Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「MY NAME IS I LOVE YOU」@五反田SONIC

 雨降りだって言ってたけどノーレインで渋谷までぶらぶら歩いて久しぶりに五反田まで電車。
 適当に地図見てたから普通に迷子、途中でこれはやばいと思って携帯で五反田SONICのサイトで場所を確認して目黒川沿いを歩いていると「路字」や「ポナイト」でお世話になっている知り合いの藤原さんがいたので合流し、一緒にSONICまで。


テルテルポーズ(藤原さんがやってる雑誌)
http://d.hatena.ne.jp/tel-po/


 行くと何人か並んでいて当日券待ちの人も並んでいた。ほお五反田SONICってこういう感じなのね、目黒川沿いにあるし。



 入ると舞台の手前と右側に客席があって、バーカウンターもあったりした。イベントスペースです。かなり人がいたので動くのもしんどいぐらいになった、大盛況でした。
 前売りの時点で演者の梨乃ちゃんに取っててもらってよかった。以前にした公演した「MY NAME IS I LOVE YOU」の英語バージョン、えーと説明しづらいな。



 快快にはオルガっていうハンガリーの人がいるんだけどその人が英語で台詞とか言ってたりする。出演者は日本語で話すこともあるんだけど基本的には日本語は少ないというか、身体性のあるダンスとか動きで舞台を使うパフォーマンスがなんかすごく大胆で繊細、変な感じ、悪い意味じゃなくてすごくいい意味で変な感じ。



 説明しづらい舞台だと思う、身体性による物語。かっこいいのとかわいいのが混ざっててジャンルはやっぱり快快(faifai)ってこと、ようするに他と比べるとかじゃなくて自分たちがジャンルになる感じかな。
 物語は渋谷のハチ公の間を抜けると未来に行けるっていう都市伝説があって、という話。僕は英語ほぼ理解はできないんだけど、動きとかで伝わるものがあって英語が聞こえてくるとなんかサンドトラックみたいに聞こえた。海外の作品を字幕なしで見てる感覚、細かい部分はわからないけど全体像は把握できるみたいな。


 藤原さんはゲネプロを観たらしいんだけどだいぶ変わってたらしい、古川さんもいらしたらしい。最終日の最後だったからゲネプロから二日でこんなにもよくなると思わなかったって言ってたけど、最終日に観てよかった。


 でも、この感覚は文字で伝え辛い、視覚で捉える身体性が示す物語は観ないとわかんないと思う。僕と感覚が近い人はたぶん楽しめるというか面白がると思う、こればっかりはいろんな人に勧めるのとは違う。


 次はハンガリー公演なので観れないのでまたやる時には観に行こうと思う、なんかワクワクすんだよね。


 終わった後は五分ぐらいのショートをしてからコージが作ったカレーとか食ったり、うまかったけど量は少なかったね、甘口な僕には少し辛かったけど、普通の人なら問題無さげ。ビール飲みながら梨乃ちゃんとかリーダーの北川さんとか以前会ったことのあるカメラマンの加藤さんとかとトーク、なんだか和気あいあいな感じでアットホームな快快。


 ポナイトで会ったときから初めて会った感じがしなかったのは彼らの包容力と言うか魅力だと思う、そういう部分でも人を呼ぶだろうし、で公演観たらなんか面白いことやってる、面白いってことはかっこいいしかわいい。よんにカッコいいねって言ったらかわいいのほうがいいって言われたから。


 加藤さんと話してたら演出とかも違う前の日本語でやってる「MY NAME IS I LOVE YOU」のDVD勧められたので買ってみた。まだ観てないけど、これで物語の細部、内容が把握できそう。


 飲んでたら「路字」関連の知り合いである「東京ピストル」の賢策さんもいらしたのでトーク、「東京ピストル」も同じビルなんだなあ、これが。知り合いの知り合いは知り合いですを体現するかのような繋がりが。



 のんびりくつろいでからバラしを少しだけお手伝い。段ボールを崩していると篠田さんが文化祭みたいで楽しいっしょって言われて、ああこの感覚ってあの頃のそれなんだなって思い出した。文化祭って一、二年は楽しくてまだあるからいいけど、三年だと最後で片付けって寂しいもので、祭りの後の哀しさみたいなもんが漂う。舞台って僕は関係したことがなくて、ああバラしとか設営とかってある種の文化祭的なものがあるんだなって。僕は書く方にベクトルを向けててそういうことがなくて、バラすとかないし、ファイルを捨てれば消えるし。


 舞台とかこういう表現をずっとしていってもいつか終わりはあるんだけど、文化祭をしてはまたしてを繰り返す行為に近いのかな。次がない時のバラしほど哀しいものはなさそうだけど。
 舞台で表現する人を見るとやっぱり羨ましいって気持ちはある。踊るのを観ているのと踊っている方どちらが気持ちいいかなんて言わなくてもわかる。踊らされるのも嫌いじゃないけどたまには目立ちたいとか思う自意識があるから文章書いたりしている、僕にとっては誰かを自分の文章で踊らせたいわけだ、感情を揺さぶりたいとか諸々。


野島伸司「スヌスムムリクの恋人」より


「人にはさ、躍る側と躍らされる側があるの。どっちがいいって事じゃないよ。オリンピックでもワールドカップでも、今日みたいなコンサートでもさ、その時その時躍らされて楽しむ人たちと、他人のお祭りには全く興味が沸かない人間がいるの」
「全くというほどじゃないよ」
「みんなが盛り上がってても、どこかシラけて感じる」
「うん、それはたまに」
「だったら、きっと躍る側よ」


 お手伝いしたので缶ビール一本もらって駅まで歩きながら飲んだ、寒くなかったのでよい気分、いい一日な感じの終わり。途中で信号渡ったところにパン屋があってそこは以前に「Love Fall」で通った場所だった。つまり目黒川沿いを僕は中目黒方面と天王洲アイル方面を逆に認識していたことがその時点でようやくわかった、だから迷ったんだ。
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081118


 で、渋谷で降りてハチ公の前を通ってスクランブル交差点を渡った、日曜の渋谷、人は帰ろうとごった煮だった、ハチ公には目もくれずに家路を急いでいた。