Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『ミックス。』


 本日公開、TOHOシネマズ渋谷にて9時40分の初回の回で観る。台風が近づいていて雨のためもあるのか半数も埋まっていなかったような、どうなんだろう。フジテレビが製作していることもあって、新垣結衣瑛太コンビが宣伝のためにいろんな媒体に出ているが、今作の脚本が『リーガルハイ』の古沢良太さんの脚本ということもあり、ガッキーと組ませてフジテレビが映画を作らせたかったのだろう。『逃げ恥』でまたもやガッキー人気は急上昇であり、極めて同感の成長しているはずなのにまだ制服もいけるんじゃないというこのままYUKIのようなロリババア(良くも悪くも)になりそうな彼女は嫌いな女優ではないことは事実で、女性化粧品かたお菓子のCMタレントであり、男子も好きな女優さんというちょっと無敵感がある。
 今回はその可愛さが序盤ふてくされているように見える、基本的に元天才卓球少女という存在だった多珠子は熱血指導をしていたコーチである母の死後は卓球を捨てて平凡な人生を思春期を過ごして会社員をしていた。それは誰にも言っていない黒歴史であり、恋人の浮気によって実家に帰ることとで彼への想いと自分のアイデンティティをかけて男女混合ダブルスで彼と浮気相手に勝つために再び卓球を始めるという物語である。ダブルスを組む元プロボクサーの瑛太(役名は忘れた)と卓球クラブのポンコツな仲間たちと全日本卓球選手権に出るための神奈川県予選に出るが、ボロボロに負けてしまう。そして、そこから再起が始まる。多珠子たちメンバーはそれぞれに抱えていることに対して前に進むため、絶ちきって覚悟することでそれまでの不甲斐ない自分たちや目を背けていたものと対峙する、その成長は卓球でのダブルスでの強さとリンクしていく。終盤ガッキー&瑛太コンビのそれぞれ人生の岐路に立つことになり選択を強いられる。彼らが選ぶものは物語の展開上胸熱にするためには当然の帰結だが、一緒に過ごした時間というのも大事な要素だと思う。願うことは最初は違っていたが一緒に練習した日々や互いの存在、誰かがそばにいてくれるという安らぎ、そしてダブルスのパートナーであるということが合致していく。
 二時間ほどの作品なのでかなりコンパクトにまとめられているがテンポよく進むこともあり、各キャラクターのクセがちょうどいいぐらいなので鼻につかない、それもテレビドラマで脚本を書き続けヒット作を出しているからできるセンスなのかもしれない。ガッキーってやっぱり可愛いんだなという当たり前の感想はみんな持つだろうが、『ちはやふる』第1作のような観終わって心がほっこりするチームものという部分もある。もっとそれぞれのキャラクターの葛藤や物語に奥行きを持たすようなシークエンスがあったほうがいいという人もたぶんいる、だがこの長さにしたことが大事なのだと思う。みんなこのぐらいのテンポでわかりやすい作品を気軽に観たいのだから。そして、こういう作品がヒットすることと対になるような答えのないわかりづらい作品も収益どうこうでなく作られて観てもらえることがきっと健全なのだろうなと思う。