに流れていたりするんだろうか、でもラノベの読者も若手の書き手も古典SF読まないんだろうな、という気はする。
で五冊目はサミュエル・R・ディレイニー「バベル‐17」に入った。その作品には黒人にして詩人・ミュージシャンでありゲイでもあるという作者自身の複雑な経歴が反映されており、特に「アインシュタイン交点」においては、自伝的要素と神話の統合という試みを行っている。とwikiにあるんだが妻いるんだよね、だったらゲイじゃなくてバイじゃないのか?
詩人でミュージシャンでゲイってさあ、表現者としてもはや最強な気がしてしまう。「アインシュタイン交点」もお借りした中に入ってた。SF作家でも屈指の存在らしい、写真見る限り黒人の仙人みたい。昔のSFって哲学的思想とか入ってたりするんだよなあ、場所を置き換える事で可能にした?
いろんなジャンルを混ぜ込んでぶち壊してやったら荒唐無稽なもんになるかな、なんかしばらくはあんまり考えないでおこうかなって走った後に歩きながら思った、と時間は朝に戻る。
「Ghost Apple」が終わってから「文化系トークラジオ Life」のスピンオフ「古川日出男・東京・REMIXED」を歩きながら聞く。古川さんが「ハル、ハル、ハル」の冒頭を朗読する所を歩きながら聞きながら進む。何度も何十回も聞いているこのPodcastが、今までと何か違う感触を覚えて、で考えて、歩きながら覚えて、何かが変換したような。だから考えすぎるのはしばらく止めとうと。本能重視なビーストモードで。
スピンオフ〜「古川日出男・東京・REMIXED」
http://www.tbsradio.jp/life/2008/01/remixed.html
古川日出男「4444」15話
「いくつのハードルを乗り越えてバビロニアが再建されたかを指折り数えているうちに一生が終わったらどうする?」
http://mag.kawade.co.jp/4444/2009/10/15.html
来週の金曜日にある一大朗読ギグ祭り『フルカワヒデオ200ミニッツ』の出演者が発表されてた。古川日出男ソロ、列島を音響する(古川日出男+虹釜太郎+鈴木康文)、ヒデオブジェクトケイタニーラブ(古川日出男+小島ケイタニーラブ from ANIMA)、古川日出男×渋谷慶一郎、フルカワヒデオプラスアルファ(古川日出男+植野隆司 from テニスコーツ+Jimanica from d.v.d +千葉広樹+戸塚泰雄 from nu)の五組。
でも、古川さんは200ミニッツ出ぱなっしというすごいギグ。終わった後にロビーで捕まえてくれたらサインしますよと書いてあるけど終わった後のものすごく消費浪費している古川さんに最初に声をかけるのは一番怖いと思うんだが。「サマーバケーションEP」を持っていってサインしてもらおうかなあって思ったり、あと忘れないでいたら「4444」の第一話「どうやったらプールでうなぎを養殖できるか?」に出てくる弟が「サマーバケーションEP」の主人公と同一人物な気が最初に読んだ時からしているから聞こうかなって、でもその場でテンパって聞けないだろうな。
「さんまのまんま」スペシャルで水嶋ヒロと吉高由里子が出てた。吉高由里子がさんまさんに「未来の大竹しのぶ」候補と言われていた。天然なのに演技は出来てしまうとか普段の感じが特に似ているみたい。園子温監督「紀子の食卓」でデビューみたいな話とかしたけどさんまさんは知らなかった。知ってたら逆にビビるけど。
園さんは上げチンというか世に出てない俳優を世に出すというか見分ける力がある。あるいは園さんの作品に出てしまうことで役者としての通過儀礼をしてしまって経験値が一気に入るから段階を越えてしまう感じなのかな、でも元々の素質をある人を選ぶ眼力があるんだろうな。「愛のむきだし」の満島ひかりも作中で化けたもんなあ。
イラストレーター・中村佑介さんがNHK「トップランナー」に出演されるらしい、観覧募集してたから応募してみた。渡辺あやさんの時に観に行ったんだけど放送一度も見てないということをしてしまった。というか今「トップランナー」って誰が司会なんだ?前に行った時は山本太郎さんと本上まなみさんだったけど。で見たら箭内道彦さんとSHIHOさんなんですか、逆にこの二人がMCなのがすげえよ、NHK。いつか「青春リアル」つながりでcharlieが「トップランナー」に出そうな気がしてきたなあ・・・。
「トップランナー」
http://www.nhk.or.jp/tr/
で明日はリキッドでArctic Monkeysのライブ。武道館は行く気しなかったけど、武道館は本当に好きなバンドじゃないと行く気はしない。と言っても今まで武道館で観たのはradioheadとくるりとアジカンとSyrup16gのラストライブ、とsalyuぐらいか。Syrup16gの最後のライブだけは意味が違いすぎて比較ができないけど。
Arctic Monkeys - When The Sun Goes Down @Glastonbury
Arctic Monkeys - 'Cornerstone' (Official Video)
- アーティスト: People In The Box
- 出版社/メーカー: 日本クラウン
- 発売日: 2009/10/14
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
- 作者: A.E.ヴァン・ヴォクト,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/04
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: サミュエル R.ディレイニー,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/07/15
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (139件) を見る
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (98件) を見る
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: DVD
- 購入: 4人 クリック: 205回
- この商品を含むブログ (96件) を見る
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: DVD
- 購入: 55人 クリック: 2,496回
- この商品を含むブログ (321件) を見る
- 作者: 中村佑介
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2009/08/11
- メディア: 大型本
- 購入: 18人 クリック: 239回
- この商品を含むブログ (85件) を見る