Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「愛のむきだし」初日舞台挨拶

 前日30の日の夕方から起きて寝れないまま、渋谷に行った。東京フィルメックスで観た園子温監督「愛のむきだし」の公開日。舞台挨拶付き。


 時間があったので渋谷の地下二階になったブックファーストで新書コーナーを見ていたらAV女優の穂花の「小悪魔セックス」という新書があって気になった。買ってないけど最近AV女優さんも書いたりとかそういう仕事をする人が増えてきたなあと思う。その業界で世の中の人に一番受け入れられていた飯島愛のような存在には中々なれないだろうけど、いろんな分野で活躍する人が出てきてる。


 AV女優の初恋話とかそういう話をまとめてみるとかAV女優探偵とかいろいろありだとは思うのだけどなあ。

小悪魔セックス (ベスト新書)

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PLATONIC SEX (小学館文庫)

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 ユーロスペースにて舞台挨拶。園子温監督、西島隆弘満島ひかり安藤サクラ渡部篤郎、渡辺真紀子が壇上へ。渡部篤郎さんがカッコよかった、服装もオシャレなインテリに見えた。


 途中で満島ひかりが泣き出した。この作品が彼女に与えたものがあまりに大きかったのだろう。僕は観るのは二回目だったが、彼女が女優に化けたこの作品は彼女にとってのターニングポイントなんだろう。園さんはあんまり話さなかったけど顔色を見る限りではたぶん飲んでたと思うんだけど。あと最後列にいて後ろはマスコミとかいたけどそこに安藤サクラの父・奥田瑛二さんが普通にいた、うーむダンディ。


 ユーロスペースは忘れてたけど狭い、前の列との隙間があんまりないので通りにくい。映画を観る映画館と言う空間は様々な人がいる。AAAの西島ファンだろう高校生女子たちがかなりいたが、問題はそいつらだった。映画が始まってるのに話してるし、観ながら話すって周りの迷惑とか考えられないのか、携帯の画面が何度が光ってるのも見えたし、後半始まった(237分なので途中で休憩がはいる)のにおにぎり食ってるやつとかね。


 映画観る時のルールっていうか他の人の迷惑を考えられないやつは観るべきじゃない。いろんな人と共有している空間だから。だいぶ西島ファンが来て客層も若い人を取り込めているのに、そういう人が残念なことをしたら西島は嫌いでもなんでもないけどファンはあかんなってことになる。というか僕はすごく感動したけどそれをマックスまで持っていけない理由のひとつがそういう理由だったから、けっこうムカついた。


 西島の役は周りが動くことで動いていくことになる役だったと思う。演技も違和感無いしね。でもこの映画で園さんの「紀子の食卓」で吉高由里子がブレイクして世に出て行ったように、満島ひかりはこの作品で完全に女優に覚醒している。後半の重要なバスのシーンの後半辺りで彼女の顔つきが一気に変化している。


 園子温という鬼才の物語の中に入ることで何かが目覚めたような雰囲気を持つ。そして最後のシーン、詳しく書くとネタバレになるのであんまり書けないがやっぱり号泣してしまう、鼻水も出てしまう。237分の長丁場によって観るものの感情はユウとヨーコの主人公たちの感情に重なる、だからこそあのラストのヨーコとユウのシーンは二人が同じ画面に映るまえから心が震えてしまう、



愛のむきだし」@東京フィルメックス
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081130
↑感想的には一回目に観た時と同じかな。


 パンフレットには映画にも出ている宮台真司さんのレビューも。本当にどっかの出版社さんで園子温×宮台真司の80,90年代の渋谷の話とかの本出せばいいのに。濃厚な時代を証明する書物になると思うし、読みたいんだけどな。東京ガガガの話とかね。


 今度観に行くとには女子高生が少なそうな最終回に行こうかなって思う、終わるの23時過ぎだし。でも09年始まったばっかりだけど、これ越える映画があるとは思えないんだよなあ。この映画のラストの凄さはある意味トラウマになる。

愛のむきだし

愛のむきだし


 映画終わった後に寝ないままでバイトに行ったらここ二日間の雨のせいでアホみたいに客が来て心の底から消えろと思った。あんなに非日常を映画で体験した後に思いっきり日常を見せつけられると壁とかぶち壊して客を本気で殴りつけたくなる。


 大崎善生の新作「ディスカスの飼い方」の表紙がすごくいい。「パイロットフィッシュ」みたいな作品だと人に勧めるんだけどな、まだ読んでない。

ディスカスの飼い方

ディスカスの飼い方


 宮台さんの弟子であるcharlieこと鈴木謙介氏がパーソナリティを務める文化系トークラジオ Life「未知との遭遇」part5配信中。
http://www.tbsradio.jp/life/index.html


 でも、きっと西島目当てで来た女子高生のうち、きっかけとして園子温作品と出会ってしまう、そんな未知との遭遇で人生変わる人もいるんだろうなあって勝手に思う。で映画とか興味持ち出して映画学校入ったりしたら完全に人生間違えると思う。


 園作品はそれだけ狂気にも、凶器にも、狂喜になるから。映画学校卒業したけど出てからいろんな人と出会っていくことの方が勉強になったしなあ、同級生もみんなそう思ってる奴の方が多いと思うし。
 学校じゃないとこの方が学べることは多い、まあ学校でもいろんなことは学べるんだけど。意識的に学ぼうってなった時はわりとそこから出たときだと思ったりもしている。